【61】3分連続ドラマ脚本「タイムエフェクト(第30話)」
▼あらすじ
足立春樹(20)は、智也、雅、菜月と共に10年前に埋めたタイムカプセルを同級生で掘る。
するとそこには『さやかを殺した犯人はこの中にいる』という手紙が…。
さらに菜月には「彩香を殺した犯人は雅」と書かれた手紙が届く。
10年前に死んだ彩香の事件が、蒸し返される…。
▼これまでのお話
▼30話の台本
▼登場人物
足立春樹(20)…大学生
山原智也(20)…フリーター
上野雅(20)…大学生
奥村菜月(20) …大学生
川瀬彩香(10)…10歳で亡くなった
山原浩二(43)…智也の父・刑事
花沢沙織(24)…昔の担任の先生
川瀬雛乃(8)(18)…彩香の妹
雅の母
彩香の母
教頭先生
春樹の母
▼本文
〇春樹のアパート・中(深夜)
雑魚寝をしている菜月、智也、雅。
推理のメモが書かれたノートを見ている春樹。
春樹は窓から外を見て黄昏ている。
目が覚める雅。
雅「春樹寝ないの?」
春樹「寝る」
雅の隣にくる春樹。
雅「…!」
春樹「なんか懐かしいよな、こういうの。昔よく、彩香ん家でお泊り会みたいなしたよな~」
雅「うん……。あのさ…」
春樹「?」
雅「…まだ彩香のこと好き?」
春樹「まだってなんだよ」
雅「ずっと…好きだったでしょ?」
春樹「まぁ…。なんで…?」
雅「他の誰かのこと好きになったりとかしないのかなぁって。ほら、春樹から恋の話とか全く聞かないから」
春樹「それは雅もだろ。まぁ俺はあんま…」
雅「(遮って)あるよ、ウチは」
春樹「ああ…智也?」
雅「はぁ?!違うから!!」
春樹「え、そうなの?」
雅「そうだよ!全然違うよ。全然…」
春樹「そっか」
雅「うん」
春樹の顔を見つめる雅。
目を覚ましてしまい、切なそうな智也と菜月。
〇井原塾・外観(日替わり)
〇同・中
花沢が授業をしている。授業を受けている生徒たち。その中には雛
乃がいる。
× × ×
授業が終わり、帰っていく生徒たち。
雛乃の席の前に花沢がやってくる。
花沢「川瀬さん。ちょっといいかしら?」
雛乃「…」
〇同・会議室
花沢と雛乃がいる。
雛乃「何ですか?」
花沢「足立くんたちが来たわ」
雛乃「…」
花沢「びっくりしないのね」
雛乃「私も会いましたから」
花沢「あの子たちに何したの?」
雛乃「…」
花沢「ここへ来たのも何が目的?」
雛乃「花沢先生。(近寄って)これはただの偶然ですよ」
微笑む雛乃。
(31話につづく)