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『Café Joyeux』では店名そのままみんな幸せそうに働いていた

『Café Joyeux』(カフェ ジョワイユ) という、
ダウン症などの障害がある人が働くカフェに行った。

おしゃれすぎる。
ハイブランドが立ち並ぶシャンゼリゼという立地、そしてこの内装。
日本にはこういう感じの企業はないよなあ。

凱旋門のすぐ近くにある
凱旋門とは同じ画角に収まるくらいの距離感
カフェジョワイユ店内
黄色基調のポップなデザイン

ここで働けるのはすごいことなのだと思う。
ここに就職が決まった人たちは、「えー!ジョワイユさんに決まったん!?めっちゃすごいやん!」とか言われていそうだ。

Cafe Joyeuxはとても有名で、ネットでフランスの障害者雇用について調べるとよくJoyeux関連の記事がヒットする。
ただ、チェーン店とはいえ、店頭の人、ホールスタッフや、コーヒー豆の焙煎をしている人を併せてもそんなに多くの人が働けるわけではない。
どうやって働く人を選んでいるんだろう?
なんてことがちょっと気になった。

障害のある人はたくさんいるけれど、就労先は限られている。
日本もフランスもそれは一緒だろう。
他の障害者の人はどんなところで働いているんだろうな。


さて、シャンゼリゼ店に夫と平日のカフェタイムに訪れたわけだが、その時の私、語学学校が辛すぎて闇堕ちしてる時期でありまして。
世界全てが灰色に写っていたのであまりカフェでの記憶が無い。
覚えていることだけ書いてみようと思う。

レジまでの長い列を並んでカフェオレと焼き菓子のセットを頼んだ。
レジの男の子は、タッチパネルに注文内容を入力する担当で、操作が難しい場合は隣のお姉さんが口頭説明しながら代わりに入力する、という感じだった。
彼の入力動作は遅い(多分それぞれのボタンが複数ある中のどのページあるのか把握できていないのだと思う)ので、結局ほとんどお姉さんが入力していた。

私たちの注文を聞いている途中、レジの男の子が一度お姉さんの手を払うようなジェスチャーをした。
実際には手を払ったわけではなく、眉をひそめて手をヒョイっと動かしただけなんだけど。
この発見に「おっ」となった。
自分で頑張りたいという男の子の意志を感じた。
理想の自分に向かって頑張れ青年。
タッチパネルも分かりやすくなったらいいね。

席に着いた私は夫に恨み言をぶつけていた。
辛くて泣いていた。(語学学校が…。)

そこに体の大きな青年が満面の笑みで焼き菓子セットを運んできてくれた。
焼き菓子が3つ乗ったプレートをうやうやしくテーブルに置いて彼は去っていった。
運ばれてきた焼き菓子はおいしそうなんだけど、フォークがない。
…手で食べるのかな。
とりあえずケーキを指でつまんでみるとボロボロと崩れてしまった。
フォークいるやん。

泣きながらも立ち上がり、食器を片付けているダウン症の男の子に話しかけた。フォーク頂戴と。
つたないながらも通じたようで、『fourchette!』と笑顔で1本のフォークを渡してくれた。
渡す時に小指が立っていて可愛いなと思った。
こちらはめっちゃ泣いていたんだけど、彼は多分気にしていなかった。
笑顔でフォークを渡すという仕事に懸命に向き合っていた。
すごくいいと思う。
フォークのお礼を伝えると、両手でグーサインしながら顎をにゅっと前に出して笑顔を見せてくれた。
きっと彼の決めポーズなんだろう。
あるよね、そういうの。
働いていて楽しそう、Café Joyeuxという店名そのままだ。

次はもっとじっくり楽しみたいな。

グッズも豊富でどれもおしゃれだった。
コーヒーや紅茶、エスプレッソカップなどを購入した。

Franprixのコーヒー売り場にて
Franprixのコーヒー売り場にて

彼らが焙煎しているというコーヒーは、スーパーのFranprixでも普通に売っていた!すご。広告も立派や。


マレにあるここも行ってみたかったが、日が合わなかった。

こちらはASDの方たちが働いているそうだ。

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