㉞3分連続ドラマ脚本「タイムエフェクト(第3話)」
▼あらすじ
足立春樹(20)は、智也、雅、菜月と共に10年前に埋めたタイムカプセルを同級生で掘る。
するとそこには『さやかを殺した犯人はこの中にいる』という手紙が…。
さらに菜月には「彩香を殺した犯人は雅」と書かれた手紙が届く。
10年前に死んだ彩香の事件が、蒸し返される…。
▼これまでのお話
▼登場人物
足立春樹(20)…大学生
山原智也(20)…フリーター
上野雅(20)…大学生
奥村菜月(20) …大学生
川瀬彩香(10)…10歳で亡くなった
山原浩二(43)…智也の父・刑事
▼本文
〇警察前・外
トボトボ歩いていく春樹を見ながら電話をしている浩二。
浩二「今春樹くんが来たよ。例の件で。君が来たことは伝えてない」
電話をしている相手の手元。顔はまだ見えない。
浩二「でもその紙には菜月ちゃんの名前が書いていたらしいんだ。春樹くんにも言ったがもうあまり関わらない方がいいんじゃないかな」
電話相手の手元から顔が映る。
電話の相手は菜月だったことがわかる。
菜月「…それどういう意味ですか?」
浩二「刑事の勘だよ。君たちを変な事件に
巻き込みたくないんだ」
菜月「…」
〇喫茶店・店内
菜月が座り、コーヒーを飲んでいる。
春樹がやってくる。
春樹「よぉ」
菜月「智也とかに言ってないよね?」
春樹「何が」
菜月「うちらが会うこと」
春樹「別に言ってないけど…」
飲み物を頼む春樹。
菜月「智也のお父さんから電話もらって。春樹も来たんでしょ、手紙」
春樹「ああ…まぁ…」
菜月「私も手紙が来てから智也のお父さんとこ行ったの。気のせいかもだけど…智也のお父さん、何か知ってるんじゃないかな」
春樹「何かって?」
菜月「いや、わかんないけど。智也にも同じような手紙届いてるとか」
春樹の飲み物が来る。
春樹「聞いてみる?」
菜月「いや、待って。もし届いてなかったら…」
春樹「?」
菜月「…ごめん、なんでもない」
春樹「俺は疑ってねーよ。智也のことも菜月のことも。でも知りたい。彩香に何があったのか。この手紙を送ってきたのは誰なのか」
菜月「うん…。春樹好きだったもんね、彩香のこと」
春樹「別にそんなんじゃ…」
窓の外を見る春樹。
春樹「…あ」
智也と雅が並んで歩いている。
菜月も窓の外を見る。
菜月「…二人まだ付き合ってたんだ」
春樹「え?そうだったの?」
小さく頷く菜月。
春樹「何で俺には隠してたんだろ…」
(四話につづく)