鳥類文学、略して文鳥 ◆ 水曜日の湯葉135[7/3-9]
僕の新刊『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』に関するインタビューを『ダ・ヴィンチ』8月号に掲載していただきました。「こういうことを思って書いたんですよ〜」という話が見開きで載っています。
雑誌内に「読書占い」というコーナーがあったので読んでみた。12星座ごとに今月のラッキーブックが紹介されているのだが、「若手弁護士が活躍するライトノベル」「地名がタイトルになった歴史小説」とやたら限定的なので「もはや特定作品の宣伝では?」と穿って見ている。(調べたら意外とあった)
7月3日 水
いろんな出版社の人と話しながら「KADOKAWA さん大変みたいですね」という話をする。僕は直近で本を出しておらず、せいぜいカドブンに書いた書評が表示されなくて困ってるくらいだが、これに関しては著者のほうがよほど困ってることだと思う。
あとは僕の住所氏名がダークウェブに流出している可能性はあるわけだが、さてどんな実害があるか。もともと僕が実名を伏せて作家活動をしているのは、デビュー当時に所属していた研究室に面倒をかけたくなかったからだが、今はただの惰性なので、まあ本名に関しては別にいいかなと思っている。住所の方は普通に困るな。わりと最近引っ越したばかりなので。
アニメ2期をやるので『【推しの子】』を頭から再読する。考えてみるとこの漫画って「転生した主人公がチート能力でムカつくやつをぶっ飛ばす」という現代エンタメの基本形(アクアのあの実行能力はチート能力に近い)なのだが、ちゃんと著者の個性が生かされているのでまったく陳腐さを感じないのがすごい。
あと「ぶっ飛ばす」のぶっ飛ばし具合がちょうどいい。作中で触れる問題は日本の芸能界の構造自体に基づくものなので、個人でぶっ飛ばせるようなものでは到底ないのだが、それでも「ひとこと言ってやりたい」くらいのレベルで欲求を満たしてくれる。そのバランス感覚が心地よい。
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