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+82 #3:外国人であること

韓国語がある程度できるようになってから、韓国人のお友達も増えた。
それと同時に、自分が相手から見て外国人であること、そして私から見て相手も外国人であること。そのことについて少し考えたくなった。

自分の以外の国の人間だと知った瞬間

①私が韓国にいて、私が外国人のとき

昔から私は完璧主義なところがある。白か黒かで、今でもグレーの選択肢を選ぶことがあまりできない。白ですら200色あるっていうのにね(韓国の話題だから、ってわけではないですよ)。

ある程度韓国語ができるようになったと最初の方で書いたが、ぶっちゃけ言ってしまうと、全然(できない)のである。そりゃあ韓国語なんてアニョハセヨとカムサハムニダしかわからないなんて人に出会うと、「どうやってそんなに上手になったの!?」と聞かれることも少なくない。
しかしどうだ、いざ一人で韓国に行って、地下鉄の誘導看板などが読めても、電車やバスで聞こえる世間話は3割程度しか汲み取れないのだ。それは単に、私が聞き取りに弱いということもある。YouTubeのコンテンツなども韓国語字幕さえあればほとんど難なく理解ができるのだが、字幕を取られてしまうと全然違う単語に聞こえてしまうのだ。

いやー、単純に、悔しい。毎回そんなことを思いながら関空〜梅田のシャトルバスに乗っているものだ。

そして同じくらい悔しさを感じるのが、現地で韓国人の方と会話するときだ。韓国は儒教文化のため年功序列が厳しく1歳でも上の人にはまずは敬語を使うし、両親に敬語を使う場合もある。私の韓国人の知り合いは8割がた年上なので、「タメ口でいいよ!」と言われない限りは敬語で話さなければならない。あまりないが、自分よりふた周りくらい上の代と話す時は、絶対に無礼な言葉遣いをするまいと少し緊張してしまう。がしかし、タメ語ですら完璧でない者が完璧に敬語を使いこなせられるわけがないのだ。

ぽろっと意図しないタメ語が出てしまったとき、(あっ…!!)と心の中で冷や汗をかき、時には言い直してすみませんだったり言うこともあるけど、「いや〜あんたは韓国語が上手だよ」と和ませてくれる。

うん、とっても嬉しいんだけど、とっても悔しい!
日本人だから仕方ない、のかもしれないが、日本人だからという理由で終わらせ欲しくないのだ。まあこれは、自分の努力次第だから、もう、仕方ないのだけれど。
韓国人と対等に話せるようになったところで、それはそれでまたぶち当たるであろう壁がある。

②私も相手も日本にいて、相手が外国人のとき

私は個人的な活動(?)として、韓国の旅行ポータルサイトのようなところで大阪旅行の同行を募集している。ウォン高円安なのもあり、日本に一人で旅行に来る韓国人も少なくない。そして私が友人に聞く限りでは、韓国人は東京より大阪旅行を好むらしい。理由としては、「東京はソウルと似てるから」「大阪の方がより日本(おそらく韓国人が好きな日本のレトロさ)らしい」と言うのだ。観光地や外国人だけでは行きにくい場所などに同行して、一緒にご飯を食べたり、思い出を作ったりしているのだ(もちろん無償)。
純粋に人とご飯を食べるのが好きだし、自分の語学力向上にもなると思い、去年の秋ごろから始めたものである。

そうやってガイドをしているときに思ったことがある。韓国人が大阪のなかでとりわけ行きたがるのがもちろん心斎橋・なんばエリアである。これは別に韓国人に限ったことではないが。その証拠としてあそこに行けば、日本語はほとんど聞こえない。

あのエリアにある大阪は、いわゆる表向きの大阪であるといえる。例をあげると、なんばでたこ焼きが食べたい外国人観光客は、いわばたこ焼きが食べられればそれでいいわけであって、くくるよりわなかがいいとかそんなこだわりは特にないであろうし、たとえくるる目掛けて来たとしてもわなかとの違いはそんなにわからないであろう。

何が言いたいかというと、円安のおかげで来た大勢の外国人観光客に対する商売は、日本人に対するそれと比べて多少サービス精神が劣っていても「Oh!!Omotenashi!!」と感動してしまう可能性だってあるのだ。

たこ焼きの例がわかりにくすぎた。別の話をしよう。私がこの前阪急百貨店うめだ本店の2階のシャネルで化粧品を見ていたときのことである。梅田のシャネルなんて、ほぼ中国人しかいないことなんてわかっていたのだが、どうしてもシャネルのマスカラが欲しくて、Sポイントが貯めたくて、来たのだった。
私の横に、リップを探している一人の中国人がいたのだ。おそらく欲しい型番が決まっていて、誰かに頼まれているのかわからないが電話をしながらブースを見ていた。(化粧品コーナーの中国人あるある:結構な声量で電話か生配信をしながら物色)
すでに外国語対応ができるっぽいBAさんが付いていた。何回かやり取りをしたあと、購入するものが決まったらしく最終確認のような段階に入っていた。BAさんから出た言葉に私は思わず振り返ってしまった。

「これ、〇〇番だけど、いい??だいじょうぶ?!」

わお。阪急百貨店様様でもインバウンドにはこんな対応なのか。
「わかりやすい日本語を使ったんじゃないの」と思う人もいると思う。もちろんそれは間違いではないと思うし、このBAさんもそういうつもりで言った可能性だって大いにある。
しかし、バレンタイン催事の短期バイトで阪急百貨店の研修を受けたばかりだった私はびっくりするしかなかったのだ。

①も②も総じて、めちゃめちゃに悪い言い方をすると“ナメた態度”、これはグローバル化したとか言われる現代社会において、どうも共通しているようだ。
これがなんでかということは、まあいつか別で考えてみよう。


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