声が出なかった時の話
去年の10月に声帯を損傷して、3週間ばかりまともに声の出なかった時期があった。喋ろうとすると咳き込む。その時のことについてのちょっとした振り返りをしたいと思う。
頭の中でいつも文章を音読している
自分は音声で物事を考えているらしく、頭の中ではいつも考えている内容が音読されているような感覚がある。文字を目だけで読むことができない。必ず頭の中で音にする。
だから国語のテストを解くのは本当に辛い作業だった。音読よりは速いにしても、再生速度には限界があるからだ(少なくとも一瞬ではない)。
今でも本を読む時はその本が持つリズム(文体)ごと脳に焼きつくような感じがして結構疲れる。その代わり、誤字脱字は割と見つけるのが得意だ。音声で再生されるから、おかしな箇所があると読み上げ時にエラーが出る。
独り言は前後のアイデアを繋ぐ役割
喋ることができない間に気づいたのだが、私は独り言をするタイミングが多いらしい。考えごとをする時は浮かんだアイデアの内容を口に出しながら考える。そうしなければ今何を考えているのか忘れてしまうからだ。
おそらくそれが前後の考えごとをチェーンのように繋ぐ役割をしていて、思いついたことを口に出している間にそこから連想する次のことを考えているのだと思う。典型的な、話しながら考えるタイプだ。
声が出ないと知能が下がる?
フレーズを口に出している間だけ、今自分が考えていることを認識できる。だから声が出なかった時、自分が直前まで何を考えていたのかを上手く覚えられなくて知能がとんでもなく下がったように感じた。
というのも、私はこの文章を書いている間でさえ、音のないハミングのようなもので自分の頭に浮かんだ言葉を音声化しながらなぞっているのだ。口は閉じて、鼻息だけが漏れている状態。一人でいる時は、油断するとこれに音が乗って無意識に「んんんーん、んーん」とハミングしていたりする。
声帯を損傷していたときは、この運動自体が鼻や喉に負担をかけ咳き込んでしまうため、何も考えられなかった。いただいたメッセージに上手く返信ができなかったのもそのためだと思われる。挨拶程度のことは書けるものの、当時は長い文章が書けなくて本当に辛かった。
まとめ
そんなわけで、自分にとってはごく当たり前の、他人にとっては当たり前ではない癖について改めて考えるいい機会になった。
最後に、こういった癖(能力?)を持っていて得をしたことをいくつか書いておきたいと思う。
・誤字脱字を見つけやすい
・本のセリフや言い回しのリズムを楽しめる
(キャラボイス付きで再生される)
・発音・リズムで韻を踏むのが得意
・キャッチコピーやタイトルの語呂に敏感
・人と話すことが苦ではない
・連想が得意
・言葉の前後のつながりに敏感
・話しながら考えられる
ついでに苦手なことやデメリットも
・詩や物語の構成を全体的に捉えるのが苦手
・和訳した本が読めない(場合が多い)
・本を読破することが難しい
・文字を読むのが遅い
・声が出ないと知能が下がる
・理詰めで論破できない(話が飛ぶ)
このあたりかな。体感としてはメリットのほうが多いよ。ずっとこれで生きてきたしね。
また気づいたことがあれば書きたいと思います。朝まで一睡もできなかった。そろそろ寝られるかもしれない。
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