⑬3分ドラマ脚本「不審者にお気を付けて!」
▼登場人物
・二宮杏奈 (20)…フリーター
・死界の神
・不審な男
・子ども
・母親
・男2
▼本文
〇道(夜)
歩いている、二宮杏奈 (20)。
不審な男が追いかけて来る。逃げる、杏奈。
杏奈に追い付く、不審な男。
杏奈「キャー!」
男は刃物で杏奈を襲う。男の手首には傷。目の前が真っ暗になる杏奈。
〇死界
別れ道がある。別れ道を真剣に見つめている杏奈。
死界の神が道の間に立っている。
杏奈「これ…天国か地獄か的なやつですか?私こっちに来て結構経ってるんですけど…」
死界の神「…タイムアップじゃ。自分を殺した犯人を見つけるのじゃ」
杏奈「え…えぇ?!」
突き落とされる、杏奈。
杏奈「きゃぁぁ」
落ちていく杏奈。
〇渋谷の街
着地する杏奈。戸惑いながら歩く。
街頭ビジョンには「2022年」と書かれている。
杏奈「えっ…?!私が死んでから5年経ってる…」
辺りを見渡すと、人々はマスクを付けている。
杏奈「なんでマスク…?」
子どもが杏奈を指さし
子ども「ママー!あの人怪しい、マスクしてない」
母親「しっ!」
杏奈を避けて、去っていく親子。
杏奈「…どいういうこと」
× × ×
すっかり夜になっている。
歩いている、杏奈。マスクをしていない男2が後ろを歩いている。
杏奈M「あの時と同じ…」
足早に歩く杏奈。足音が近付いてくる。角を曲がると男2はいない。
杏奈「はぁ…また殺されるとこだった…」
ふと立ち止まる、杏奈。
杏奈M「私って…生き返ったのか…?」
再び歩く杏奈。マスクをしている
男が反対側を歩いている。
不審な男「あの…すみません」
杏奈「はい?……え?」
ふと見ると男に腹を刺されている
杏奈。男の手首には傷がある。
杏奈「あんた……」
杏奈は倒れる。
杏奈M「昔、お母さんに言われた。不審者には気を付けなさい、と」
目を閉じ、真っ暗になる杏奈。
(了)
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