2019年環境とは?
(この記事は2024年の3月に筆者があいまいな記憶を頼りに書いております。的外れなことを書いているかもしれませんが、ご了承ください。)
はじめに
みなさんこんにちは。ゆっちゃと申します。
2019年に遊戯王をプレイしていなかった方に向けて簡単に紹介していきます。(プレイしていた方や読むのがめんどくさい方は飛ばしていただいて結構です。)
では、始めていきます。
巷では2004年や2011年環境でのゲートボールが有名ですが、僕が一番好きな環境こそが「2019年環境」なのです。
結論から申し上げると、2019年環境とは、「自分の好きなデッキで勝ち上がることができ、運だけでなくプレイングや構築でライバルとの差をつけることができる環境」です。
昨今のテーマは、スプライトやティアラメンツ、クシャトリラにR-ACE、ピュアリィや炎王など、誘発への貫通力が高く事故率も(当時と比べ)低い、パワーの高いデッキが多くなりました。
また、魔法罠で戦うデッキも、羽根箒がメインデッキから入っているデッキが多かったうえにギミック内でのケアが難しかったため、イージーウィンは難しかったです。(数枚の現禁止カードのパワーは異常でしたが…)
当時も「展開が通れば勝ち!」みたいなデッキは存在しましたが、サイドチェンジ込みで考えると勝率がずば抜けて高いわけでもありませんでした。どちらかというと、幅広いデッキと戦えるミッドレンジ型のデッキを好むプレイヤーが多かったように感じます。
さて、前置きが長くなりましたが、本編に入っていきましょう。
1.この記事における「2019年環境」の定義とは?-環境の変遷について-
この記事では、2019年10月1日施行のリミットレギュレーション、カードプールは2019年12月7日(ストラクチャーデッキ-リバース・オブ・シャドール-)までのものとします。
以下は、選定した理由を環境を振り返りながら説明します。(こちらも興味がなければ飛ばしてください。)
1.1.〜2019年6月
2019年7月になるまで「ガンドラワンキル」というデッキが流行していました。ランク4+チューナーで無限泡影以外の誘発を全てケアしてワンキルできる魔法のデッキです。
プレイがあまりにも絡まないため今回の趣旨とは外れると思い、それ以降の環境にしました。
1.2.2019年7月〜9月
2019年7月13日に「輝光竜セイファート」が登場し、ドラゴンリンクが環境で猛威を振るいました。
当時は守護竜リンクモンスターが全種使用可能だったため、驚異的な展開力で相手を制圧しました。
しかし、2019年9月14日、"あの"誘発が登場することとなります。
そう、「原始生命態ニビル」の登場です。
(「ディメンション・アトラクター」も同時に登場したものの、当時はそこまで採用されていませんでした。)
このカードの登場は環境に革命を起こすこととなります。今では基本となっているニビルのケアについて、プレイヤーは考え出すこととなります。
1.3.2019年10月〜12月
2019年10月、デッキパワーが高かったドラゴンリンクの主要パーツに規制が入り、群雄割拠することになります。
この期間には、「ライトニング・ストーム」や「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」のような汎用性の高いカードも登場しました。
しかし、2019年12月21日、この良環境を終わらせるカードが登場します。
ドラグーンを処理できないデッキは存在が抹消され、「ドラグーンを使えば勝てる」という環境に入っていきました。
このような経緯から、私が考える2019年環境の定義が定まっていきました。
2.当時のカードプールについて
2.1.使用可能なカード
当時のリミットレギュレーションはこちら!
リミットレギュレーションをご覧いただけるとわかりますが、以下のようなカードが使えます。
明らかにヤバいパワーカード達ですね。
他にも、灰流うららは準制限ですが、墓穴の指名者、抹殺の指名者がそれぞれ3枚使用できました。
PSYフレームギア・γも当時は無制限、レッド・リブートも3枚です。
また、当時登場したばかりの捕食植物ヴェルテ・アナコンダやユニオン・キャリアーはそこまでの悪さはしていませんでした。(研究が進む前に新しい環境に入ってしまったため、弱かったわけではないと思います。)
外神アザトート、トポロジック・ガンブラー・ドラゴンのようなどう考えてもおかしいカード達は、次のリミットレギュレーションで禁止になっています。
2.2.当時存在しなかったカード
以下、使用できないカードの一例です。
(下記のカードは意識しなくてOK!)
天霆號アーゼウス
三戦の才
禁じられた一滴
アクセスコード・トーカー
宵星の騎士ギルス
金満で謙虚な壺
オルターガイスト・プークエリ
デコード・トーカー・ヒートソウル
心変わり
大嵐
閃刀起動ーリンケージ
アルバスの落胤関連
などなど…
特にアクセスコード・トーカーが存在しないため、ライフを削りにいくのはヴァレルソード・ドラゴンの役割であることが多かったです。
3.当時と現在のルールの違い
3.1.エクストラデッキからモンスターを特殊召喚する際について
一番大きなルールの違いに、「エクストラデッキから特殊召喚するモンスターはエクストラモンスターゾーンかリンクマーカーの先でなければならない」というルールがありました。
3.2.モンスターの効果発動について
例えば以下のようにチェーンを組んだとします。
チェーン1.サイクロン(対象:セットされたリビングデッドの呼び声)
チェーン2.リビングデッドの呼び声(対象:閃刀姫カガリ)
この場合、閃刀姫カガリは一度場に特殊召喚されるもののチェーン処理が終わったタイミングでは墓地にいます。
現在は効果発動ができないルールでしたが、当時は一度場に出ているため効果を発動できるという裁定でした。
3.3.非公開領域の効果発動について
例えばE・HEROアブソルート・zeroが強制脱出装置によりエクストラデッキに戻された場合、現在は非公開領域での効果発動ができなくなっていますが、当時は場を離れたという条件を満たしたため発動できるという裁定でした。
4.当時の汎用カード
それぞれのデッキ解説の前に、当時は色んなデッキに入っていたものの、最近ではあまり見かけなくなったカードを紹介していきます。
精神操作
現在は心変わりが使えるため採用されることが減りましたが、当時はサイドデッキに投入されていました。(閃刀姫のようなデッキにはメインデッキから投入されることも。ミラーマッチで活躍していました。)
破壊耐性があるモンスターはいましたが(墓地にベイルリンクスがいる状態のサラマングレイトモンスターや超雷龍など)、対象耐性のあるモンスターはあまり多くなかったため、後攻の捲り札として大変優秀でした。
リンク値を伸ばしてライフを取りに行くデッキが多かったことと、ゲームが今より長引くことが多かったこともあり、今より評価が高かったです。
砂塵の大嵐
様々なミッドレンジタイプのデッキに入っていました。先述の通り今では禁止カードとなっているような永続罠がメイン戦から投入されており、それらの対抗策となるカードでした。(ハーピィの羽根箒もメインデッキから入っているような環境でした。)
閃刀姫やオルターガイストのように魔法罠をメインギミックとしているデッキはもちろん、他のデッキも魔法罠を妨害手段としているデッキは多かったため、今よりも使いやすい場面は多かったです
バージェストマ・ディノミスクス
サンダー・ドラゴンや転生炎獣のようなデッキに採用されていたカードです。妨害として使用されており、後手からでも超雷龍のような破壊耐性持ちモンスターやモンスターで突破しづらい永続魔法罠を対処できます。
ダイナレスラー・パンクラトプス
当時は準制限だったこのカードですが、今よりも採用率は高く、サイドデッキの常連でした。メインデッキから投入されることもあり、先行でこのカードを引いても「次のターン使えばいいか」くらいの心の余裕がありました。出せたら2妨害くらい踏んでくれる上に、ライフカットにも大きく貢献しました。
閃刀姫との噛み合いが良く、他のデッキでも動きを阻害しにくいため、汎用性は非常に高かったです。
大捕り物
中速〜低速のデッキで採用されていました。精神操作の採用からもわかる通りコントロール奪取は強力でした。サブテラーはコントロールを得たモンスターを裏側表示にすることで完全にコントロールを得るコンボがあり、一番強くこのカードを使えました。また、対サンダー・ドラゴン戦では、相手の超雷龍を奪うと相手の動きがかなり制限され、そのまま勝ち切れることもありました。
幻創龍ファンタズメイ
当時はリンクマーカーの先にしかエクストラデッキからの特殊召喚ができないルールだったため、ほとんどのデッキがリンク召喚を行なってから展開をしていました。そのため、このカードの特殊召喚できる機会は今よりも多く、主流な手札誘発の1枚でした。対象耐性を持っていないカードが多い分このカードの守備範囲は広く、重宝されていました。
メタバース、終焉の地
主な仕事は魔鍾洞を貼ることです。
相手がモンスターを並べたタイミングで発動することで完全に動きが止まるため、虚無空間よりもタチが悪かったです。
また、メタバースやテラ・フォーミングは一枚で盤面制圧できるポテンシャルを秘めており、灰流うららを打たざるをえない状況もありました。
5.当時の環境デッキ
2019年環境の醍醐味はここです!
冒頭で書いた通り、自分の好きなデッキで勝てる環境であり、様々なデッキが活躍していました。
(ほとんどのデッキは、他の方の当時のものを参考にさせてもらいました。この場を借りてお礼申し上げます。)
転生炎獣
この年の世界大会でも活躍していたテーマです。
状況に応じて罠カードで妨害を構えたり手札と墓地のリソースを整えて攻め手を確保したりと、柔軟に戦えるのが特徴のデッキです。
対応力も高く、ギミック内で相手の魔法・罠にも対処しやすいため、これといった弱点があまり無いのも魅力です。
長期戦もこなすことができ、今でも根強い人気があるテーマです。
2019年10月当時は転生炎獣ガゼルが制限、レディデバッガーが準制限に指定されていました。(その後の2020年1月には転生炎獣の炎陣も準制限になっています。)
フレイム・バッファローが採用されることもありましたが、当時の主流はレディデバッガーだったようです。
閃刀姫
こちらも根強い人気のあるテーマです。
2019年10月に閃刀姫ロゼが登場し、「レイが手札に来なくて負け!」みたいな試合が減りました。
当時は閃刀姫カガリが制限だったため、慎重にプレイする必要がありました。(閃刀姫モンスターを使い回せるように貪欲な壺まで採用されています。)
また、閃刀起動ーエンゲージは準制限に指定されていますが、それを踏まえても強欲で貪欲な壺は強力であり、複数枚採用しているプレイヤーが多かったです。
当時の環境では閃刀姫ミラーが発生することも多く、プレイヤーの実力が試される試合になることがほとんどでした。
オルターガイスト
当時の「罠ビ」といえばこのデッキで、無限泡影でモンスター効果を無効にした後に特殊召喚されるオルターガイスト・マルチフェイカー、通称"泡影フェイカー"は対戦者を次々に破壊していきました。(派生に"拮抗フェイカー"もあります。)
このデッキは一度回り始めるとリソースが見る見る増えていき、妨害数もとんでもないことになっていくため、突破が困難になります。また、オルターガイスト・メリュシークの存在により、メタカードにもある程度の耐性がある点もこのデッキの評価ポイントでした。
サンダー・ドラゴン
上記のデッキ達と2018年からずっと環境を共にしてきたデッキです。2019年に入ってからこれといった新規が無かったものの、ずっと環境上位に君臨し続けました。なんといっても超雷龍ーサンダー・ドラゴンの存在が大きく、この環境でデッキからのサーチを行わないデッキはほぼ無かったため、このデッキは常に意識され続けていました。(無限泡影はもちろん、サイドデッキに融合解除を採用しているプレイヤーもいました。)
また、手数も多く、雷神龍ーサンダー・ドラゴンは上手なプレイヤーが使うと盤面を更地にしてしまうほどの破壊力がありました。モンスターの打点が高いため、ライフをそのまま取り切れてしまうことも多かったです。
オルフェゴール
2019年7月にトロイメア・マーメイドが禁止となるまでは、リンク2を作るだけでどんなデッキもオルフェゴールになれました。流石にオーバーパワーだったこのデッキ(テーマ)ですが、その後は順当な使われ方をしていくこととなります。
スクラップ・リサイクラーや終末の騎士、マスマティシャンやダーク・グレファーといったモンスターを初動として、リソースの確保と相手ターンの妨害を作っていきます。(これらのモンスターは虚無空間を自壊させるのにも便利です。)
当時はまだ宵星の騎士ギルスが無かったですが、次のリミットレギュレーションでオルフェゴール・ガラテアとオルフェゴール・ディヴェルが準制限に指定されていることからもわかる通り、デッキパワーは高かったです。
ドラゴンリンク
展開特化のデッキとして、当時の筆頭となっていました。ニビルの登場によりシェアは減ったものの展開が通ったときの破壊力は凄まじく、4ハンデスしながら5妨害くらい作ってた気がします。(正確な数は覚えてないですが、相手の心を折るのに十分な量だったことは確かです。)
レベル5シンクロ(星杯の神子イヴ)にさえ繋がれば展開可能なため、予想GUYやクイック・リボルブまで採用し、安定率を高めています。
指名者やうららがフル投入されており殺意の高さも窺えますが、それでもGが通ってしまった場合かなり重く受けてしまうこと、デッキ採用できる手札誘発が少ないことなどもあり、1強となることはありませんでした。
エンディミオン
キングジャッカルによってニビルケアができる、 Gを受けても展開の止まりどころがある、展開が通るとかなり強力な盤面が構築できるなど、同じ展開系でもドラゴンリンクには無い強みがありました。
しかし、決まった1枚初動はなく回すのも難しいうえに、手札誘発をメインデッキに採用できないため、展開系相手は先行の取り合いでした。
ただ、ミッドレンジ相手には後手からでも捲れるくらいの破壊力があり、カウンターの乗った創聖魔導王 エンディミオンは突破するのに一苦労でした。
未界域
このデッキも結局のところガンブラーに行き着きます。強みとして、 Gを受けた際にデッキを枯らせる場合があります。(大量ドローさせた後に手札抹殺!)
アザトートが着地するとニビルも怖くないので、あとはひたすらに未界域効果が成功するか祈るゲームになっていきます。
使う側も使われる側も神経をすり減らしながら戦うデッキです。
召喚獣
お待たせしました。
ここまで色々書いてきましたが、実は今までの文章はこのパートのための前振りです。(長かった…)
この2019年環境において、私が使用していたのが、この「召喚獣」というデッキです。
(このnoteを書いているのも、「またあの頃の環境で召喚獣使って遊びたいな」と思ったのが始まりで、これをきっかけに少しでも興味を持ってくれる方がいれば幸いです。)
さて、デッキの内容についてお話ししていきましょう。
このデッキは、「2019年環境を始めたい!」という方におすすめのデッキとなっております。
というのも、召喚獣の動き自体はとてもシンプルで、他のデッキと比べて扱いやすくなっています。
また、手札誘発(特にニビルやG)のケアが自然とできるため、難しいことを考えなくて済むのもポイントです。
内容はどちらかというと「グッドスタッフ」に近い構築となっており、環境にマッチしたカードを自分で選んで戦えるのが強みでした。
基本的な動きは、メルカバーで伏せた罠を守り、罠で相手のモンスターを制圧するという、わかりやすく単純なものです。
しかし、アレイスターは実質7枚(アレイスター3、暴走魔法陣3、テラ・フォーミング1)しか入っていないため、強欲で貪欲な壺を加味しても必ず初手に来るわけではありません。つまり、召喚獣だけに頼った構築にすると初動が細くなってしまうため、別のギミックを検討する必要があるということです。
そこで私が行き着いたのが、インスペクト・ボーダーとセンサー万別でした。
今まで紹介してきたデッキたちは、どちらかのカードによって大きく動きが制限されます。(大体のデッキはどっちも効きます。)
さらにそこにソウルドレインも加えることにより、自分のデッキの動きを通しつつ相手の動きだけ規制することに成功しました。
強制脱出装置や大捕り物は後手からでも使えるため、手数が少なそうに見えて実は意外と戦えたりします。
他にも語りたいことは山ほどあるのですが、本筋と逸れるため今回はやめておきます。(需要があれば書きます!)
最後に
今回、2019年に活躍していたデッキたちについて紹介してきましたが、実はまだまだたくさんのデッキが環境にいました。(サイバー・ドラゴン、サブテラー、インフェルノイド、ジャックナイツ、魔術師、セフィラ、トリックスター、SPYRAL、真竜などなど…)
最初にお伝えした通り、好きなデッキで勝つことができるのがこの環境の魅力です。プレイング、構築どちらでも他のプレイヤーと差をつけることができます。
当時のカードはほとんど再録され、安価で入手できるものが多いです。また、2020年以降に始めたプレイヤーの中にも、お気に入りのテーマが当時の環境で活躍していたテーマだという人もいるかもしれません。
ぜひこの機会に、当時の対戦環境を楽しんでいきましょう!
長文になりましたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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