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【V・ファーレン長崎】ありがとうトラスタ トランス・コスモススタジアムの好きだったところ

サッカーJ2リーグのV・ファーレン長崎が2013年からホームスタジアムにしているトランス・コスモススタジアム(長崎県立総合運動公園陸上競技場)での最後の試合が2024年9月22日に行なわれる。

残念ながら最後の試合は仕事のために現地での応援はできないのだけど、スタジアムの個人的な思い出と好きだったところを記してみる。

トランス・コスモススタジアム
(長崎県立総合運動公園陸上競技場)

初めてV・ファーレン長崎の試合を観にトランス・コスモススタジアムに行った際に特に驚いて印象深かった点は、サッカースタジアムは競技を観戦するだけ場所ではなくて、地元の人たちとアウェイから来た観光客も一緒になって地域との繋がりや交流が行われていた点だった。


自分が初めてV・ファーレン長崎の応援に行ったのは、Twitterや Instagramを遡ってみると2018年の8月だったようだ。
それまでの人生で自分はスポーツ観戦をほとんどしてこなかったし、団体の競技スポーツともほとんど縁がなかった。
それでも、地元で暮らしていればV・ファーレン長崎とはなにかしら接点や縁も出てくるし、特にJ1リーグに昇格した2018年の盛り上がりは外側から見ていても相当なもので、何やら楽しそうなことが起きているなという印象があった。


まずJR諫早駅からスタジアムへ向かう道中で最初に驚いたのが、駅前の商店街が中心になって手作りのブースを作りお茶やお菓子、お酒(!)を振る舞いおもてなしをしていた点だ。
アウェイのサポーターもホームのサポーターも、なんならたまたま通りがかった人にさえも声を掛けてお茶を勧めていた。
そこではサポーター同士のちょっとした交流のきっかけになっていた。
こういうことは普通の観光ではなかなかないことだと思う。

諌早市の日本酒蔵元「杵の川(きのかわ)」の日本酒が振る舞われる

また、スタジアムに着いてから驚いたのは、その客層の幅広さ。
ちびっ子から高齢の方まで男女比も満遍なく来場していて驚いた。
自分が今まで見てきたイベント関係でこんなに幅広い客層はほとんど見たことない。
学生さんたちからしたら高齢層が多く見えるかもしれないけど、高校生や大学生っぽいグループや子どもを連れた家族のグループ、高齢のご夫婦、一人で来てる大人もいるし、こういう人たちが同じイベントに一堂に会することはそうない。

そして、県立の公園という立地だからなのか、サッカー観戦を目的にしていない人たちもその場所にたくさん居たことにも衝撃を受けた。
部活動だったり、犬の散歩や公園にただ遊びに来た人も、同じ場所に(もしかしたらお互いに邪魔だなと思いながらも)共存していた。
散歩してる人から「今日はどことの試合?」「最近調子良いね」とか話しかけられたりもした。

キックオフまでの時間は公園でそれぞれが思い思いに過ごす

このスタジアムで起きている、地元の人同士の交流拠点、観光客と地域の人の交流、世代間交流、他目的の共存って、よくある地方創生や活性化の書籍やセミナーで課題として挙げられるテーマでもある。
そして、これを実現するために色々やってる人はいるけど実際むずかしくて、やっていても規模が小さかったりクローズドな内輪な雰囲気だったりすることが多い印象があった。
だから、こんな大きい規模でこんなに集客して(地方では2週間間隔で毎回少なくとも何千人も集客できるイベントは他にまずない)、ちゃんとお金も動かして既に実践できている事実に本当に驚いた。
そしてその中心にV・ファーレン長崎がいる。

もちろん初めて行った観戦した試合は、試合自体も面白かった。
スポンサー含めて地元にこんなに熱い場所があったんだと気付いたし、サッカー自体のどちらが勝つか分からないワクワクハラハラ感もめちゃくちゃ楽しかった。
それから頻繁に応援に行くようになりファンクラブも入りシーズンシートも買うようになった。


そして応援するようになって思うのは、V・ファーレン長崎の盛り上がりは、トランス・コスモススタジアムのある県立運動公園の空気感も大きな要因のひとつなんだと思う。

ベンチに座って自然に囲まれてスタグルを食べられる

基本的には公園って自由な場所でトラスタの周りにはベンチも沢山あって池や噴水、季節の花も沢山ある。
試合前のイベントは楽しいし選手バスの会場入りをサポーター皆んなで迎え入れるのも熱くて一体感があって良い。
それでもちょっと疲れたときや少しクールダウンしたいとき、熱狂から距離を置ける場所があることはすごく良いことだと思う。
いつでも熱狂の輪のなかに入っていけるし、出ることもできて、また戻ってくることもできる。
それぞれのその時々の距離感でV・ファーレン長崎と関わっていけるし応援し続けることができる。
そういったことを象徴するような雰囲気があった。

マスコットのヴィヴィくんのイベントも大人気

10月からはV・ファーレン長崎のホームスタジアムは長崎市内に建設されたピーススタジアムになる。
見学をしたけど本当に立派で素晴らしいスタジアムだったし、こんな施設が長崎にできることが奇跡みたいなことで、ここでV・ファーレン長崎を応援できることが本当に楽しみ。

そして、願わくばここまで挙げたようなトラスタの良い点が新しいスタジアムでも、なんらかのかたちで引き継ぐことができたら、より良いなと密かに思っている。

ありがとうトラスタ

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