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水曜日の湯葉52 ◆ 1周年だ! 何かやるぞ!(2周年になる前に)

早いものでこの月額制日記も1周年になる。思いついたその週に始めたにしてはずいぶん続いている。とはいえ会員数はそろそろ平衡状態に達しつつあるため、新規獲得のために何か1周年新企画をやろう、と思っていたのだが何も思いつかないまま今日を迎えた。

「メンバーシップ限定小説」をやりたいと何度か言ったが、原稿を書いた端から商業媒体に吸い込まれていくのでいまだに始まらない。クリエイターが個人でネットで稼げる時代、と言われて久しいがまだ出版社に送ったほうが割がよい。


地味架空史を書こう

地味な歴史改変小説をこのところ各所で書いている。『まず牛を球とします。』には広島原発が不発弾だった話を、『SF作家の地球旅行記』には戦後日本領のまま残った南樺太への旅行記を載せた。どちらも戦争自体は日本が負けており、歴史の全体的な流れに大きな差はない。だからこその「地味架空史」である。

架空史というと国際政治やミリタリー好きの専売特許みたいな雰囲気があるけれど(佐藤大輔など)、我々の生活はどんなものでも歴史の影響を受けているわけだから、生活面に密着した架空史がもっとあってもいいように思う。

たとえば太平洋戦争がなかった場合の日本の生活はどんなかんじになったのだろう、といったことを考えている。なんやかんや欧米的価値観の浸透は避けられないだろうけど、大日本帝国憲法のままだと女性の選挙権はいつ認められるのか、農地改革がないまま経済格差はどうなるのか、軍需産業が解体されないままで新幹線は造られるのか、旧字体はワープロ普及まで逃げきれるのか、といった点は考えごたえがある。


湯葉でない柞刈さん

エゴサしていたら「柞刈いすかり◯◯」というキャラクター名を使っている人を見かけた。それ僕が考えたオリジナル姓なんだが、わかってて使ってるのだろうか? もちろん著作権や商標があるわけではないんだけど。僕の熱心な読者ではなさそうなので、予測変換で出てきた文字を適当に使っているのだろうか。

そう考えると、作家が考えた架空の姓が、架空だと知られずにフィクション界で流通するケースもありうるな。「小鳥遊たかなしという姓は現実よりもライトノベルに多い」のさらに極端な例である。西尾維新が考えた姓を自作小説に使った中高生とか絶対いるだろうし。いるよね?


電子書籍の売上(最新版)

早川書房から『人間たちの話』電子版の最新データが届いたので、コンプラに反しない程度にお見せする。

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