【医療用語】P-SILI（自発呼吸誘発性肺傷害）をすごく簡単にまとめたメモ
はじめに
P-SILI（Patient Self-Inflicted Lung Injury）は、患者さんの強い自発呼吸によって肺が傷ついてしまう現象のことを指します。
これは、特に人工呼吸器を使用している患者さんや重症呼吸不全の患者さんに起こりやすいとされています。
なぜP-SILIが起こるのか？
① 体が頑張りすぎてしまう（努力呼吸）
肺に炎症や水が溜まると、酸素を取り込むのが難しくなります。そのため、患者さんの体は「もっと空気を吸わないと！」と一生懸命呼吸しようとします。
② 健康な部分の肺に負担がかかる
肺には、傷んで膨らみにくい部分と、まだ元気な部分があります。
強い呼吸をすると、元気な部分の肺ばかりが無理に膨らまされ、負担がかかります。
③ 肺が傷ついてしまう
無理に膨らんだ肺は、「圧損傷（barotrauma）」や「容量損傷（volutrauma）」を起こしやすくなり、結果的に新たな肺傷害につながってしまいます。
P-SILIを防ぐには？
✅ 呼吸のモニタリングをする
「呼吸が速すぎないか」「努力しすぎていないか」をしっかり観察します。
✅ 呼吸を落ち着かせる工夫をする
鎮静薬（プロポフォールやベンゾジアゼピンなど）を使って、呼吸の頑張りすぎを抑えることがあります。
必要に応じて筋弛緩薬を使用し、呼吸の負担を軽減することもあります（ただし、慎重に使用する必要があります）。
✅ 人工呼吸器の設定を調整する
「過剰な換気」や「不十分な補助」がないように、一回換気量やPEEP（呼気終末陽圧）を適切に調整します。
✅ 体位管理をする
「腹臥位（うつ伏せ）」になることで、肺への負担が減る場合があります。
まとめ
P-SILIは、患者さん自身の強い呼吸によって肺が傷ついてしまう状態です。特に人工呼吸管理中の患者さんでは注意が必要です。
参考ソース
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[3] https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.3102200965
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[10] https://humonyinter.com/column/med/med-13/
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[12] http://square.umin.ac.jp/jrcm/pdf/36-2/36-2-09.pdf
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[15] https://kango-oshigoto.jp/hatenurse/article/7579/
[16] https://www.jsicm.org/meeting/jsicm48/web_ex/company/09_4.pdf
[17] https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/58/4/58_58.352/_pdf
[18] https://kango-oshigoto.jp/hatenurse/article/7524/
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