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椅子取りゲーム
こんにちは。
“椅子取りゲーム”と聞くと、子どもの頃にクラスのレクで行ったという方も、多いのではないでしょうか。
しかし、大人になった今でも、不意打ちで行われていると思うのです。
会場は、電車の中。
座席はどこも埋まっていて、立っている人も、それなりに。
ドア前を死守する人や、座席前の吊革に掴まる人、そしてどこにも掴まらず、なんとなく人の少ない、広い場所にいる人。
「次は、○○」と、停車駅を知らせるアナウンスがかかれば、視線は座席の方へ。
“スマホをポケットにしまったな”
“本を閉じたぞ”
“姿勢を正し始めたな”
“目を開けたぞ”
立っているそれぞれが、直視しなくとも、座席に座っている人の動向を気にしだします。
そして同時に近くに立っている人の動向や、位置も…。
“あの席の前には、立っている人がいるから、多分無理だな”
“あの席は、逆サイドの端か”
“あそこが空きそうだが、一番近いのは自分だな”
「○○、○○」と到着を知らせるアナウンスがかかり、降りていく立っていた人、予想通り席から立ち上がる人。
ある場所では、席の目の前に立っていた人が、無駄な動き1つなく、滑らかに席に着きます。
またある場合では、席が空いた瞬間、直接目を合わせずとも、牽制と譲合いが共存します。 ほんの数秒の中で決着は着き、限られた人が席へ。
こんな流れが殆どかと思いますが、時々起こるのか、“あなた、一体どこからやってきた”という人が、突如現れて席をかっさらっていくという、現象。
だいたい、自分の後か、逆サイドの席の方から、遠征してくる人だったりします。
椅子取りゲームに勝った人は安堵を、負けた人や自ら身を引いた人は、悔しさや次への挑戦心を胸に、電車に揺られるのです。
年齢も性別も関係ない、椅子取りゲームは、日常に潜んでいるのではないか、という話でした。
最後までご覧頂き、ありがとうございます。