金儲けと仕事がデキるは別問題
職人としては優秀なのに、独立するとうまくいかない人は結構多い。
— なぁさん|しょぼい起業家 (@nst_nakata) January 5, 2025
それは仕事ができることと金儲けができることを混合してるから。
自分の仕事はコアスキルのみにして、補完する人やツールを探すのがベスト。
はじめに
ぼくは先日、「職人としては優秀なのに、独立するとうまくいかない人は結構多い。それは仕事ができることと金儲けができることを混合してるから。自分の仕事はコアスキルのみにして、補完する人やツールを探すのがベスト」というポストをしました。
これは、ぼく自身も長くビジネスをやってきて痛感していることでもあります。どんなに素晴らしい技術や知識を持っていても、“稼ぐ仕組み”を整えていないと、独立してから苦労するケースは多いものです。
今回は「職人として優秀な人ほど陥りがちな落とし穴」と、「どうやってそれを克服していくか」について深掘りしていきたいと思います。もしあなたが独立や起業を考えているなら、ぜひ参考にしてみてください。
職人と経営者は別スキル
職人として、圧倒的なスキルや知識を持っている人は、企業に勤めている間は大いに重宝されます。しかし、いざ独立した途端に苦戦することがあるのはなぜでしょうか。それは、職人としての技術力と、経営者としての金儲け力はまったくの別スキルだからです。
• 職人のスキル
製造・開発・デザイン・コンサルティングなど、それぞれの専門分野で卓越した知識と技術を持っていること。細かなところまでこだわりを持ち、品質の高い仕事ができる能力です。
• 経営者のスキル
事業計画の立案、マーケティング、集客、売上管理、コスト管理、スタッフマネジメントなど、多岐にわたるタスクを総合的に組み立てていく力です。技術とは別の“ビジネスをまわす仕組み”を作るセンスや経験が求められます。
どんなに高度な職人技を持っていても、「お金を生み出す仕組み」は自然にはできません。むしろ、腕に自信があるほど「自分は最高の仕事をしているのに、なぜ稼げないんだ?」と苦しむことになるかもしれません。
なぜ混合しがちなのか
「仕事ができること」と「金儲けができること」を混合してしまう理由としては、以下のような背景が考えられます。
1. 会社員時代の評価軸が“技術力”に偏っている
会社では、とにかく仕事ができれば上司や同僚から評価されることが多いです。売上を考えるのは営業部門や経営陣で、自分は品質や効率を上げることに集中していればいいという環境だと、「仕事=技術がすべて」と思い込みやすいです。
2. 顧客と直接やりとりする機会が少ない
技術職や専門職の場合、クライアントとの価格交渉や提案は他の部署に任せきりで、自分は“つくること・仕上げること”に専念しているケースが多々あります。すると、マーケティングや営業のノウハウを身につけるチャンスがありません。
3. 自分のスキルを過大評価してしまう
「これだけの技術があれば、自分でやっても十分食べていけるだろう」という思い込みからスタートし、いざ独立してみると「お客さんが集まらない」「単価を上げられない」などの現実を突きつけられてしまいます。
コアスキルに集中するという考え方
独立して成功するためには、“職人スキル”と“経営スキル”を両方身につけることが理想ではあります。でも、すべてを1人でやるには限界がありますよね。そこでぼくは、「自分がやるべきはコアスキルのみで、それ以外は補完する人やツールを活用するべし」と考えています。
• 自分の役割を徹底的に絞る
たとえばデザイナーなら「デザインそのもの」に集中し、営業や事務は外注やパートナーに任せる。プログラマーなら「開発・コードの品質管理」に注力し、集客や顧客対応は専門の人を探す。そうすることで、自分の強みを最大限に発揮できるだけでなく、ビジネス全体を効率よく運用できます。
• 補完する人・ツールを探す
今の時代はクラウドソーシングやオンラインツールが充実しているので、意外と低コストで専門家を雇ったり、業務を自動化したりすることが可能です。たとえば経理や請求業務は会計ソフトに任せ、プロモーションはSNSに詳しい人と協力するなど、うまく分業すれば負担を軽減できます。
• 価値を最大化する発想
1人で全部こなそうとすると、せっかくの職人技が埋もれたり、質を維持できなかったりします。逆に、自分が得意な部分だけにエネルギーを注ぐことで「実はあの人、すごい専門家だよ」と周りから評判になりやすい。結果的に、仕事の単価を上げられる可能性も高まります。
どこまで自分でやるか
もちろん、「自分のコアスキルだけやる」と言っても、その範囲は人によって変わります。どうしても手放せない作業があるなら、それはあなたのコアスキルかもしれません。一方で、他の誰かがやっても結果が変わらない仕事なら、積極的に任せたほうがいいです。
• 得意・好き・唯一無二の要素
これがあなたのコアスキルのヒントです。自分しか持っていないノウハウや、やっていて苦にならない領域を洗い出してみましょう。
• 苦手・面倒・誰にでもできる要素
こうした仕事は、外注したりパートナーを探したりすべき領域です。時間やコストを最小限に抑えながら、あなたのビジネス全体を効率化してくれます。
まとめ
「職人としては優秀なのに、独立すると失敗してしまう人が多い」というのは、まさに“仕事ができること”と“金儲けができること”を混同しているからです。どんなに優れた技術を持っていても、自分で集客・売上管理・マーケティングを組み立てられなければ、独立後に苦戦してしまうのは当たり前とも言えます。
だからこそ、自分はコアスキルに集中し、その周辺を他の人やツールで補完するという発想が必要です。一人で何でもやろうとするよりも、結果的に高品質の仕事ができ、収益性も上がることが多いです。
もしあなたが「自分の職人技には自信があるけど、ビジネス面では不安」という状況なら、まずは「自分にしかできないこと」を明確にし、そこに力を注いでみてください。残りの作業はスキルのある人や便利なツールに頼ることで、スピーディーかつ効率的に事業を伸ばしていけるはずです。
職人スキルを生かしつつ、しっかりと稼ぐビジネスを構築するために、ぜひ参考にしてみてください。
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