妊婦と起業家
何を書いてもいい、というのが実は一番困る。
個人が発信することは当たり前になった昨今、起業家のハードシングスはいろんなかたちで毎日発信されているし、自分より面白いエピソードがたくさん転がっている。それはそちらの皆さんにおまかせしようと思う。
その中でも自分しか発信できないものってなんだろうと思ったら、まあ妊婦をやりながら会社の代表をやっていることなのかなと思ってそこのところを書いてみようとおもう。
ちなみに白黒つけるのが大好きな私らしく結論から言うと、「妊婦と起業家は並行してやれるし、出産のことを考えて自らキャリアにブレーキ踏む必要ないかもよ」ということを言いたいのがこのnoteだ。
今振り返ると私は幸い悪阻(つわり)は重たくない方だったみたいだ。
とはいっても、朝は常に吐き気をかき消して出勤しないといけないし、お腹が小さいときは妊婦マークをつけていても優先席は滅多に譲ってもらえないので、優先席に座って携帯を触っているサラリーマンの頭に向かって吐かないように(ダブルミーニング)集中するのに精一杯になりながら電車に乗ることも多かった。
私個人としては別に子供が特段欲しかったわけでも逆にいらなかったわけでもない。結婚して3年経っていたし、年齢は30歳になり「そろそろ作らないと後々後悔するのかな〜」とぼんやり思いつつも、起業はエキサイティングだし、なんとなく今じゃないと思っていた。
一方でそんなこと言ってても一生その「今」なんか来ないということも頭ではわかっていたので、出来たら産もう、くらいのテンションだった。
春に妊娠して流産した直後にまた妊娠した。とにかくびっくりしたし、夫には「そもそも心当たりがないのに子供ができるはずがない」と得意の記憶喪失からとんでもないことを言ってしまい、未だに「俺の子じゃない可能性がある」と嫌味を言われている。
現在は妊娠8ヶ月なのだが、脳内シェアでいうと95%会社で5%が子供のことだったりする。ほとんど仕事のことしか考えていない。子供のことは生まれてきたらその時考えよう、くらいのテンションだ。
妊婦としてはだいぶぬるいテンションなので、特に妊娠中のことも産後のこともあまり深く考えていない。まあそんときになったら考えればいいし、足らないものはamazonで翌日には届く。特段妊婦だからといって自分としては何も気にしないで生きるようにしている。
この辺の価値観は人それぞれなので自分が良いとも悪いとも思わない。フラットに見守ってもらえるとありがたい。
とはいえ妊娠前のように思うように体が動かないのは事実で、物理で内臓や横隔膜が圧迫されるせいでめちゃくちゃ息切れするし体が重たい。自分の場合は一度入院したりもしているので、あまり長く歩くと筋腫が張ってしまって良くないらしく薬を常用している。打ち合わせの際に「御社にお伺いしますよ!」と快く言ってくださった方々には本当に感謝している。
仕事の話をすると、2019年の会社経営には反省点も多い。それはいつかどこかでお話できればと思うが、これは失敗したな…と思うこともたくさんある。
ただそれは妊娠とは一切関係なく、シンプルに自分の経営者としての力量不足だった。全くそれは言い訳にはならない。それとこれは一切切り離して、今後も経営者としてもっともっと研鑽していきたい所存だ。
ちなみに「このタイミングで代表が妊娠する責任はどう取るんですか?」と知らない人に言われたことがある。
この質問者が何を言いたかったのか未だに真意はよくわからないが、普通に遺伝子を残す生物活動と社会活動くらい両方やらせてくれよという気持ちである。その時は正直とても傷ついたが、一周回って今は「むしろ両方やってる自分すごくね?」くらいのスタンスでいることに決めた。
とはいえ私が一切自分のキャリアを諦めずに働けているのは大前提として「夫が最高」ということがある。
私は妊娠前から料理以外の家事をほぼしない。掃除も洗濯も犬の世話も全部普段から夫がやってくれている。そんな最高の夫がいるから起業家と妊婦が両立できているのは間違いない。夫さんいつもありがとう。
私みたいなキャリアを選択する人間が特段珍しくもない時代が早いうちに来ればいいなと思う。生物活動しながら社会活動することを責められない世界にすることに何か少しでも貢献したいな、というのが最近の自分のプライベートの野望だったりする。
#いい感じにはたらくTipsアドベントカレンダー2019
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