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野菜にあとがきを書く農家 ◆ 水曜日の湯葉105[12/6-12]

12月6日 水

週刊連載『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』の完結が近い。「ラストは丁寧に書きたいので今のうちに巻いていきます」と宣言し、先週月曜に 4-2 を出し、次の金曜に 4-3 出し、その次の水曜(つまり今日) 4-4 を……出そうと思ったのだがここでつっかえる。

小説を書いているとよく「文章が平凡すぎる」と悩む。筆が乗らないときはだいたいそういうことを考えている。とくに会話文の間にはさまる地の文が「地味〜」となってしまう。

「なんとかかんとか」
 Aがそう言うと、Bはこう返した。
「うんぬんかんぬん」

地味な文章の例

こういうところでレトリックに富んだフレーズを器用に挟む作家は古今東西ちょいちょいいるが、ああいうのは体に染み付いた文体だからいいのであって、「平凡だからカッコつけたい」と思って書いた文章などケバケバしくて読めたものではない。しかしそれでも気を抜くと「文豪っぽい言い回しをしてえ〜」という欲求が頭をもたげてくる。

自分に自信が持てないときは、外部の力を頼るに限る。権威ある人間に「文章は普通に書くのがよい」と言ってもらおう。ということで ChatGPT に権威ある人間を生成してもらう。

朝永振一郎?

いろいろあって最終的にこうなった。

「文章は普通に書け」的なことが書いてある

うむ。印刷してホワイトボードに貼っとこう。


12月7日 木

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