「数刻の宵」寸劇脚本 【聖騎士シリーズ#18】
聖騎士シリーズ18作目「数刻の宵」の寸劇パートのセリフ脚本です。シリーズ全体のまとめはこちらから。
【今回の登場人物】
・副団長 デイルズ・・・王国騎士団の副団長。魔導教会からの密偵。
・花売りの娘 イザベル・・・魔導教会の使い。城下の花屋で働いている。
イザベル:
伝言は以上です
そちらの様子はどうですか?
副団長 デイルズ:
今のところ変わりないよ
聖騎士様も休みなく働いてるしね
イザベル:
そうですか……
副団長 デイルズ:
引き続き、騎士団内部の監視は俺に任せてくれる?
あと上に言って第一王子の私兵団にも監視役を入れてもらえるとありがたい
ここのところ、妙な奴らが嗅ぎ回ってる気配があるんだ
イザベル:
わかりました……お伝えしておきますね
他に何か気になることはありますか?
副団長 デイルズ:
特にないかな
イザベル:
それじゃあ私はここで失礼しますね
副団長 デイルズ:
まだ出るには早いんじゃない?
君にフられたように見えちゃうんだけど……
この後予定は? なにか飲まない?
イザベル:
そうですねぇ……
予定は何もないので、お酒がいいです!
副団長 デイルズ:
そうこなくっちゃ
ベルは? なに頼む?
イザベル:
あのー……街では《イズ》で通っているので
呼び方気をつけてくださいね
副団長 デイルズ:
でも親しい人にはベルって呼ばせてるんでしょ?
それともこれも偽名だったりする?
イザベル:
は〜ぁ〜……いじわるな人
どうせ調べてるくせに
副団長 デイルズ:
ハハッ よくわかったね
イザベル:
ところで今日のお花って、どんな方へのプレゼントだったんですか?
副団長 デイルズ:
……もしかして妬いてる?
イザベル:
うーん……そうかも、って言ったら教えてくれます?
副団長 デイルズ:
……とても大事な人だよ
今はもう会えないけど、俺に全てを教えてくれた大切な人なんだ
イザベル:
そうですか
……よかった
副団長 デイルズ:
なんで?
イザベル:
心を込めておつくりしたので、花束
副団長 デイルズ:
そっか
……ありがとう