NASAが石油を作ったわけではない ◆ 水曜日の湯葉132
首周りを冷やすあれを買った。最近どこに行っても売っているあれである。冷蔵庫に入れると1時間くらいで凍って、あとは首につけておくと3時間くらい微妙に涼しい。「微妙に暑いけどエアコンつける程じゃねえなあ」という時に実にちょうどいい。
中身は単に28℃で溶ける物質が入ってるだけである。28℃の水を首に巻いても体温ですぐに温まってしまうが、この物質は熱が温度上昇ではなく融解に使用されるため、長時間28℃を維持できる、という理屈である。
じゃその物質は何なんだ、と調べるとオクタデカン(C₁₈H₃₈)らしい。石油とかに入ってる成分。思ったより単純だった。てことはこれ水道に流したらまずいな。廃棄するときに気をつけないと。取説には「自治体の区分に従ってください」とある。自治体ってそんな区分してるのかな。
そこかしこに「NASA の開発した新素材」と書かれているが(このキャッチコピー令和でも使うんだ)、オクタデカンを NASA が開発したというのはやや語弊があるのではないか。実際にこういう相転移を利用した冷却材は国際宇宙ステーションとかで使用されてはいるらしいが。
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今週は珍しく「日記を書きたい」という欲求があまりわかない。なんでだろ。迷宮の主になったせいかな。ということで少し短めです。
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