見出し画像

「暴夜」漫画感想(27,28話)

あらすじ
 姉の英花を妓籍から抜いてほしいという穏花の頼みを聞き入れた智鶴は翌日芙蓉館へ赴く。女主人からは渋られるが、そこへ尹氏がやってくる。英花と詩勲は恋仲であり、妓生と息子が結婚することを案じているため、英花を自身の側女として迎え入れることで容赦してほしいという。
 自室で過ごしていた穏花のもとに詩勲から手紙と荷物が届く。荷物のなかには以前詩勲の誕生日に贈った文書を書いた掛け軸が入っていた。そこへ芙蓉館から戻ってきた智鶴がやってきて、使用人に荷物をすべて燃やすことを命じる。掛け軸だけは、と懇願する穏花をよそに荷物は回収されていく。引き止める智鶴を振り切り、穏花は使用人を追いかけ、燃やされ始めた荷物から掛け軸だけを取り出そうと炎の中に手を伸ばす。智鶴は危険を顧みない穏花を後ろから抱き抱えて炎から遠ざける。智鶴はそのまま穏花を部屋に連れて行き、穏花に口づけし、姉の英花はもう妓生ではないことを告げるのだった。

 穏花ちゃんの頼みを聞き入れるために芙蓉館に赴いて大金を払った智鶴さま。ちゃんと約束は守るところがステキです…。権力と財力があるひとにしか許されない力技で。
 もちろん渋られるけど、やってきたのは詩勲の父親である尹氏。尹氏は兵曹判書という軍務大臣あたる役職についている位の高い人物です。そして詩勲と英花ちゃんが関係を持っていること、英花ちゃんの妹が智鶴さまの語り部であること知って、それを利用して英花ちゃんをあえて智鶴さまのもとには置かないところが策士。
 まあ、智鶴さまも自分のものにしたい穏花ちゃんが、あまりにもお姉さんを案じてすぐ自分の元からいなくなろうとするのが気に食わなくて、できるだけ穏花ちゃんと英花ちゃんを近づけたくない。そういうこともあって、英花ちゃんはなんと自分の想いびとである詩勲の父親の側室として迎えられる、というなんとも皮肉な思惑に巻き込まれちゃったのです。詩勲の母親である女主人と同じ立場ということ。
 あと智鶴さまの発言に注目。「かつての舅が妓生を側女にし、婿に女遊びを勧めてくるとは…」という発言を吟味すると、尹氏は智鶴さまの妻(世子嬪)の父親であることが推察できます。ただ世子嬪は亡くなられているので、かつてという言い方したんですね。亡くなった妻の父親が、自分の語り部の姉を側女とするという複雑な関係に。なんだか智鶴さまと尹氏の間には亀裂がありそうな予感です。

 詩勲は詩勲で、穏花ちゃんとはもう恋仲になれないことを悟って、もともと穏花ちゃんに贈ろうとしていたチョゴリや靴、昔もらった掛け軸を穏花ちゃんに届けます。穏花ちゃんは昔贈った掛け軸を詩勲がずっと持っていたため、自分のことを思っていたのではないかと初めて知る。他の男からの贈り物を智鶴さまが傍観するわけもなくすべて燃やしてしまおうとするけど、どうしても掛け軸だけは取っておきたかった穏花ちゃん。炎の中に手を伸ばしたところで後ろから智鶴さまに止められ、結局掛け軸は燃えちゃった。
 それでも国王となるべき存在だった人物が尻もちをついてまで語り部という存在を炎から守ろうとするなんてありえないことだから、ここも結構好きなシーン。自分の大切なもののためなら危険を顧みない穏花ちゃんがどうしてもほっておけなくて、自分も結構無茶な振る舞いをするところが良いです…。

 あと個人的な好みだけど、智鶴さまの赤い韓服姿がとてもいい。さすがは高貴な生まれだから、何種類持ってるのってくらい色んな韓服を毎回着てるのも暴夜を読む楽しみのひとつになってます。チョゴリのうえからさらにベストタイプの韓服を羽織ってるのもいいなあ。あとは上半身に肌着を着ないで韓服だけ羽織ってる姿とかも好きです。この辺りの時代の服装が自分の性癖なのかもしれん…。

 あと、智鶴さま回想で出てきた希仁お姉さま、めちゃくちゃ美人。さすがは王家の血を引いてるので当たり前か。ここでは希仁さまが自身の語り部が不義犯したとして罰を与えているけど、実は不義は犯していなかったことがわかります。この語り部は穏花ちゃんの父親なので、やはり無実の罪を着せられていたんですね。なぜこのようなことをしたのかはもう少し後になってからわかります。智鶴さまは穏花ちゃんを語り部の娘ということを知ってるのかね〜〜〜
 
 さて、穏花ちゃんを自室に連れて行った智鶴さまは穏花ちゃんにキスをして、姉を妓籍から抜いたこと知らせます。
 当然このあとの話はえっちになるんだけど、それはまた明日〜!
 

いいなと思ったら応援しよう!