#おばあちゃんのまかないメシ 沖縄編
時間や手間をかけず、ベテラン主婦であるおばあちゃんの知恵が詰まった、「まかないメシ」を探しにいく本企画。本に載るような名前のある料理ではなく、日々の工夫から生み出された派手ではない料理。それはきっと都会で暮らす私たちにとって、実はとても役に立つ料理のあり方なのかもしれません。
「おばあちゃんのまかないメシ」の第二弾は沖縄です!
ウコン農家・桑江さんのソーメンチャンプルーと卵汁
桑江幸子さん(通称:さっちゃん)は沖縄県名護市でウコンやシークヮーサーを栽培されている農家さん。ウコンのひげ根を切るお手伝いをさせてもらいながら、沖縄の食事や農家の仕事についていろんなお話をしてくださいました。
ひとしきり働いたところでお昼の時間。生活感がある、いいキッチン。
「今日はソーメンチャンプルー。チャンプルーにするからと言って、安い素麺を買うんじゃなくて、いい素麺買わないとおいしくならないの」と言いつつ、「今日の素麺は普通のだけどね(笑)」とつぶやいていました。
素麺は表記されている時間より30秒ほど早く上げてアルデンテにし、サラダ油とツナ缶と一緒に炒めていきます。素麺を炒めるときのポイントは、箸を横にして、上から下に混ぜ合わせること。
こうすることで、だんごにならずに炒まってくれるのだそう。
ほんだし、だし醤油、塩で味付け。それにしてもよく「だし」を入れます。
お次は卵汁。お椀に卵を割り、小さじ1の水をいれて40秒〜50秒ほど加熱すると半熟に。そこにさっちゃん自家製のだし粉末(かつおぶし、しいたけ、煮干し)でだしをとったみそ汁にさらに白だしを追加した汁をかけていきます。気持ちいいくらいにどんどん「だし」を重ねていって、そりゃうまいだろう!と間違いないおいしさが作られていきました。
適当に作ってくれたグリーンボール(キャベツのような野菜)のチャンプルーも合わせて、食卓に並びました。
ソーメンチャンプルーは、くたびれない、かっこつけない、普通のおいしさ。こういうのが食べたかった。
卵汁はまず一口飲んでだしの濃さに驚いて、黄身を溶いてさらにおいしくなって、笑ってしまうほどでした。これなら忙しい朝でもできそうで、まさに「まかないメシ」という感じ。
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何千回とキッチンに立ってきたおばあちゃんが料理する姿は、自然体そのものだと思う。そもそも料理を「頑張るもの」ではなく、「最低限の手間で、できるだけおいしいものを手に入れる方法」だと思ってるのだな、と感じる。無理がなくて、心地いい。こんなふうに料理する人が増えたらいいな、と思った沖縄編でした。
次の旅先は絶賛検討中です。お楽しみ!
おばあちゃんのまかないメシ第一弾・熊本編はこちら。