流れ星に当たる
今日、ふたご座流星群。
仕事の帰り道に、大きな流れ星を見た。
流れ星を見るために空を眺めていたわけではなく、
いつも通り少し残業して、いつも通りの帰り道をただぼんやりと歩いていただけだった。
街灯もある、普通の住宅街。
進行方向の天上近く。
すうっと長く尾を引いて、パッと光って消えた。
疲れていたから、何か見間違えたかと思ったが、ツイッター検索して他にも見た人が沢山いるのを見て、やっぱりあれは流れ星だったんだと確信した。
家に帰って興奮気味に家族に話したら、
「よかったね。譲葉は今年は当たり年やね」
と言われた。
見ようと思っていたわけではないから、
見えたというよりも、確かに、流れ星に"当たった"のだろう。
当たり年。
良くも悪くも、思い返せば"当たり"年と言えるのかもしれない。
病気で入院したりした。
帰り道に運悪く鳩のフンが鞄に直撃した。
倍率の高い舞台のチケット抽選に当たった。
流行病に罹った。
職場でちょっと色々あった。
お笑いにドハマりして、劇場に通った。
などなど。
『禍福は糾える縄の如し』
『人間万事塞翁が馬』
……なんて、うろ覚えの古事成語を思い出す。
心なしか良くないことの方が多めだった気がしなくもないが、まあ良しとしよう。
ここまで色々当たったのなら、宝くじでも買ってみようか、なんて思うほど、何だか色々あった1年だった。
頭上を私の視界に当たって消えていった流れ星は、
良いことの前兆か、はたまた良くないことの前兆か。
今年が終わるまであと十数日。
これ以上、良いことも良くないことにも当たらないで、平穏に過ごせますようにと、
3回は唱えられてないけれど、
穏やかな日常を願う、ささやかな願い事をちょっとくらい叶えてくれてもいいんですよ?と、
もう見えなくなった流れ星に願ってみたりした。