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ときのそらセカンドライブ『パラレルタイム』で見出した可能性の扉(前編)

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 バーチャルYoutuberアイドル「ときのそら」
 今を席巻するホロライブプロダクションのトップアイドルだ。所属レコード会社はビクターエンタテインメント。

 そんな彼女が2020年11月29日(日)に2nd Live『パラレルタイム』を開催した。1st ワンマンライブ『Dream!』(2019年10月6日)からおよそ1年ぶりの単独ライブとなる。

 今回は、2020年10月21日(水)にリリースされた彼女のセカンドアルバム『ON STAGE!』を引っ提げての堂々たるライブだ。加えて、ファーストアルバム『Dreaming!』やミニアルバム『My Loving』の名曲たちも懐に備え、その合計曲数は約30曲にも上る。単独でここまでのオリジナル曲を誇るのはVtuberのみならず、一般的なアーティストでも屈指のものだろう。

1.注目ポイント

 さて、今回注目したいのは、オンラインでのライブということだ。
 新型コロナウイルスの影響で、無観客試合や無観客ライブがニューノーマルとなる中で、『パラレルタイム』についても残念ながらオンラインでの開催のみとなった。

 元々、彼女は自称「イベント戦士」というだけあって、イベントでのそらとも(ときのそらのファンの総称)との直接的な関わりを非常に大切にしている。例えば、『Dreaming!』のアルバム購入者特典のお渡し会がその最たるものだろう。東京はもちろん、西は福岡まで全国主要都市で行われたお渡し会は、もはや「え?そんなにやるの!?」と心配するほどの過密行程だった。

 ライブに関しても、リアルでの開催を一番楽しみにしていたのは彼女自身だろう。セカンドライブを発表した2020年10月8日の「ときのそら生放送」では、「今年は(ワンマンライブを)開催できないかと思った」と涙ぐんだ。

 実際、リアルでの開催も検討はされていたようで、立川ステージガーデン(要出典)が候補地だったようだ。他にも、Veats Shibuyaで開催予定だった生誕祭ライブ(要出典)、川崎クラブチッタでの3周年ライブ(要出典)、大きめの会場でやる予定だったSorAZライブ(要出典)も立ち消えとなっている。

 イベント戦士として活躍してきた彼女にとって、今年は辛く悲しい状況だったであろう。ましてや、『ON STAGE!』のテーマは、「そらとものみんなと一緒にステージに立ちたい」である。その心中は察するに余りある。なかないで。

 ところが、事前に受けたインタビューで彼女はこう豪語してみせた。

3年間活動してきた今の私を100%見せられるライブにしたいです。
人生で一番幸せな時間にできたらなって。『Dream!』が今まででいちばん幸せな時間だったので、それを更新したいです。

 泣いた。

 彼女にとってライブとは、全力でみんなに幸せを届けることなのだ。
 オフライン、オンラインの差で心配することなど何もなかったのだ。

 「時代のせいにしたってつまらない」

 まだまだ彼女から学ぶことは多い。
 今年は最高の年だったと言えるよう全力で楽しもう、そう思った。

2.セットリスト

 ここで『パラレルタイム』のセットリストを紹介しておこう。

※『Dreaming!』収録曲はD、『My Loving』収録曲はM、『ON STAGE!』収録曲はOと表記している。

1. ぐるぐる・ラブストーリー(O)
2. ベノム(cover)
3. リア/リモシンパサイザー(O)
4. ブルーベリームーン(O)
5. 海より深い空の下(D)
6. コトバカゼ(D)
7. 未練レコード(D)
8. 夢色アスタリスク(D)
9. 青空のシンフォニー(O)
10. Chu-Chu-Lu(O)
11. 好き、泣いちゃいそうだ(D)
12. Wonderland(M)
13. Shiny Smily Story(ホロライブ全体曲)
14. Dream☆Story(D)
15. フレーフレーLOVE(M)
16. 冴えない自分にラブソングを(D)
17. 空祭り(O)

アンコール(いかないで)
18. Step and Go!!(O)
19. ゆっくり走れば風は吹く(M)

 全19曲。『Dream!』で歌った曲数も19曲だったが、かなりの曲数と言える。基本的にはオリジナル曲だが、2番目の「ベノム」はカバー曲だ。

 『Dream!』の時は、セトリの構成にときのそら自身は関わっていなかったという。だが、今回は違う。彼女が中心となってそらとものために懸命に考え抜いた自信のセトリだ。ときのそらを愛するそらともにとって、これほど嬉しいことはないのではないだろうか?少なくとも筆者はそう感じる。

 ここからはライブ当日の流れに沿って、筆者の感情も交えながら順を追って見ていきたい。

3.セカンドライブ直前

 遂にやってきたライブ当日。緊張と期待が高まっていく。そらともにとって、この日がやってくるのは夢だったのだ。

 「俺もそらちゃんのライブ行きたいよ」

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 事あるごとにそらともに言われてきたこの言葉。冗談や茶化しではない。誰しも心からそう思っていた。

 今回は、SPWNという配信サイトでライブが放映される。SPWNといえば、ときのそらとは切っても切れない関係(と筆者は思っている)にある企業バルスが運営している。詳しい説明は省くが、要はお世話になっているのだ。ちなみに前回『Dream!』はニコニコ生放送だったが、グッズはSPWNで販売された。

 SPWNでは、2021年1月4日(月)までアーカイブチケットが購入できるので、まだ見ていない方は是非とも見てほしい。

 また、Youtubeにおいて、冒頭が無料で配信されることになっており、開場前から多くの視聴者が期待に胸を躍らせていた。

 今回は海外ニキ(外国人視聴者のこと)のファンがホロライブ全体としても増えたこともあって、英語でのアナウンスも重要視された。ときのそら自身も英語でのアナウンスも欠かさず行い、その効果もあってか、Youtubeのチャット欄は多くの海外ニキで賑わっていた。これは非常に喜ばしいことだ。

 なお、開催直前に数々のSoraArtや記念の贈り物が投稿され、記念すべき日に彩りを添えていた。こうした推しへの想いもライブの大切な華だろう。筆者も参加した2つの企画について紹介しておこう。

 (๑╹ᆺ╹)ぬーん
 そしていよいよ開場。18:30がやってきた。

4.開場

 開場すると、SPWNのチャット欄は瞬く間に「(๑╹ᆺ╹)ぬんぬん」で埋め尽くされた。筆者はここで実感したのだ。「そうだ、ここにはそらともしかいないんだ」と。

 傍から見ると意味不明だろう。(๑╹ᆺ╹)ぬんぬんって何なの?(哲学)
 ただ、我々にとっては掛け替えのない、そして大切な共通言語なのだ。

 嬉しかった。溢れるばかりのそらともで埋め尽くされた一年前のVeats Shibuyaでの『Dream!』を思い出したのだ。フェスや合同ライブでは味わえない単独ライブならではの一体感。素性も嗜好も知らない人しかいないはずなのに妙に安心する気持ち。ここは間違いなく、ワンマンライブの会場だった。

 さて、開幕前から盛り上がりを見せるチャット欄だが、ギフト付きコメントを送ったときのそらと縁深い人々について注目してみる。

 まずは、おるだん先生。ときのそらの公式イラストレーターだ。
 次に、いかき先生。初期デザインとモデリングを担当した。
 続いて、プリンアラモード先生。ときのそらレコードの原作者。
 最後に、シワスタカシ先生。『ON STAGE!』では歌詞カード内のイラストとして採用され、初期の立ち絵も描いたことがある。(↓これね)

 開幕前なのでこの時は、色んな方が見てくれてるんだなぁ、としか思わなかった。しかし、終演後に思ったのは、こうして様々な思い出を想起させるような面々がこの時点で集うのは、時空の境界線が曖昧になる『パラレルタイム』には十分すぎるほどの舞台装置となっていたということだ。それはもちろんそらともの皆さんも例外ではない。さあ、開幕(ON STAGE!)だ!!

5.開幕(ON STAGE!)

 パラレルタイムが幕を開けると、まず始まったのはカウントダウン。ときを告げる数字が刻々と変化していく。いざなわれる心。釘付けになる目線。テンションは既に最高潮だ。

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6.M01 ぐるぐる・ラブストーリー

 カウントダウンが開け、登場したときのそら。

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 「なるほど、最初はぐるぐる・ラブストーリーできt…!?!?」

 驚いた。何よりもまずDream!衣装だったことに。通称「Dream!衣装」とは、『Dream!』において披露され、これまで彼女が立つ大きな舞台で彼女を支えてきた、いわばパートナー。勝負服である。

 お化粧後は影を潜めていたがここできた。やられたと思った。もはや筆舌しがたいテンションになりながらも、「ぐるぐる・ラブストーリー」の心地よいリズミカルな歌とサウンドに魅了されていた。

 ぐるラブは、『ON STAGE!』収録曲として、先駆けてMVが公開され話題となった。最初にMVが公開されてから、劇場版SorAZ(ときのそらとVsinger「AZKi」との合同ライブ)でフルが歌われ、また、各種音楽配信サービスにおいても先行で配信が開始されるなど、『ON STAGE!』の中では一番印象が強い曲だろう。

「みんなー、パラレルタイム見に来てくれてありがとう!」

 そう明るく言った彼女。ビクター公式でも「ときのそらの弾けるような歌声が魅力的」と評されるように、ライブの開幕にふさわしい元気たっぷりの曲だ。

 この曲はちょっぴり素直になれない女の子が恋に揺れて、目まぐるしく動く感情に向き合っていく、そんなストーリーだと思っている。ここで注目したいのはときのそらのダンス。そんな情景が思い浮かぶようなステージ全体を使ったパフォーマンスと可愛らしい歌。正直に言って何回転でもぐるぐるしたい。ちなみに筆者は「いつもキミキミ君を探してる」で腕をぐるぐるするのが好きだ(写真2枚目)

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7.MCパート①

 ぐるラブを歌い切り、お水助かる(水で喉を潤すこと)を経た彼女。その目はまっすぐで何の迷いもなかった。この時点で筆者はオンライン云々という心配なんてこれっぽっちも頭になかった。紛れもなくときのそらのステージそのものだったからだ。

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 ここで、そらともからのフラワースタンドが紹介される。素敵なイラスト付きであったり、色で表現されたものであったり、様々だ。ステージを取り囲むこの数は圧巻ではないだろうか。ちなみに筆者のもあるので、探し出せた方には、四つ葉のクローバーと同じ効果を保証しておく。

 なお、筆者が贈った側であるため、あえて一つだけ言及しておきたいが、フラスタを贈ったから偉い、偉くないなどは一切ない。そらともに差などないのだ。もし気おくれする人がいたら、そこだけは心してほしい。

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 次に今回のステージが紹介される。ステンドグラスのように彩色豊かなステージや背景。あん肝(くまのぬいぐるみ)や星といった彼女を象徴するようなモチーフ。そして、『パラレルタイム』という表題にふさわしいような幻想的な空間。このライブステージはオンラインだからこそ演出できた素晴らしいステージだと思う。彼女が好きなファイナルファンタジーの世界にありそうな、そんな魅惑的な空間にしばし浸っていた。

私だけの特別なお城にきたというか…そんな感じがして…

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8.M02 ベノム

 それではいきますよ。ベノム。

 この掛け声から始まった「ベノム」
 ベノムは彼女のオリジナル曲ではなく、かいりきベア氏が作詞作曲編曲を手掛けたボカロ曲だ。ときのそらは、2020年2月2日にカバーソングとしてベノムの歌ってみた動画を投稿している。

 まず、筆者は驚いた(こいついっつも驚いてんな…)
 歌ってみたがセトリに入ってくるとは思っていなかったからだ。

 いや実際には期待はしていた。『Dream!』では、「アスノヨゾラ哨戒班」や「オツキミリサイタル」といった思い入れがある歌ってみたがセトリに入っていたのもあって、『パラレルタイム』では何がくるだろうかと想いを巡らせていたのだ。

 しかし、一方で何もないのではないかと斜に構えてもいた。これは権利問題でホロライブ全体が揺れた時に過去の歌ってみた動画が一斉に非公開になったからだ。ベノムも例外ではなかった。

 もちろん、上にリンクを貼ったように、今では動画も回復しつつあり、ベノムも公開状態になっている。ただ、こうしたこともあって”ない”可能性を杞憂し、オリジナル曲がたくさんあるのだから元々歌わなくても問題はないのだと、どこかで自分を言い聞かせていた。

 ところがだ。ベノムが始まった。驚いたと同時に歓喜した。まさかまさかと膝を打った。聴きなれた軽快なギターサウンドに安堵した。

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 ベノムはサビが非常にキャッチーな曲で、「めっ」というフレーズの振り付けによって、TikTok始まりで爆発的に流行したとも言われている。

 ときのそらの気持ちがいいほどに綺麗なハイトーンボイスに、全身を使ったかっこいいダンス。極めつけは「めっ」の躍動感のあるかわいらしさ。キャッチーな歌とダンスを組み合わせた彼女のパフォーマンスは、まさにベノム。中毒的だ。

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 そして、とりわけ彼女の素晴らしいところは、歌ってみたをまるで自分の持ち歌かのように歌い上げるところだ。ベノムは歌ってみたではあるが、セカンドライブに馴染んでいた。というよりも、ときのそらの歌だった。それだけ楽曲を自分らしく表現することができるようになっているのだろう。

 なお、筆者はときのそらのベノムがとても好きだ。ベノムを聞くと、彼女が一人配信の頻度を高め、悪戦苦闘しながら配信を続けた2月~5月の頃を思い出す。今では無事に4年目の新人となった彼女だが、照れワークでそらともを楽しませようとしてくれた、あの時期は忘れられない思い出だ。また、ベノムは彼女が20歳になった時に行った後夜祭ライブで歌いあげた曲でもある。2020年を代表する歌ってみた曲と言えば、個人的にはベノムを推したい。

 では、オリジナル曲も含め数ある曲の中からなぜベノムが選ばれたのか?
 後のMCパートでときのそらはこう語る。

可愛いけどかっこいいみたいな曲が当時はすごい難しいなと思っていて、そういう曲をみんながいいなと思ってもらえたっていうのが、自分の中で自信につながったというか…
なので、この曲をライブで歌わせてもらいました!

 そして、『パラレルタイム』の振り返り放送ではこうも語っている。

この楽曲はリズムゲームでも使っていただいていたりして、それがすごく嬉しかったなって記憶があるんですよ。

 余談だが、ここでいうリズムゲームは、タイトーの「グルーヴコースター」のことでベノムのときのそらバージョンが収録されたのだ。認められることへの喜び、これを聞いた筆者はなるほどと納得した。

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9.MCパート②

 このMCパートでは、先述のとおり、ベノムについて思い入れを語った。

 そして、この画像は今や恒例となったお水を飲むときに後ろを向き、ちらっと振り返る、いわゆる「お水ちら」だ。なんとも可愛らしい仕草で、最近では彼女が出演する多くのライブで拝むことができる。この始まりについては、筆者の記憶では定かではないが、少なくとも『Dream!』でこの仕草を観測することができる。「そんな雨の日には」の次のMCパートだ。気になる方は是非見てみてほしい。

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『ON STAGE!』というアルバム、みなさん聞いてくれましたか?
スッ

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 え?可愛すぎて心臓止まるかと思った…
 さぁ、お次は『ON STAGE!』から2曲続けて!

10.M03 リア/リモシンパサイザー

 「リア/リモシンパサイザー」は、どこか懐かしい歌謡曲のようなテイストで、洋楽で言えばベンチャーズのような曲だ。夏や日光を感じるような情熱的な曲調でありながらも、それとは対照的にどこか電波的でメカニカルな印象を受ける曲だと思っている。

 歌詞を見るとわかるが、リアとは「リアル」を意味し、リモは「リモート」を意味している。シンパサイザーとは「同調者」という意味合いで、要するに近くにいても離れていても「いつでも一緒だよ」ということだ。

 このリアルとリモートの微妙なニュアンスをときのそらは見事に歌い上げる。まるでシャウトするかのように情熱的に歌いながら、美しい高音で神秘性を高めている。素晴らしく技巧が光っている歌い方だった。ダンスも訴えかけるような振り付けに情熱を感じた。その完成度たるや素晴らしく、3曲目としてはぴったりの非常に勢いがつく曲だ。ちなみに筆者はリアリモが群を抜いて好きである。

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 そういえばこの曲、ペンライトを振るならオレンジのイメージがあると、ときのそら生放送で言われていたことがあったが、背景のVJがオレンジ色だったので「ふふっ」と思ったのは内緒だ。

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11.M04 ブルーベリームーン

 続けては「ブルーベリームーン」、妖しげでクールな雰囲気が魅力的だ。だがその実、歌詞は愛を叫ぶほどにロマンティックでもある。その混ざり具合が何とも言えない不思議な世界観を作り出している。人類は古くから月を敬愛してやまず、月の持つ神秘的なパワーを信じている。この曲は、何かが起こりそうな月明りの下の物語をイメージさせてくれる。

 ときのそらのブルーベリームーンに対するパフォーマンスは、ただただかっこいいとしかいいようがない。幻想的な世界観の中に鳴り響く彼女の歌声。想いを込めるようなダンス。「見上げて」「届いて」といった印象的な言葉とともに繰り出される演出。一気にその世界に引き込まれること請け合いだ。

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 特に、ラスサビ前の心からの叫びには鳥肌が立つ。この全身を使った歌、叫びは、その世界観に説得力をもたせるほどの表現力だ。ああ、それにしても月が綺麗ですね…

 ねえ ねえ ここにいるよー!! 

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 もし、まだブルーベリームーンのMVを見ていない方がいれば、そちらの方も是非チェックしてほしい。ライブとは異なる振り付けも必見だ。

12.MCパート③(無料枠まで)

 ここまで4曲のセットリストについて語るときのそら。テンションアゲアゲの「ぶち上る」を意識して選んだというこの4曲。その思惑どおり、我々のテンションはもう爆発寸前だ。さすそら。

みんなー、テンションぶち上ったかなー?

 そう、いたずらっぽく言う彼女。
 ライブ会場の熱は留まることを知らない。

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 ここでYoutubeの無料配信の終了がアナウンスされる。もう終わりかと残念な声も聞こえてきそうだが、むしろ無料でここまで堪能できたということに驚きを隠せない。どうだろう。焦がれるほどまでに続きが見たくなる、そんなチラ見せではなかっただろうか。

 私のライブ配信見にきてよー!見にきてー!

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 ここで触れておきたいのが、Youtube枠の脅威の高評価率だ。この記事を執筆している12月2日1時現在では、高評価1.8万に対して、低評価はたったの67と、割合にして約99.6%の高評価率を誇る。

 元々、彼女のチャンネルは高評価が異常といっていいほど高い。彼女の愛すべき人柄なのか、納得の歌の上手さなのか、とにかく我々を惹き付けるだけの魅力が高い満足度につながっているのだろう。

 実は今回、多くの人に見てもらいたいがために、Youtubeでのチラ見せができるよう運営さんに聞いてみる、と言っていたときのそら。その願いが叶い、ここまで多くの人に見てもらえたことは、筆者としてもとても嬉しく思っている。

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13.MCパート③(無料枠のその先へ)

 さて、ここからは3年間の思い出や振り返りをやっていくとのこと。一体何が始まるんです?

 みんなさ、覚えてるかな?初めてのワンマンライブはね、Veats Shibuyaって場所だったんですよ。

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 あの『夢』を忘れるわけがない。あの日見た景色は何物にも代えがたい。『Dream!』については本記事で語り始めると、収集がつかなくなるので、限定的に留めていくことをご容赦願いたい。

 Veats Shibuya(以下、「ビーツ渋谷」という)は、1st ワンマンライブ『Dream!』が行われた場所で、そらともにとって聖地である。筆者もそうだが、渋谷に立ち寄ると聖地巡礼をするそらともが後を絶えない。あの夜は伝説であり、刻み込まれた記憶は今なお鮮明に思い出される。

私の中でこの3年間というのは、そらともさんと歩んできた道でもありつつ、たくさんのね、思い出があったなぁという3年間だったんですね。
やっぱりさ、3年間の思い出見たいじゃんって思うわけ。
なので、ここからはみんなにとっても懐かしいかなって思うような曲を歌っていけたらいいかなって思います。

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14.M05 海より深い空の下

それでは次の曲、聞いてください。海より深い空の下。

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 ここでやってくる『Dreaming!』収録曲。「海より深い空の下」
 そうきたかと思った。振り返りとしては納得の1曲目だ。実は、海より深い空の下は古くからのそらともにとって思い入れのある曲だ。少し振り返ってみよう。

 先述のSPWNを運営するバルスが主催となってTUBEOUT! vol.1 というイベントが2018年12月17日(月)に行われた。このイベントは、同じくVtuberの銀河アリス(通称「お銀」)と歌い踊る合同ライブだ。これ以前にもニコニコ超パーティー2018に出演し、さいたまスーパーアリーナの大観衆を沸かせたのも記憶に新しいが、事実上のライブという意味では、実はこれが初めてだった。この時に告知なしに、初披露されたのが「海より深い空の下」なのだ。筆者も当時驚いた記憶がある。TUBEOUTの様子は下記のリンクを参照してほしい。

 ちなみに実は今でもアーカイブを見ることができる。SPWNでチケットが購入可能(1,900円!安い!)なので、気になるようなら見てみるといい。ときのそらと銀河アリス以外にも、今ではよく見かけるあの方もシークレットゲストで登場してたりする。(上のリンクを見れば一発でわかるが…)

 余談だが、筆者はTUBEOUTに予定があって行けないはずだったのに、結果行けるようになったものの、チケットはあえて買っていなかったため、配信されたLINEライブを家で見るというなんとも苦い思い出がある。かなちい。

 海より深い空の下は、正統派ロックという位置づけで、それまでのときのそらの歌とは一線を画した曲だった。ロックとはいっても、どちらかといえばしっとりとした曲で、今回の『パラレルタイム』では、これまでのぶち上げ曲で上がったテンションを一旦落ち着かせるいい緩和剤になっている。

 彼女の力強くもあり、どこか切なげに発声する歌。これまでとはうって変わって、体を揺らしながら確かめる様にリズムをとる動き。「静」ではないが「動」でもない。そんなパフォーマンスに見とれていた。

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長い長い雨が止んだ時に 目をはらしていた頃の私を
あなた達が見つけてくれたんだよね

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 !?

 なんだ。何が起きた。
 急に画面がセピア色になったと思ったらステージが変わった。
 ここは…ビーツ渋谷だ!

 本当にびっくりした。と同時に思い出を振り返るとはこういうことかと心から賛辞した。演出が神がかっている。彼女が降り立ったその地は、ビーツ渋谷の、『Dream!』のステージなのだ。

 先ほど触れたTUBEOUTが開催された場所は、渋谷タワーレコード。ビーツ渋谷とは目と鼻の先の距離である(当社比)。「渋谷」という共通項によって結び付けられた思い出は、パラレルな演出によって一つの形として現れる。まずこの場所で思い出を振り返るなら、第一弾として相応しい曲なのだ。

 思い出を噛みしめるような彼女の表情。これから始まるのは過去の『Dream!』なのか、未来の『パラレルタイム』なのか、時の境目が曖昧になり、交じり合った現在に期待せずにはいられなかった。

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15.M06 コトバカゼ

あの日のことは今でも鮮明に覚えています。
これからもみんなと楽しい思い出をたくさん作っていきたいです。
いつか、あの時みたいにまたみんなのそばに行けると信じて…

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 『Dream!』の追憶に未来を描く。筆者はこの仕掛けに完全に心打たれた。

 さて、このエモエモなセリフから始まるのは『Dreaming!』のリード曲「コトバカゼ」だ。コトバカゼは、根強い人気で確固たる地位を確立しており、『 Dreaming!』の代表曲を挙げるなら、まず一番に挙げる方も多いのではないだろうか。

 実際のところ、アルバムの購入特典として見れた特別MVもコトバカゼ、新宿ユニカビジョンで流れたのもコトバカゼ、ファミリーマートでのラジオで流れたのもコトバカゼ、とアルバム販促はコトバカゼ尽くしであり、筆者的にはかなり強い印象を持っている。つまり、あの時代の彼女を象徴する曲ともいえるかもしれない。

 コトバカゼはときのそらが歌う恋の歌だ。可愛すぎて言葉を失うほどのいぢらしい乙女心。ときのそらの表現がここでも冴える。元気で健気な歌と、どこまでも可愛い仕草。もはや言葉などいらないだろう。
 何でこんなにかわいいの!!好き!

胸の奥がくすぐったい ほんとズルい人だなあ、、

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 すると、歌の途中、彼女が目線を横に移す。そこにいたのは…

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 …紛れもなく彼女だった。お化粧前の少し無垢で慣れ親しんだ彼女。時には忙しさに疲れ、「もういいかな」と思いながらも懸命に活動を続けた彼女。メジャーデビューを果たし、涙した彼女。そして、”自分らしさ”に悩み続けた彼女。

 もうダメだった。筆者の涙腺は崩壊した。どうしても思い出してしまった。あの日々を。今の彼女につながる過去の記憶を。強く印象に残るコトバカゼが作り出す叙情的な世界は、時空を揺るがせ、あの頃にタイムスリップさせるには十分すぎた。この記事を書くために見返している今も涙腺はいとも簡単に崩壊している。

どんな昨日をあなたは生きてきたの? ねえ

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 スポットライトが当たるときのそらと、それを優しい笑顔で見守るときのそら。過去があって今がある。筆者は昔のときのそらも大好きだ。だが、少し無理をしていたことも知っている。だから、twitterでも書いた言葉だが、この言葉を載せておく。

『誰か』を演じていた君はもういない
だけど確かにここにいる

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16.M07 未練レコード

 過去の自分と別れ、次なる曲は「未練レコード」だ。

 …いや待て。いた。少しだけ未来に進んだ彼女。自分らしく生きることを決意した彼女。歌を愛し、アイドルをまっすぐに目指す彼女。

 過去から脈々と繋がるレコードは未来への軌跡だ。コトバカゼと未練レコードで演出されているのは、まさに「ときのそらレコード」に他ならないだろう。駄洒落じゃないよ。

 そして思った。なるほど、そらともを確実に仕留めにきてるんだ、と。

 未練レコードのPVを再現するかのように目を瞑りテーブルに佇む彼女。にくい演出だ。瞼の裏にはいったいどんな未練を思い浮かべるのか。

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 しっとりと情緒的に歌い上げるときのそら。大人っぽい雰囲気の曲は、18歳の彼女には背伸びした歌だったが、様々な経験をし、20歳となった彼女にとっては、その成長をまじまじと感じさせる歌だ。シックに、そして未練がましく縋る心を歌や動きはもちろん、表情で巧みに表現していた。

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 この3人のときのそらが揃い踏みするなんていったい誰が想像しただろうか。時を超え、場所を超え、自分すらも超えていく。『パラレルタイム』の意味がここでやっとわかった気がした。

せめて次にこの歌を聴くときは
ねえ、今よりも上手に笑えるように
ねえ、最後まで涙を流さないように

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 なお、個人的に、未練レコードはときのそらを代表する曲だと思っている。ただし、筆者は口を開けば代表曲と言い始めるので若干注意が必要だ。一番なんて決めらんない!

 では、なぜそう思うのかといえば、当然好きなのもあるが、至る所で聴くからという理由もあるかもしれない。また、カラオケ音源が配布されていることで、多くのVtuberがカバーしていることも非常に珍しく、話題には事欠かない曲だ。

 特に最近では、バーチャルTIFというアイドルイベントで、同じホロライブ所属の星街すいせいとデュエットし、2年越しとなる、初めてのトレンド入りを果たしたのも記憶に新しいのではないか。実はこの日が未練レコード投稿2周年の日で、特に意識されたものではなかったというのだから驚きだ。

 余談だが、未練レコードに関しては、昨年の出来事が印象的で、彼女が出演した舞台イベント、「四月一日さん家のON STAGE!」で、全5回(うち1回はアーカイブ視聴)の公演の全てで未練レコードが歌われ、「あ、これ全部未練レコードなんだ…!!」と、なんだか楽しかった思い出があるので付記しておく。ん、これのせいかも…?ぱっぱぱらっぱ。

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17.M08 夢色アスタリスク

はい!はい!はい!はい!
夢色アスタリスク、歌っていきますよー!

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 パフォーマンス中の煽りもなく、これまでの思い出にゆったりと浸らせてくれた前の3曲から一気にフォームチェンジし、コールを挟み盛り上げていく。そらとも待望の「夢色アスタリスク」の登場だ。

 夢色アスタリスクは、ときのそらにとっても、そらともにとっても外せない曲で、ときのそらを語る上では絶対に触れないわけにはいかない。転換点といっても過言ではないのだ。

 今でこそ信じられない話だが、2018年1月、2月当時は夢色アスタリスクの高音を無理して歌っているのではないかと心配されていた。歌のトレーニングはしていたとのことだが、ほぼ自己流で歌っていた彼女。生放送で「歌える」とムキになって証明はしてみせたが、実際には思いどおりではない部分もあってやきもきしたこともあったろう。

 歌が大好きで、ちょっぴり負けず嫌いな彼女が、その後に目覚しい成長を遂げていくのは今を見れば何も語る必要はないだろう。そんな思い出の曲なのだ。ちなみに筆者は、当時の歌声も大好きだ(突然の裏切り)

 奮起し、努力を重ね、たどり着いた今。もはやかつての面影はなく、なんと楽しげに歌うことか。のびやかに、軽やかに、高らかに夢色アスタリスクを歌い、ライブを楽しむかのように駆け回る彼女に筆者は確かな成長を見出す。これがときのそらなのだ。

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 後の振り返り配信で、「実は今でも歌うのが難しい」と少し恥ずかしげに語る彼女。「難しい」と言えるようになったことも昔とは違うところなのかもしれない。原点でもあり、今なお目標でもあるこの歌。ライブも中盤、折り返し地点にたどり着く目前で、最高の盛り上がりを魅せる夢色アスタリスクは、今や彼女の立派な持ち歌のひとつだ。

もがき続けて見ていたあの時の空はきっとまぼろしじゃない
振り返ればいつの日にか見とれていたあの星

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あれから1年経ったけど、わたし、みんなを元気にできてるかな?
あれから1年経って、わたしはみんなにとってのアイドルになれてますか?

 夢色アスタリスクを終え、暗転の中、観衆に語るかける彼女。

 できているし、なれている。誰が何と言おうと揺るがない事実だ。
 アイドル文化に縁がなかった筆者にとって、ときのそらこそがアイドルそのものであり、彼女が見せる光景こそがアイドルを定義づける。アイドルとは何なのか、どうすればアイドルになれるのか、その答えは筆者にはわからない。ただ一つだけ言えるのは、彼女と歩む道はいつだって夢色だ。

18.M09 青空のシンフォニー

ここから始まる新しいときのそらを見ていってねー!

 『Dream!』から時間軸が今に戻ってくる。過去を輝きに変えて、この台詞とともに始まるは、「青空のシンフォニー」。ときのそらが初めて作詞作曲にチャレンジした曲だ。

 原点の夢色アスタリスクから、彼女の人生にとって大きなチャレンジであった青空のシンフォニーにつながる。過去と未来の対比もここに極まってくる。もう感無量だった。

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 筆者は、この青空のシンフォニーがこの上なく大好きである。夢色アスタリスクを含め、ときのそらを代表する曲は今までにも登場してきたが、青空のシンフォニーはぶっちぎりのトップに君臨していると思っている。なにせ彼女自身が作った曲だ。そこに流れる血潮は、ときのそらそのものであることは疑いようがない。いい機会なのでこれも振り返っておきたい。

 実は、青空のシンフォニーにも物語がある。まず、なぜ彼女が作詞作曲をするに至ったのかといえば、「七色のメロディー」を完成させたいという想いから始まっている。これが大体今年の1月ぐらいの話だ。(…確か)

 七色のメロディーとは、青空のシンフォニーの元となる曲で、ときのそらが2018年3月27日の弾き語り生放送で披露した自作曲である。今聞いてみると、この時点で完成度が高く、青空のシンフォニーの原型はほとんどできている。当時の切り抜きのリンクを貼っておく。

 七色のメロディーはそらともにとって親しみ深い曲で、ももはすの歌とともに愛されていた。それが約2年の時を経て、企画として動き出したのだから、衝撃は計り知れなかった。しかも、これはときのそら自らが提案したことだという。七色のメロディーの進捗どうですか?は、オフィシャルファンクラブがあるニコニコにおいて、徐々に公開されていった。

 ここで、ニコ生についても少し触れておく。ニコニコでの会員限定サービスは、言葉を濁さず言えば、彼女が一人配信を始める2019年10月17日まで(厳密には最初の方は自宅ではないが)はあまり機能していなかった。ただ、せっかくお金を払って入会してもらっているのだからと、一番最初に活動を始めた大好きなニコニコを充実させたい、そんな想いから、以降ニコ生の数は次第に増えていく。実に彼女らしい。その一環として、自作曲の進捗や相談をしていたというわけだ。

 そもそも彼女が一人配信を始めたこと自体が偉業とも言えることだったのだが、長くなるのでここではその話はやめておこう。

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 やがて彼女の想いは膨らんでいく。そして、2月2日に会員限定のCD企画案が発表された。「七色のメロディー」をCDとして形にしたい。だが、企画を成功させるためには、会員の数が増えることも鍵となった。以降、そらともが会員数を増やそうとせっせこ宣伝していたのも懐かしい。ただ、会員数が増えてほしい一方で、会員限定にしてしまっていいのかという思いも胸の中には同居していた。その後、CD企画が進行し、会員限定ではなく、一般向けに販売されることが発表された。そらともは誰も責めなかった。むしろ喜んでいた。類は友を呼ぶというが、ときのそらの周りにはいい人しかいない。筆者は本当にそう思う。

 作詞作曲ときのそら、編曲赤ティン、MIXけったろ、というときのそらが主導となって動き始めた「七色のメロディー企画」は、「青空のシンフォニー企画」と名を変え、彼女は目くるめく日々をすごす。時には朝方まで会議や制作を行っていたこともあったという。忙しいが充実した日々だ。

 そんな青空のシンフォニーは、2020年5月15日(金)ときのそら20歳の誕生日の日にboothにてCD販売や配信が開始された。自分の作ったものが、音楽が形になる。彼女にとってかけがえのない思い入れがあることは言うまでもないだろう。なお、今でも音源は購入できる。若干だが、『ON STAGE!』に収録されたものとは仕上げ方が異なっている。(画像は筆者のもの)

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 青空のシンフォニーは彼女の誕生日に披露され、そのライブで初めて歌われるのが綺麗なストーリーだったと思う。しかし、このご時世だ。誕生日ライブは、緊急事態宣言の解除後である6月14日に、後夜祭ライブという形で開催がされる。だが、決して悪いことばかりではなかった。青空のシンフォニーが公開されてから、後夜祭ライブまでは幸いなことに時間があった。ここで彼女は素晴らしい行動に出る。

 コール練習だ。青空のシンフォニーのコールは、ときのそらが中心となって考えられた。まずニコニコで先行して練習がされ、「🌠シューティングスター🌠」「🍀プローミースユー🍀」「🌈レインボースカーイ🌈」といったお決まりのコールが作られた。そして、それをまとめた動画を彼女自身が編集し、公開された。

 どこまでも前向きに、どうやったら楽しくできるかを考えた結果だろう。この考え、発想は彼女の強いところだと筆者は思う。『パラレルタイム』への想いもその息吹が表れているのではないだろうか。

 「そらとものみんなと一緒にステージに立ちたい」という、『ON STAGE!』込められた想いは、青空のシンフォニーに込められた想いと何一つ変わらない。だから、『ON STAGE!』に青空のシンフォニーが収録されると聞いた時は、本当に嬉しかった。

 長くなってしまったが、青空のシンフォニーは、ときのそらの想いが形になった、彼女だけの特別なオリジナル曲だ。それを今回の『パラレルタイム』でどう歌うのかを、筆者としてはとても楽しみにしていた。

 彼女の声は喜びでうち震えていた。緊張やおそれではない。何か、温かいものが込み上げるのを必死でこらえる様に、ときのそらは青空のシンフォニーを歌い上げる。すぐにわかった。わかってしまった。

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きっと見つかるよ キミの居場所が
(はーい!はーい!はいはいはいはい!)

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いつだってキミを支えていきたい
怖がらないでね こっちを向いてよ
(おーはい!おーはい!)

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たしかに見えるよ 輝く星が
(🌠シューティングスター🌠)

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「みんな…ありがとうございまーす…!」

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あのステージの奥に見える夢の先まで
必ず連れてくと 約束するよ
(🍀プローミースユー🍀)

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 バーチャルの奥底で何かが零れ落ちたのが見えた気がした。

「あー、なんか…なんか泣きそう…」

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 泣いた。筆者はもうダメだった。
 感極まったそらちゃんの想いが伝播し、感情となってあふれだした。
 そらちゃん…よかったね…

広がり 創るよ 七色の世界
ここから新しいときが始まるよ
(🌈レインボースカーイ🌈)

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 過去と未来、夢と現実、リアルとバーチャル…
 オンラインライブとして幕を開けた『パラレルタイム』は時空を超え、あらゆる可能性の広がりを示唆する。だが、一つだけ確かなのは、ここに収束し、交差しているのは、紛れもなく一人の少女の生きた証だ。彼女が奏でる晴れ晴れとしたシンフォニーは、可能性の扉を次々と開いてくれた。ここからの新しいときは、きっと何も心配することはないだろう。

後編に向けて

 ここまで長文・駄文を読んでいただき、ありがとうございます。スッと感想だけで終わらせるつもりでしたが、『パラレルタイム』のテーマ性もあって、自分の記憶を残しておくという意味合いで色々と書いてみました。ここを書いている時点では、後編は白紙の状態ですが、いずれ完成させたいとは思っています。いずれね。まだまだパラレルタイムタイムしていくぞ୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧
 では、最後に一言だけ…

 そらちゃんすき!(後編に続く)

2020.12.4 ペロポネソス





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