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「暴夜」原作小説を読み終えて
さきほど外伝を含めてすべて暴夜の原作小説を読み終えた。
心が震えていて、この感情が熱いうちに感想を書き連ねておきたい。
感想にはどうしてもネタバレが含まれてしまいました、閲覧注意です。
ハラハラドキドキする展開、なのはきっとどんな小説もそうなのかもしれない。それでもただただ穏花と智鶴の幸せを願いながら読み進めた。
信じたい、だけど信じていいかわからない、どうしたら信じられるのかわからない穏花が少しずつ心を開くたびに残酷な出来事が起きる。信じたい男性は将来国王となるべき存在であり、お互いの気持ちだけで結ばれることが叶わない。何度も別れが訪れ、そのたびにお互いの大切さを実感していく穏花と智鶴。穏花と出会い、霜柱のように冷たい心が穏花の暖かさによって溶けていくかのように変わっていく智鶴さまの心情も描かれていて、途中胸が苦しくなるほどだった。
ふたりが出会った厳しい寒さの冬。新たな命が芽吹く春。愛を誓い合う夏。紅葉や銀杏の葉が美しい秋。そしてまた河礼に冬が訪れる。そんな季節が巡っていく描写も美しかった。
外伝も外伝とは思えないほどの展開であり、本編で終わったかと思っていた過去との因縁が外伝において完全に決着がついた。ふたりだけではなく、ふたりをずっとそばで支えてきたひとたちの過ごす姿も描かれていた。
原作小説はすでに完結して2年近く経っており、穏花と智鶴、そのまわりのひとたちの今後が描かれることはないのだろう。それでも、もう絶対に失いたくない、絶対に離れない、自分の命よりも大切だと思える存在に出会うことができたふたりの幸せが、小説が終わったあとにもずっとずっと続いてほしいと願うばかりだ。自分自身も河礼で、屋敷で、ふたりの幸せを願う使用人のひとりになったかのような気持ちで読み進めた。ひさしぶりに心が震えるような作品に出会うことができた。
あーーーーー、これ漫画版も絶対に外伝まで描かれてほしい絶対絶対絶対に。じゃないと報われない人たちが存在するじゃないか!
原作を読み終えたところ、漫画版は大体4合目くらいのところにあるかなという感じ。漫画版は端折られている部分もあり、どのシーンが端折られていくかわからないけど、3期か4期くらいまで続くかな?おそらく2期で終わることはないと信じたい。そしてこの小説は外伝がセット!最後の最後まで絶対に描かれてほしい!!!あの美しい作画でふたりの行く末をみたい。もうひとつの尊きカップルが爆誕する様子をみたい。それまでは死ねない。
こんな風に完結をこの目で見るまで死ねないと思うような作品のひとつになったので、これからわたしも生きていきたい。大袈裟かもしれないけど、そんな作品たちのおかげで今生きている自分がいる。心が壊れかけた時は、活字も、好きだった作品も、なにも心に響かなかった。興味を持つことも、おもしろそうだと思うこともできないほど余裕のない日々が続いていた。そんなときにこんなに夢中になれる作品に出会えたことが嬉しい。
この作品がより多くのひとに届いてほしい。そんな願いをこめて、ひっそりひっそり暴夜について語っていきたい。
とりあえず読み終わった感想!今後も漫画版、原作小説の感想は少しずつ書いていきたい。