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ガリガリくんから31へ

31アイスクリームは、だいたいどれを選んでもハズレがない。

僕はいつも3つのフレーバーを5秒もかからず直感で決める。

どれを選んだって大差ないし、そもそも「これが好き!」「絶対これ!」ってこだわりがない。昔から好き嫌いが少ないといえば聞こえはいいけど、単に適当なんだと思う。

20代のころは、お金がなくてアイスを買うなんて贅沢な行為だった。

もし「今日はどうしても甘いものが欲しいれとなっても、20円のチロルチョコか30円のブラックサンダー、アイスなら60円のガリガリ君を選ぶのが当たり前だった。

いまは、妻に「これが食べたい」と言われたら、300円でも400円でもあまり気にせず買ってしまう。

しかも複数買いすることもあるからレジに行けば「意外と高いな」と思う反面「まぁ別にええか」と感じるようになった。余裕がある。

かといって、めちゃくちゃ豊かな気持ちになるわけでもないけど「昔とは変わったなあ」とは思う。アイスに300円かけるなんて当時の僕に見せたら驚くだろう。

ちなみに普段は砂糖を控えている。低血糖症で血糖値スパイクも起こりやすいからかなり控えてる。

とくに30代の半ばあたりから。甘いものを食べ過ぎると体調が乱れやすいし、体力もないから注意しないといけない。

だけど、たまに31でアイスを食べると異常なくらい頭が冴える瞬間がある。

脳がギューーンと活性化して覚醒する。昔は、毎日のようにコーラを飲んでスイーツを食べていて、それが起業初期のストレス発散になっていたんだと思う。

疲れたら甘いものが欲しくなるっていうのは今でも変わらないけど、勢いでバクバク食べるのはない。反動で疲れるのは嫌だし。翌日にお腹の調子が悪くなることもあるし。

そんなわけで、いまでも31に行けばフレーバーを3種類ほど一瞬で選んで、それを妻と食べる。

どれを選んでもかなり美味しい。

こだわりはまるでないけど、なんだか妻といっしょに食べるアイスはいつもよりうまく感じる。

単に砂糖のせいで脳が喜んでいるだけかもしれないけど、昔みたいにお金を気にせず、誰かのためにお金を使える余裕があるっていうのは、ほんのちょっとだけいいなと思う。

「何を食べてもいいし、何を選んでも美味しいから別に困らない」というテキトーな性格は変わってない。

けど、ガリガリ君一択だった時期から、いまは気軽に31に寄って贅沢できるようになったのは、ちょっとした進歩だ。

ひとり社長やってるわりには、しょぼい進化とは思うけど。

いまはたまに31アイスを妻と食べる。それだけでちょっと幸せになれるなら、悪くない習慣だと感じている。

今日買ったアイスはまだ冷凍庫の中で眠ってる。

明日、妻と半分こして美味しくいただこう。


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