見出し画像

出産のキロク ⑦出産はデトックス

27時間のお産を終えて、
疲労困憊フラフラで車椅子でお部屋に到着。


この時点で17時。


「ゆっくり休んでね」と言われたものの、

すぐにバイタルチェックに看護師さんが来る。


お部屋の明かりを消していたけど、
部屋に入ってくるやいなや、
何もいわずに電気つけるの、

これめちゃくちゃ苦痛だった。

(ゆっくり休んでね、って言う環境じゃないよ?)


バイタルチェックが終わって、
やっと眠れると思ったら、、、


次はお夕飯。

27時間ぶりの食事。
何を食べたか覚えていないけど、
やたら時間がかかったのは覚えてて、

まだ震えが残る手ですすったお味噌汁が
あったかくて身体中に沁みて、

「あったかい、、、」
「おいしい、、、」と泣いたのは覚えてる。

美味しいご飯をだしてくれてありがとう。

食べれる喜びを噛み締めた。


さぁ、やっと眠れる

21時にまたバイタルチェックがあって、

(またズカズカと部屋に入ってきて
パチっと電気を点けられた)

(そうなると思ったから今度は布団かぶった)


これで朝までバイタルチェックはないとのこと。


さぁ、やっと眠れる!!!!


そう思って横になると、
これまで体験したことのない感覚がやってきた。

身体は疲れてるのに、気が立ってる。
脳が興奮状態にあるのがわかった。

それから、
脱力したいんだけど、
身体にチカラが入っててうまく脱力できない。

そりゃそうだ
夜通し陣痛と向き合って
最後は渾身のチカラでイキんだんだもん。

(水分なしで、笑)


どこまでも堕ちていく

目をつぶると昨晩の陣痛の記憶がよみがえった。

薄暗い待機室

息子の鼓動の音

自分の呼吸の音

ギューッと締め付けられる痛み

怖かった看護師さんの目


そんな光景を思い出しながら
ようやく眠りにつけそうになったら、


身体がベッドにどこまでも深く沈んでいく感覚になって
(地の底に落ちていく感じ)

うとうと→落ちる感覚→怖くて起きる

を繰り返してなかなか眠れなかった。


出産はデトックス

出産はデトックスって聞いたことがあって。
私もそれを体験した。


うとうと→落ちる→眠れない

を繰り返している中、


いつのまにか泣いていた。

ごめんね、ごめんね、
そうじゃないの、とゆー感情が湧いてきた。


心ではそうしたかったのに、
正反対のことをしたことに。


母に、弟に、父に。

「本当はそんなこと思ってなかったのに」
「あんなこと言ってごめんね」
「あんな態度してごめんね」
「イライラをぶつけてごめんね」
「本当は大好きだよ」

たくさんたくさん出てきた。

本当はみんなのことが大好きなんだ。
別の声に支配されてしまって、
自分の軸がブレてしまっていた。

妊娠中のホルモンのせいなのかもしれないけど。。。
でもそれも本当のわたしだよね。。。


もう流されない。
心で感じたことに素直になりたい。
誰の声にも支配されない。
私の、ありのままで、生きよう。


心からそう思った。
詰まりが取れたかのようだった。


「出産はデトックス」

あ、デトックスされたんだ。

私の中にある罪悪感、
私はこれをデトックスした。


外が明るくなってきた。
最後に時計を見たのは午前5時。


朝のバイタルチェックが6時過ぎ。

結局、1時間くらいしか眠れなかった。


続く

いいなと思ったら応援しよう!