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【25歳欧州1人旅】1800円で不安を面白さに変換する回路がハマった。

フィレンチェではなく、フィレンツェと言いたい。

干場義雅さんが花の都で感極まる動画を以前に見たイメージで、フィレンツェはイタリアの中でも“通“の人が行くイメージがなぜか自分の中であった。

今回のヨーロッパ旅で最も滞在日数が多く、5つの都市を訪れたイタリア。

「一体、1日にどれだけのお金がここに落ちているんだろう…」

宮島の遊覧船は1600円。飛ぶように売れるヴェネツィアのゴンドラは80〜100ユーロ。

念願のヴェネツィアのこの景色は本当に美しかった。



そう思いながらも、水の都のこの景色は世界中から観光客が訪れる理由が一目で分かる、納得の美しさであった。

しかし、このヴェネツィアの前に行った場所がある。

フィレンチェだ。

不安を面白さに変換する回路


多様なものに触れるときに生じる、「不安」を「面白さ」に変換する回路を作ることが想定外が起こる旅を楽しむコツであり、それがどんな状況でもできる人が「旅慣れた、かっこいい人」だと私は思う。

不安を面白さに変換する回路を作るには、
その時の自分に勇気を与えてくれる行動を探り当て、それを実行することである。


・今の自分の背中を押してくれる音楽を聴くこと
・カフェで一息つくことや美味しいものを食べること
・旅の初心を思い出すこと
・人生は一度きりということを自覚すること

何がハマるかは、その時ガチャガチャしてみないとわからない。

旅にはそれを試される 勝負の場面 が1日に少なくとも3回は訪れる。

ミケランジェロ広場で4時間半待った私を救ってくれた、2杯の白ワイン

真夏の直の太陽は当たっているだけでエネルギーがじわじわと削がれていく。

私は夕陽を見るためにミケランジェロ広場に向かった。

到着したのは確か17時過ぎだったと思う。

日中に練り歩いたフィレンツェの旧市街を一望できる Vip’s Barに滑り込み、カフェラテを頼んだ。

この時、暑さによる不安に晒されていた私に日陰とカフェラテは大いに勇気を与えてくれた。よし、いけるぞ。

しかし、一向に訪れる気配のないマジックアワー。

ヨーロッパの日の長さを私は本当に舐めていた。気づけばVip’s Barに2時間居座っていた。

店員の目線が気になり出した。

「こいつ、カフェラテ一杯で1番ええ席にいつまでおんねん」と思われている気がした。

いや、一番自分が分かっている。

そんな時、イヤフォンから「桑田佳祐の明日晴れるかな」が流れてきた。

いつもは音楽が自分の背中を直列回路でダイレクトに押してくれる。

しかし、何かがおかしい。

漏電してしまった。本来流れるべき電気回路以外に電流が流れた。

つまり、他の心配事を思い出してしまった。

明日」という歌詞がふと「私の明日」を思い出させたのだ。

明日の予約したヴェネツィア行きの電車が朝7:20発だったことを。

「こんなことせずに早く宿に戻って、準備して寝ーへんと起きれへんぞ。」

難しい。

「これだ」と思っても“変換“させてくれない時もある。

Vip’s Barで延長戦へ

お店を出たとしても、他に行く場所がもうなかった私は延長戦を戦うことにした。

店員さんを久しぶりに呼び、900円の白ワインを頼んだ。

19:15 。白ワイン。


「ジャパニーズ?コンニチハ!エンジョイ!」

「お前は好きなだけいていいんだぞ」と言われている気がして嬉しくなり、1杯飲み終え、もう1杯同じ白ワインを頼んだ。時刻は20:30。人がたくさん集まり出してきた。

20:27。皆、スタンバイし始めた



明日への心配も、もうすぐVip’s Barに入って4時間を経過しようとする事実も、もう私を不安にさせることはなかった。

お酒の力といえばそれまでだが、あまり小さい事は気にするな。目の前の景色を目に焼きつけることだけに集中しろと、その時の自分は背中を押された。

20:55。フィレンツェの街に沈んでいく夕陽
21:02。それでもまだ明るい。


ついに無事にフィレンツェの街に沈む夕陽を見ることができた。

延長戦の末に手に入れたこの景色は一生忘れないだろう。

ミケランジェロ広場4時間半。

白ワイン21800が今回の偶然にハマった不安を変換してくれる回路だった。

旅で起こることは人生でも起こる


あれから1ヶ月経った。

それは日々、起こる。

良いことも、悪いことも。

ヨーロッパ旅中に書いたメモ
「自分がそれをどう捉えるか。常に前を向いて生きていくこと」

今振り返ると、このヨーロッパ旅はそれを鍛える良いトレーニングだったと感じる。

小さいことだけど、侮ってはいけない。

時にほんの小さいことだけど、絶対に侮ってはいけない。

自分の背中を押す術をたくさん持ち合わせ、自分が欲しているものをいつでもそっと差し出してあげられる、かっこいい自分でありたい。

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