噫無情(レ・ミゼラブル)/あがた森魚
今日は蒸し暑かったですね。そんなに長いこと屋外にいたわけじゃないですけど、それでもムシムシジメジメした覚えがあります。今本当に10月なんでしょうか。しかも下旬ですよ。予報だと、どうも来月も初旬は似たようなもんだとかで。大丈夫なんでしょうか日本。
昼間は別のを聴いてた……というより、何もCD聴かずに寝たりしてました。ちょっとくたびれたもんでね。えへへ。ひょんなきっかけで、さっきからこれ聴いてます。まさに「ひょんなこと」としか言いようがないです。たまたまツレから「あがた森魚」の名前を聞いたんで、なんか聴いてみようかなとなっただけです。
一応「永遠の遠国」は聴いたことあるっちゃあるんですが、あれって長いじゃないですか。途中からよく覚えてないんですよね。すんません。なんで、ほとんど初あがたと言っても過言ではないのかもしれません。キャリア長いせいか、すげえいっぱいアルバムあったんですよ。その中でこれにしたのは、単に「大寒町」が入ってたからです。この曲は前に聴いたことあって、わりと好きなんです。
なんていうか……コンセプトアルバムみたいだなってちょっと思いました。「キネマ」がキーワードになってるのかしら。そんなことを思いながらネットで調べたら、やっぱりそうだったらしいです。キャリア最高傑作との噂もあるとありました。ほほうそんななんだ。テキトーに選んだわりには、いい引きだったのかもしれません。
なるほど、たしかにいい感じです。なんですけど、なんかこう、暗い。全体的にどっか暗〜い雰囲気が漂ってる気がします。暗いというか、せつないって感じかも。まあ、「永遠の遠国」も暗いっちゃー暗かった覚えがありますが。あがたさんの持ち味なのかもしれませんね。
一口に映画といっても、どう切り取るかで印象は変わってくるように思います。なんかこう、このアルバムでいうとですね。歌詞とかロクに聞き取ってないぼくの、他愛もない印象ですけど。華やかで夢やロマンがあるけど、それらはいつか終わってしまうもの。終わってしまえば祭りの後みたいな無常感? に包まれる。そんな雰囲気があるんかなーと思いました。
そんな先入観みたいなのを抱いて聴いてたからでしょうか。ラス前で流れる「大寒町」が、もう。ねえ。ひと時の夢は終わった、みたいな感じが押し寄せてくるわけです。そんなような感慨を抱かざるを得ないっていうんですかね。泣きそうです。
映画の世界にいる時も、頭のどっかで「これはいつか終わるものなんだ」ってわかっていて。だからちょっと投げやりになってる節もあるっていうんですかね。それでも、やっぱり終わってしまうとせつない。わかっていてもせつない。でも人生こんなもんだ。こっからまた、映画のない世界を生きなくてはいけない。そんな妄想みたいなのがね、ドワーッと押し寄せてきます。変に考えすぎなんですかねぼく。
この、「結局すべては失われてしまった」みたいな感覚、わりと好きだったりします。しんみり感っていうんですかね。なんですけど、それはあくまでも元気な時に限ります。しんみりが侵食しすぎてしんどくなってきたら、全力でしんみりを排除する方向に動きます。気持ち的に。てことは、今はちょっと元気なのかもしれませんね。わりとしんみりに耐えていられるので。なんなのこの自己理解。