求:あたたかい家庭(1)
前提として
誤解回避のため。
このような題にしてしまったが、けっして家庭が欲しいわけではない。さほど結婚願望もなく、ましてや子どもなど絶対に欲しくないと考えている(子どもが嫌いなわけではない。子どもは好きである。ただ、育てる責任を取れる自信がない)。
ふと
元からよく歩く方だ。一駅、二駅など余裕で歩いてしまう。交通費をケチりたいからではなく、ただ歩くことが好きだからだ。メリットなど何も考えずに積極的に歩いた結果見つけたメリットを並べてみる。
・道を覚えられる
・いろんな豪邸を見られる
・地図アプリではなかなか見つからないお店に出会える
・食べ過ぎた罪悪感の抹消
・帰宅した時の「帰ってきた〜!」感
こんな感じである。
豪邸を見て泣いちゃった話
で、ここで話そうとしていることに関係するのは2つ目である。
私の家の周りはニュータウンも近く、少し歩けば高級住宅街も広がっているのだ。
この間散歩をしていたとき、何回も通ったことのある大きい一軒家が立ち並ぶ通りを歩いていたときのことだった。
外から見てもわかる、窓の中に映り込む大きな吹き抜け。本棚か壁かわからないくらい古い分厚い本がぎっしり並べられた壁。大きな窓に入る陽射しが勝手に照明となって、目が回りそうなくらい大きいシーリングファン。
恥ずかしいのか情けないのか感動したのか知らないが、私は気づいたら上まつげと下まつげの間にたっぷり涙を溜めていたのである。
豪邸の何に情を動かされたかはわからないが、自分でも「あ、自分キモいな…」と思いながらその時はそのまま散歩を続けた。
ちなみにそこから続く家たちは、その豪邸を超えるほど私を泣かせるものはなかった。
結局ないものねだり
私は生まれて一度も一軒家に住んだことはない。し、特に広いマンションというわけでもなかった。ただ単に裕福な家庭が羨ましくて泣いてしまったのかとも思ったが、これまであまり一軒家に憧れを抱いたこともないので、それは違うということにした。きっと私の中の'人間の一番しょうもない欲望ゾーン'には、そんな気持ちもあったかもしれないが、それはしまっておくことにしよう。
一年前も、自宅から伊丹空港まで散歩したのだが(約10km)、そのときもたまたま通りがかった家の前から味噌汁か肉じゃがかそんな匂いがして、それもまた泣いてしまったのを覚えている。
夕方に出発した自分を恨みながら、心底母の料理が食べたくなったものを(古文)。
現在は一人暮らし大学生がゆえに、「ただいま」に「おかえり」が返ってくることも、有吉の壁をみて誰かと大爆笑することも、テレビのチャンネル争いをすることも、風呂に入れと急かされることも、一人二役でもしない限り不可能である。
下書きに寝かせておいたら詰んだ
ここまで読んでくれてありがとうございます。
しかし、後で書こうと下書きに保存した結果、着地点を見失ってしまいました。
というわけで唐突ですが、また気が向いたら続きを書くということで。
ささやかな希望を込めて、タイトルにまた(1)とつけておきます。
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