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野球の球速
この前ひろゆきが面白いこと言ってましたね。
「野球で時速を使うのはおかしい」
このコメントに対してネット上では「単位換算が出来ない」だとか「小学生以下」だとかボロクソに言われていたみたいです。しかし、筆者はこの主張は理にかなっていると思うのです。
そもそも時速というのは1時間当たりに何キロメートル進むのか、という尺度です。野球の球は1時間も飛びません。もちろん1kmも飛びません。実際は数十秒の間に数十メートル飛ぶくらいでしょう。従って時速km/hを用いるよりも、秒速m/sとかの方が実際に起こっていることを正確に表しているといえるでしょう。
「単位換算すれば同じなんだからいいじゃないか」という反論、あると思います。それでは単位換算して同じならいいと思う方に質問してみます。こんな話が持ち上がったらどうでしょう?
「今後、日本の野球は月速何光年(1ヶ月当たりに何光年進むか)という単位を使用します。」
年速何オングストローム(1年当たりに何オングストローム進むか)とかでもいいですけど。オングストローム(Å)は原子とか分子レベルの対象を扱う際によく使われる単位で1Åが1mの10000000000分の1(0が10個並ぶ)という非常に小さい値です。光年とかÅとか訳分からん単位で速さを語られても分かりませんよね。結局1光年が何キロなのか計算するのもかなりハードです。
光速:秒速約30万km
1年:365×24×3600=31536000秒
1光年:約9460000000000km
ってことになりそうです。嫌ですね。
ですが、「単位換算すれば同じなんだからいいじゃないか」という主張は、このようなビックリ単位も認めるということになるのではないでしょうか? すると「単位換算出来るんだからいい」という主張は必ずしも適切とはいえないでしょう。
やはり野球においては秒速は適しているように思えます。野球の球の速さについて「1秒ではどれくらい進むのだろう」と考える方はいらっしゃると思います。実際、球は数秒しか飛びませんから。ですが、「10分ではどれくらい進むのか?」と考える方はいないと思います。ということは秒速を普段から使う方が便利ですよね? って話です。
今の野球では時速という単位が浸透しているため、今更秒速に改めると混乱するでしょう。また、時速は上で挙げたような単位ほどヘンテコじゃないという主張もあると思います。ですが、現実を正確に描写出来ていないという点では秒速に劣ると思うのです。
与えられた現象に対して、単位を適切に決めて評価するというのはすごく大切だと思います。
2021.08.17