見出し画像

公園の蛇口に尻を擦り付けた男について、ヘンタイ研究者が考察してみる

2024年4月6日。
都内某所でヘンタイによる事件が起こった。

あらましはこうだ。

産経新聞 https://www.sankei.com/article/20240406-QSNCPUBZSBIZHBKZMGQCWCRIKU/

ーー東京都世田谷区の公園で、水道の蛇口に尻を擦り付けた男が逮捕された。

発覚のキッカケは、同区の路上で男が下半身を出して自転車に乗っていた事だった。それを警察官が発見。

取り調べにより男の携帯電話から公園で全裸で自身を撮影した写真が見つかったため、公然わいせつ容疑で逮捕。

その後、蛇口に肛門をこすりつけている写真も見つかり、4日に器物損害容疑で再逮捕された。ーー



このニュースはSNSでも瞬く間に拡散された。
概ね反応は

『蛇口でさえ性被害に合うのかよ』
『上水道がゲスい道に…』


というツッコミ精神溢れるものから

『公園で遊ぶ子どもに性的な嫌がらせをしようとしてるのかしら。我が子が心配。』

『女性に対する間接的な性加害だわ!女性が公園の水を飲むのを想像してやったんでしょ!?』


という、加害性に不安を抱く意見もあった。

まず大前提として言っておくが、公共の場で露出するのは犯罪だ。何の言い逃れも出来ない。

ただ今回の件について、後者のような心配は少し的外れに思う。結果としてそうなったとしても、しでかした本人はそこまで小難しい事考えてやってない。

『ケツに物を入れるのが気持ちいい』
『それを見られる(かもしれないスリル)が気持ちいい』

ただそれだけだ。

尚且つ、コイツはヘンタイの中でもヘンタイグループの輪に入れない、カースト最下位のヘンタイだったのではないか。

ヘンタイにカーストがあんのかよ。…と思った人は、何故コイツが捕まったのか、この先の敗因考察を是非読み進めて欲しい。

敗因①:露出マニアのコミュニティーに入れなかった事

野外で露出をして遊ぶ、というのはヘンタイ界隈の中では昔からあるオーソドックスな趣味だ。

ゆえに同志の繋がり、コミュニティーというのが存在する。私もいくつかの公園で、露出マニアの方々の遊びに同行させてもらったことがある。が、やっぱり各公園には『顔なじみ』と呼ばれるような人がいた。

公園によってコミュニティーの大小、数は様々。
だが、だいたいみなグループで行動している。

露出マニアというと一般的には常識を逸脱した奇行種のようなイメージがある。だが人が集まればコミュニティーが生まれ、コミュニティーが生まれればそこにルールや秩序が生まれる。

『これはいけないよね』

『ここからはやり過ぎ』

といった線引きがコミュニティー内で出来上がっていて、それらを逸脱する者はヘンタイの中でも鼻つまみ者にされる。

例えば一般人(※ここではヘンタイでない人をそう呼ばせてもらう)に迷惑をかけてはいけないという暗黙のルールがある。

具体的に言うと、仲間じゃない人に一方的に性器を見せつけない、判断力が育っていない子どもを性遊びに巻き込まない、とか。

もちろん器物破損もNGだ。逆に使った場所は綺麗に掃除する、周りにゴミが落ちていたらゴミ拾いをして公園内を清潔に保つ、くらいのモチベーションで挑む人もいる。

これらはなんとなく雰囲気で共有されてる暗黙のルールのようなものだ。別に露出マニアの間で教科書や指南書が販売されている訳ではない。

そういう、文字に記されていない界隈の細かな空気感を読み取って、上手くコミュニティーの輪に入れるヘンタイならばめったに捕まらない。

ニュースを読み解く限り、今回捕まった蛇口男は単独で行動していたようだ。
“男は持ち歩いていた双眼鏡で付近に人がいないことを確認した上で撮影していたようだ”
という一文からも分かるように、偵察役に回ってくれるヘンタイの友人もいなかったんだろう。

もし彼がコミュニティーに入っていれば、

『あそこは夜でも一般人が来るから避けた方がいいですよ。』
とか
『それはちょっとやり過ぎなんじゃない?』
とか

そういった相互扶助がされたはずだ。
彼にはそれがなかった。

敗因②:人里に降りてしまった

さらにニュースを読み進めよう。

“同日午前3時ごろ、現場近くの路上で、下半身が裸の状態で自転車に乗っている男を署員が発見”

とある。
これに関して、大通りなのか、裏路地なのか、どの程度の道にいたのかは分からない。だが“道”というのがまずかった。

まだ公園内であれば、人と遭遇するとしても“公園という敷地に自らの意志で来ている人”にエンカウントする訳だ。
で、真夜中の公園にわざわざ足を運ぶ人というのは“ヘンタイ仲間”である可能性が極めて高い。
見つかったとしても『アッ、お疲れ様です』とスルーしてくれるかもしれない。

道は違う。
道は特定の人がたむろする場所ではない。
様々な人が行き交う通路だ。当然ヘンタイよりも一般人の方が圧倒的に多い。

そういう刺激を求めて“道”に出たのかもしれないが、それであれば先ほどのヘンタイルール:一般人に迷惑をかけてはいけない、を破る事になる訳で、捕まるのは当然だ。

人間とクマが一緒の場所で暮らせないように、ヘンタイもヘンタイのコミュニティーの中で暮らさなくてはいけない。人里に降りたら撃たれてしまうのは致し方ないのだ。

あとこれは邪推かもしれないが、夜中3時に警察に見つかったというのも気にかかる。

交番勤務員であれば、深夜2:30~6:30は休憩、仮眠の時間だ。
通報が入れば職務に戻らなければならないが、そうでなけば基本的には仮眠室で仮眠をしている。

なので、蛇口男は誰かに通報されたのではないか。

余談だが、変質者通報は同じく変質者である“お仲間”が通報する事が多い。

『アイツの遊び方が気にくわない』
『場のルールを乱しやがって』

といった感じで、気にくわないヘンタイを排除するためにヘンタイがヘンタイを通報する事がある。要は内輪揉めだな。

蛇口男の場合は…う~ん、単純に考え無しに人里に降りてしまった説が濃厚だが、こういう遊び方は同族のヘンタイにもあまり好まれない遊び方だから、知らぬところでヘンタイから恨みを買っていた可能性は否めない。

ルールを守れないと迫害される

人里に降りるクマが多くなれば、未然に被害を防がなければいけない。するとどうなるか。人間が山の中に乗り込んでクマを撃ち殺しに来るのだ。

これはそっくりそのままヘンタイ界隈にも言える事だ。これまで山で仲間と楽しく暮らしてたのに、1人のバカがやらかしたせいで山を焼き野原にされてしまうかもしれない。

実際、この公園はいわゆる“ハッテン場”としても使われていたため、そこから派生して、あろうことか『ゲイは危険』だの、もっと飛躍して『男は危険』みたいな言われをされてるのも散見される。
この蛇口男、世間だけでなく、同志や他界隈からも相当恨まれているだろう。

ただ、私はみんなが仲良く暮らせればいいなと願ってる。
『ヘンタイを根絶やしにしろー!』とか『マイノリティーにも権利を!』とか『男は~~女は~~』みたいな論争には参加したくない。
たとえ1つのマイノリティーを根絶やしにしたって、今度はまた次のマイノリティが標的になるだけだし。キリがない。

仲良く暮らすにはお互い必要以上に領域を踏み越えない事。

今自分はどこにいるのか。
山に足を踏み込んでしまったのか、はたまた人里に迷い込んでしまったのか。自分の立ち位置をしっかり分かってれば妙なトラブルは起こさない。

そして相手を思いやる気持ちを持つことだ。

もののけ姫で言う『サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。ともに生きよう。』の精神で生きれたらいいなと思う。