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+82 #11 : 憧れの場所は半年でホームと化した

延南洞(연남동/ヨンナムドン)、それは韓国旅行でおなじみのスポット・弘大(ホンデ)の北側、弘大と同じく若者がたくさん行き交う場所である。

一日本人の私として抱くイメージは、表参道から少し狭い道に入ったところらへん(どこ?)と似ているなあといった感じである。弘大から5~10分ほど歩いたところにあるので、中心部の喧騒からは少し離れるものの、飲食店やカフェ、雑貨屋さんなどがたくさん立ち並ぶ。最近は日本食のお店や日本らしい居酒屋が増えたという。

そんな延南洞に、私のホームができたのだ。
とあるライブハウスである(正直、クラブな日もあるし、劇をする日もあるし、ただバーな日もあるので、何と表現していいかわからない)。

今年の1月、お目当てのクラブが営業しておらずそこのスタッフさんに代わりにここにいくのはいかが、とDMで教えてもらったのが出会いである。

延南洞に面する比較的大きな道路、延禧路(연희로/ヨンヒ路)沿いの雑居ビルの裏口から入るそこは、私にとっての연남동입구(延南洞への入口)である。

1月、知り合いも全くいないままただ勧められるがままに地下へと降りた当時の私は、正直こういう場所での遊び方も知らず、スタッフの方に声をかけられるのだった。初めて行ったその日はDJイベントがあったので、「前売り(予約済み)ですか?」と聞かれ、「いいえ、1人です」と私とは思えないほど小さい声で返事したのを覚えている。この時声をかけてくれたスタッフと、7ヶ月後カラオケオールをするなんてね…。
そしてその日私が店を出ようとしたとき、そのスタッフの方はまた話しかけてくれた。会場もそれなりに盛り上がり爆音だったのでメモで筆談して少しコミュニケーションを取り、記念にと周りにいた常連と思わしき方々と私と4人で写真を一枚撮ったのだ。
その後私がInstagramのストーリーズにそのライブハウスをメンションしてアップしたこともあり、写真を撮った3人とはInstagramで繋がった。そしてどうにかこうにかDMをしながら、少し親しくなったのだ。

そして8月。私は水曜日ソウルに到着するやいなやまずそこへ向かった。今回泊めてくれたオンニとそこで合流する目的ではあったものの、そこには1月まず声をかけてくれたあのスタッフ(以下、キムチオンニ)もいた。キムチオンニは、「わー!!久しぶりですね!!!」と手を振ってくれた。

ウェルカムマッコリを頂いた

私はそのあと金曜日、土曜日とそこへ来た。
土曜日のイベントは大きなイベントだったのもあり、あの時一緒に写真を撮ったキムチオンニ、そしてもう2人も来てくれたのだ。
「会おうね!」とは言われていたものの、会場に3人はいなかった。「あれ…?」と思った私の元に通知が来た。

「今ここ(近くのカフェ)のB1の席にいるから、おいで!」

同じく延南洞にあるそのカフェは、以前通った時に「うわおしゃれだな〜」と思っていたカフェだった。地下に入ると、3人はいた。
「わ〜〜〜〇〇(名前)!!」
そのままカフェで色々話してから、私が先に入場してしまったイベントへと向かった。

カフェを出発

イベントは何組かのインディーズバンドのライブ、済州島のデザイナーによる物販がありとてもにぎやかだった。
最後のDJも終わり、お客さんもみんな帰ったあと3人のうち1人が自分のUSBを取り出し、DJを回し始めた。キムチオンニが人数分のウイスキーショットを持ってきたりx2、缶ビールを開けまくったり、それはもうお祭り騒ぎだった。
店長も最初は一緒に踊っていたが、少しお疲れそうだったので、みんなで店長を拍手で送り出し(笑)、たった4人で広い空間でカラオケ大会が始まったのだ。

画面はiPad、スピーカー数台、スタンドマイク、ネオカラオケですねー

気づけば3時で、お腹空いたくない?とみんなで深夜にラーメンを食べ、始発のバスが出るまで語った。

自分が1月に勇気を振り絞って行ったこの場所で、私のことなんて覚えてないだろうなって勝手に思っていた人たちとこんなに仲良くなって、朝まで過ごした。

なんて不思議な話だろう。自分の文章力の無さに途中からトホホ状態であったが、韓国を飛び立つ前に、あの夜から二日経った今日、光化門前のスターバックスから記録としてこのnoteを投稿することにする。

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