【企業分析・AVGO(ブロードコム)】AI産業を加速化させるのは君だ
◯企業概要
・AVGO(ブロードコム)は通信インフラ向け半導体企業です。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州にあります。時価総額は米国で第9位です。2016年にアバゴテクノロジーがブロードコムを買収し、アバゴテクノロジーが社名をブロードコムに変更しました。ティッカーは前身のAVGO(アバゴテクノロジー)のままになっております。
・2022年にVMwareの買収(610億ドル)を発表し、2023年に買収を完了させました。
・VMwareは2004年にECMが買収し、DellによるECM買収を経て2016年にDellの傘下となりました。その後2021年に株式81%をスピンオフをし、独立企業となりました。
◯直近決算
◆EPS:$10.99 (予想$10.37)
◆売上高:119.6億ドル(予想117.9億ドル) 前年比+34.2% 通期ガイダンスは500億ドル(予想502億ドル)
・直近発表された2024年第1四半期の決算では初めてVMwareの収益が反映されました。しかし、通期ガイダンスでは、VMware買収の相乗効果による増加分を含まないものとなり株価は短期筋の売りで下落しました。また、ホックタンCEOの発言は下記2つのドライバーにより、収益成長は加速するとのことでした。
①AIデータセンターのネットワーキング製品需要が強い。
②ハイパースケーラーのカスタムAIアクセラレータに対する強い需要が半導体業界(セミコンダクターセグメント)の成長を牽引している。
◯事業内容について
≪概要≫
・主力事業は高性能のネットワーク構築に使用する半導体事業とインフラストラクチャソフトウェア製品の設計および開発です。その他にワイヤレスソリューション、ブロードバンド等を展開しています。下記には注目している2つの技術を紹介します。
≪AIとAVGOの関連性≫
・アクセラレーテッドコンピューティングとは、AIと機械学習アルゴリズムの実行を高速化するために特化したハードウェアです。その一部を担うのがAVGOの半導体となります。
・AVGOは高度な計算ニーズに対応するために設計された製品を提供しており、大規模なAIアプリケーションの効率と性能を向上させます。つまり、AVGOの技術がAI産業を加速させるということです。
・強みであるチップは上記図の『Jericho3-AI』となります。何がすごいかと言うと、『32,000個のGPUと接続が出来る』ことです。それによって下記①と②の効果をもたらします。
①ジョブ完了時間を大幅に短縮:大規模な AI モデルのトレーニングと推論を完了するのにかかる時間と労力を削減し、システム効率を向上させる。
②電力を40%削減:Jericho3-AI ファブリックにより、ギガビットあたりの電力を 40% 削減。
AI業界の課題は効率化と電力消費なので、今最も課題解決が出来る半導体であり、業界の中では必須の存在となっています。
≪AVGOの仮想化技術≫
・AVGOの魅力である仮想化技術は、主にデータセンター、クラウドコンピューティング、ネットワーク仮想化などの分野で応用されています。仮想化技術とは、物理的なハードウェアリソースを複数の仮想環境やマシンに分割・割り当てる技術であり、効率的なリソースの使用、柔軟な管理、コスト削減などの利点を提供します。具体的には、1台のPCで複数のPCを利用するようにする技術です。そしてその複数のPCはそれぞれ独自の動きをすることが可能です。そういった革新的な技術にも取り組んでいます。
※細かく勉強したい方はHPを参照下さい。https://www.vmware.com/products.html
◯意見
・AI産業の商流を考えると、AVGOはNVDAの GPUを効率的なものに変える付加価値があります。なので、AI産業を加速させる為になくてはならない存在だと考えています。