構音障害の脳内メカニズム①〜口の体操は構音障害に効果があるのか⁉︎〜
皆さん、こんにちは!!
急性期でスーパーSTを目指すyuccoです。
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《はじめに》
脳卒中の症状として呂律が回らない、舌がもつれる、言語が不明瞭になることがあります。この現象を構音障害と呼んでいます。
構音障害の訓練というと、思い浮かぶのが、「口の体操」「発声持続」「音読」ではないでしょうか?
どのタイプの構音障害の患者さんにも同じような訓練を繰り返していて、本当に効果があるのか、何に効果があるのか、この訓練を続けていて良くなるのだろうかと疑問でした。
今回は、【口の体操の意義】を明確にし、自信を持って構音障害への介入ができるようお伝えしたいと思います。
《構音障害とは?》
構音とは、音声を構成する声・発音・韻律を作り出すことで、呼吸器・喉頭・咽頭から口腔に至る諸器官の運動のことをいいます。
肺から気管へ呼気流が上がってきて、喉頭にある声帯を振動させることで音源を生成します。鼻腔で共鳴音を作成し、口腔では舌や口唇、歯、下顎の位置関係を時間的・空間的にコントロールして、音を構成します。
この過程の運動の障害が起こると、言語の明瞭度の障害、つまり構音の障害が起こります。
《失語症と構音障害の違いとは?》
言語の障害として、代表的なものに失語症があげられますが、構音障害とどう違うのでしょうか?
言語の脳内メカニズムから考えていきます。
まず耳から聴覚情報が入ってきます。
この段階で感覚野にまで情報が届かないことを難聴と言います。
感覚野に情報が入ってくると、2次3次聴覚野やウエルニッケ野で音が知覚されます。その音が風やドアの音などの環境音なのか、鳥や犬の鳴き声なのか、言語音なのか、言語音なのであれば日本語かどうかが判断されます。
ここが問題になると聴覚失認や語音認知が難しくなります。
音が言語音で日本語だとわかると、前頭葉と側頭葉で情報をやりとりしながら文脈理解や意味の区分けが行われ、頭頂葉の角回を中心に意味処理が行われます。この時も常に側頭葉の記憶と照合しながら、言葉の持つ意味を理解しています。
ここまでが言語理解の過程です。
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