年末年始に読みたい、海外著名VCの2024年振り返りと2025年投資テーマ記事まとめ
こんにちは、Z Venture Capitalの湯田です。
今年も残りわずかとなりました。
今回は、海外の著名なVCが発表した「2024年の総括」と「2025年の投資テーマ」に関する記事をご紹介します。多忙な方でも、この記事を読むだけで世界的なトレンドをざっと把握できるはずです。年末の振り返りや、2025年、皆さまに新たな変革をもたらす一助となれば嬉しいです。
①「AI in 2025: Building Blocks Firmly in Place」ー Sequoia Capital
Sequoia Capitalは2024年のAI業界を「原始スープ(Primordial Soup)の年」と位置づけました。GPT-4レベルのLLM開発や導入競争が活発化し、Microsoft/OpenAI、Amazon/Anthropic、Google、Meta、xAIの5社が「ファイナリスト」として主要なポジションを築いたと分析しています。多様なアプローチが混在する一方で、2025年以降に本格的な成果をもたらす“土台”はすでに整いつつあり、中でもAI検索エンジンは最重要のキラーユースケースになると予測しています。
②「5 Themes from 2024」ー NEA
NEAは「5 Themes from 2024」において、22-35歳のナレッジワーカー200人へのパネル調査を基に、2024年の消費者トレンドを5つのテーマで分析しています。キーワードとして「インフレ時代の消費」「新しいメディアとクリエイターグラフ」「リアルタイム小売」「Gen AIのゲートウェイ」「セキュリティの断絶」を挙げ、マクロ視点から消費者心理を洞察しています。インフレが続く中での購買行動や、クリエイター・メディアの新潮流など、示唆に富む内容です。
③「Big ideas in tech 2025 」ー a16z
a16zの「Big ideas in tech 2025」は、American Dynamism、Bio + Health、Consumer Tech、Crypto、Enterprise + Fintech、Games、Infrastructureの各領域における50人のパートナーの見解をまとめたものです。たとえば、外部化された「AI脳」、バイオ医薬の大変革、原子力再興、Google検索を脅かす新勢力、戦場でのAIなど、多岐にわたる“ビッグアイデア”が網羅されています。2025年に向けたイノベーションの先読みとして、各分野での投資テーマを知るうえで参考になります。
④「2024's Biggest Startup Trends」ー Y Combinator
YCが公開した「2024's Biggest Startup Trends」は、2024年のスタートアップ動向を包括的に分析した動画です。OpenAIの独走が予想された一方、PerplexityやPhotoRoomなどが急成長を遂げ、オープンソースモデル(MetaのLlamaなど)の普及で参入障壁が下がった点が強調されています。また、YC企業のOpus ClipがシリーズAなしで24ヶ月の収益化に成功したり、PDF解析と複雑なタスクで異なるAIモデルを使い分ける手法が一般化したりと、急速な進化がうかがえます。今後は音声AIやロボティクスへの期待が高まっており、2024年はAIスタートアップの転換点だったと結論づけています。
⑤「2024 Sales trends report」ー Lightspeed
Lightspeedの「Sales Benchmarking Report 2024」は、ポートフォリオを含む154社のスタートアップ調査をベースに、2024年の収益目標達成状況や販売戦略、AI導入、リモートワークモデルの変化をまとめています。アーリーステージ創業者や営業組織リーダー向けに、セールスの現状と今後の展望が示されており、実用的なインサイトが多い内容です。
まとめ
総括すると、2024年はAIの進展が著しく、各業界で大手企業による独占を懸念する声がある一方、多くのスタートアップが躍進しました。AI技術の実装手法やユースケースが確立されつつあり、企業利用が着実に進んでいます。2025年には、音声AI、バイオテック、エンタメ、ロボティクス、オンデバイスAIなど、多彩な分野でイノベーションが一段と加速する見込みです。
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引き続き、よろしくお願いいたします。