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10/25.【ニュース訳】見て見ぬふりをされた問題

タイの新聞『Bangkok Post』から、ニュースを1つ取り上げて日本語に訳します。

タイとゾウと観光について。元記事はこちら。

タイトルの "the elephant in the room" は「見て見ぬふりをされた問題」という意味。

>皆その問題を認識しているが、あえて触れようとしないタブーや政治的問題など物議を醸す問題を指す。

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ゾウは国のシンボル、誇りの源、そして観光客を引き付ける最大の要因の一つだ。

観光客は、バンコクやチェンマイの道を、ゾウ柄のパンツやTシャツを着てうろうろしている。いわゆる優しい巨大生物と共に写ったインスタグラムの写真をゲットできるチャンスを見つけるため、冊子に目を通しながら。

しかし、タイでエレファントキャンプの数が急増してから、取り扱い方法について激しい論争となった。

確固とした規則や強制的チェックの欠如や、大きな金儲けの機会と結びつく監査、観光キャンプでのゾウの扱い方だけでなく、ゾウの売買自体からも、虐待やコスト削減の対策に迫られている。

タイ観光局によると、2018年、380万人以上の外国人観光客がタイに来ており、国の経済活動の約10%を占めている。もはやツアリズムは小さい産業ではない。

20世紀のほとんどの間、捕虜とされたゾウは材木切り出し業に使われた。しかし、1989年、タイで木材の切り出しが禁止され、ゾウとゾウ使いや世話係は仕事を失った。そのため、ゾウを観光目的で使用せざるを得なくなった。ベストな選択肢であり、彼ら自身とゾウ達を支えるための金を捻出する唯一の方法だった。

「1995年、たった22ヶ所のキャンプしかなかったが、今では223もある」ラムパーンのゾウ病院事務局長で、ゾウの保護活動家として有名な女性は言う。

タイへの訪問者数は増え続け、ゾウの需要も増えている。世界動物保護のレポートによると、調査を受けた観光客の40%が、タイでゾウに関連する観光をする予定とのことだ。

捕獲したゾウを守るための動物保護法はいくつかあるが、働くゾウへの基準の概要を詳細に述べた記録はない。あいまいな保護制度でさえも、ほとんど実施はされていない。

そのため、歯止めの利かない儲かる産業となり、動物保護に関していうと、ほぼ罰せられない文化が作られてきたのだ。

タイ観光局からのコメントは断られた。……

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広島に住んでいた頃、お世話になった英語サークルで「英会話を楽しく身につけながら、国際的視野を広めることが大切」と教わりました。サークルでは教材として『Asahi Weekly』を利用していました。タイでは現地の英字新聞から世界のニュースを知りたいと思っています。