+82 #5:韓国語を“勉強”したことはほとんどない
こんな話題は、いかにもネット記事みたいで少し気が引ける。
現在TOPIK5級を取得している私だが、机に向かって韓国語を勉強したことはほとんどないのだ。
少し特殊な韓国語学習法?かもしれないので、参考にはならないが、私自身の今後の韓国語学習のためにも、少し書いてみようと思う。
※以下、どんな手段を使ってでもなるべく短期間で韓国語を習得したい人にはあまり向いていない内容かもしれません。
韓国語学習のきっかけ
私が韓国およびハングルに出会ったのはPSYであるとこのシリーズの#1で書いたが、韓国語をもっとわかりたい!と拍車がかかったのはその後BTSにハマってからのことである。
当初は推しの名前のハングルを暗記できただけでも嬉しく、あまり韓国語を一生懸命やろうということは考えていなかった。
しかしハングルしかない歌詞の曲を聴く中で、まあハングルの仕組みくらい理解しようかと思った、ような、そんな記憶がある。
韓国ドラマを字幕なしで見たいとか、推しと直接韓国語で話したいとか、明確な要因はなかったと記憶している。
(実際、韓国ドラマは1作品も見終えたことはないし、推しのミーグリで韓国語で話しかけるも日本語で返された始末である。)
私の韓国語が伸びたツール・できごと
①リリック動画(初心者向け)
とりあえずハングルの子音・母音は暗記して、非常にゆっくりではあるもののハングルが読めるようになった。ハングルを覚える上で非常に役に立ったのが、ローマ字だ。日本語にない発音がある特性上カタカナ表記にも限界があるので、アルファベットで表されたハングルの実際の発音により近い表記はとても助かった。
海外のファンがあげているこのようなリリック(歌詞)動画。
①몰래 mollae モレ
②상처 sangcheo サンチョ
この二つの単語が見えるだろうか。
①モレの「モ」(mol)、②サンチョの「チョ」(cheo)
これは日本語で考えるとどちらも「オ」の母音である。
しかし韓国語では①が口をすぼめて発音するオ「ㅗ」
②が口の奥を開けて発音するオ「ㅓ」
なのである。
ローマ字表記をよくみると、①は「o」、②は「eo」であるということがわかる。
日本にはない発音のイメージも、アルファベットによってなんとなく「あ、なんか違うものなんだな」ということがわかる。
その他アルファベット表記ではどうにも乗り越えられない発音の壁はあるものの、初心者の段階でこのリリック動画を見まくることは好きなグループの曲も覚えられてかつハングルにも目が慣れるという一石二鳥なことである。
②わかんなくてもいいから見る(これまた初心者向け)
意味なんてわからなくてもいいのだ。
意味のわからない文章を、ただただ音読する。
これが意外と効くのだ。
私は鶴橋(大阪の新大久保的なコリアンタウン。実際、在日韓国人が多く住んでいる地域である)でもらった在日韓国人向けの月報誌を翻訳する気ゼロで音読していた。
どこが切れ目かもわからない、抑揚もわからない。しかし読んでいるうちに、何度も出てくる単語や表現を見て、「これってもしかして助詞かな」「疑問を投げかける時はこの文末なのか?知らんけど」というような気づきを積み重ねていく。
見開きを読むだけでも、数百字のハングルを読んだことになる。累積していけば、立派なちりつもだ。
③現地の友人を作る
正直、みんな言うことだから間違いないが、これが本当に一番早い。
当時中学生だった私はハロートークというアプリを入れて韓国人と交流していた。
ハロートーク:言語交換アプリ。自分が外国語を学ぶとき、その言語圏のなかで日本語を学びたいと言う人と交流できる。添削機能や通話機能もあるため、便利。
始めた当初は翻訳アプリがないとどうにもならないくらいにちんぷんかんぷんであったが、そんなことは気にせず、堂々と初心者らしく交流していた。
今もだが、ハロートークには一定数出会い目的の人もいる。私は本当に仲良くするのは同性の人だけと決めてアプリを利用していた。
実際そこで出会った人生初めての韓国人の友達(同い年)は、出会ってから7年経った今でも韓国・日本両方で旅行をするくらい仲良くしている。
あちらも同様に日本語を学習しているので、間違いをそこまで恐れなくていいし、顔出しの必要もない、やめたかったらやめればいい。現地の人と話すということが一番生の言語に触れる機会になるうえ、こちら側も日本語を添削してあげたりできるので、母語について考えるきっかけにもなる。外国語を学習するうえで母語は意外と大切なものでもあるので、良いことではないのかと思う。
④独り言を言う(初・中級者〜)
これはある程度実力がついてからの話かもしれない。
が、たいして自信がなくても独り言だから何を言ってもOKなのだ。日記とは違い記録にも残らないのでミスしまくったっていい。何言ってるかわからなくてもいい。自分の頭の中で考えて、韓国語に起こし、実際に声に出す。この最後のステップが意外と重要で、これはただネットでメッセージを入力するという行為ではスキップされてしまうことなのだ。
相手のいないコミュニケーションであるがゆえ、失敗を恐れなくていい、自分の言いたいことを言っていい、といったメリットがある。
寝る前にちょこっとだけぶつぶつ呟いてみる。自分に「잘자~(おやすみ)」だけ言う。自分の生活の中に、思考回路の中に韓国語を介してみるという意味では、それだけでもいいのだ。
私がこれまでのろのろと7年間韓国語学習、というよりも韓国語と触れ合ってきた中でグンと実力が伸びたなと実感するきっかけはこのような感じかな、といったところである。
また韓国語と日本語の文法的構造がほぼ同じなのも非常に大きい。文法について学習する量が英語に比べてかなり少ないぶん、単語を覚えたりその他の学習に時間を割くことができる。
眠くなってきたので、韓国語についてはまた気が向いたら書くことにします。
잘자~~
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