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なりきる。

読書好きの友人が、
本をプレゼントしてくれた。

東野圭吾氏の「架空犯」。

「これ…読みたかったやつ!ありがとう!!」


彼女とは、よく本の貸し借りをする仲である。
同じくミステリ好きでもあり、
私と同じく東野圭吾氏の作品も
よく読んでいる。

彼の作品の中には、
これはあんまり…だったな…というものも
あるのだが、その感覚も似ていた。
(作家でもないのに失礼…。)

ツボが似ている人が選んだ本だ。
間違いない…!と安心しながら、
ページをめくる。

朝ごはんを食べながら読み、昼下がりに読み、
寝る前に読み、そのうちにのめり込んだ。


読み続けながら、ふと、
「…これ、声に出してみたいな…。」という
衝動にかられた。

「山尾」という登場人物の
「なんだ?この人…。」感が気になっていた。

そして、
「この小説を音読することで、
得られる何かがあるかもしれん…。」
と考えた。


入院中、言語聴覚療法のリハビリでは
音読もしていた。

発音などには問題なかったのだが、
息切れの症状が著しかったので、
声帯や呼吸筋を維持する・鍛えるために、
しっかりめの声で文章を読むことを推奨され、
取り組んでいた。

その中で、
「声に出して読むと何だか情報量が増すなぁ。」
ということも感じていた。

「退院後も続けると良いですよ。」と、
言語聴覚士の先生からも言われていた。



「山尾の気持ちになりきれるし…、
…リハビリにもなるやん…!」

と思うと同時に、もうそのページから
一人音読劇がスタートした。


とりあえず、気になる山尾部分だけでなく、
文章から全員の台詞まで、すべて声に出した。

もちろん抑揚もつけて。

時折、関西弁のイントネーションに
なってしまうのが我ながら気になったが。

治療で調子が良いのか、あまり息切れせずに
一気に4ページは読んでいた。

私にとってのリハビリの鉄則である
「疲れ過ぎない程度に。」もクリアしている。
無駄なくまとめられたプロの技だ。

これは良いっ…!

翌日も、気になるページで音読劇を始めた。


そして…、
読了した。

山尾の気持ちにも少し近づけた…と思う。

「架空犯」の一人音読劇、おすすめ。

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yucaessay
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