【棗いつき2ndワンマン感想】ライブ現地参戦してきた
今更ではありますが、2024/1/27開催の棗いつき2ndワンマンの現地参加し、ディレイ配信と両方見て感想を書いたら長くなり過ぎて怪文書と化したので記事で吐き出すこととしました。
昼公演
ストラゴヴィゴス
開幕で来るだろうと思ってたけど、いつきさんの天を穿つような声に予想以上に会場のボルテージも自分のテンションも自然と上がっててビックリした。ライブの最初の辺りってイマイチ曲にノリ切れないことがあるんだけど、今回は初っ端から枷が外れて自分でも驚いた。
Go?No to go?Which would you choose?
Hey! Lets you know! Whatcha gonna do?
の所の一体感凄くてこれは定番曲待ったなしだろうと思った。
追想のラグナロク
ソロバージョンを生で聞ける機会があると思っておらずGREEさんのフラスタの存在を知らなかったのもあって予想外だった。音源でも相当上がる曲になってるのにそりゃ現地で聴いたらもう当然ぶち上がる以外になかった。
ハーピーエンフォーサー
1stから思っていたことだが、音程がコロコロと変わるこの曲を力強く歌い上げるいつきさんのパフォーマンスには圧巻した。歌とダンスとも前にも増して磨きがかかってた。独特な振り付けもクセになるポイントでダンサーのAyakaさんmoecaさんもキレキレでかっこよかった。
Spider Girl
前回なかったから嬉しかったし、ダンスの映えるかっこいい曲だった。ライブでの堂々とした「それが?」がお気に入りで惚れた。刺激を求める自信に満ち溢れる雰囲気すき。
怪物
Unravel
フォイニ
カバー曲を歌うことでいつもの概念たむが本当にに飛び出して来たように錯覚した。
意外すぎていつきさんのコーラス入ったイントロが流れてきた瞬間会場が沸いたのを感じた。
昼公演では単純にこれまで歌枠で育てられてきカバーがここまでになったのかとひたすらに歌に圧倒された。
対して夜公演では歌詞の印象に持ってかれた。
心の中の負の感情や迷い、孤独、本意と嘘の意の差、これらとどう向き合い律していくべきかという自己への葛藤を表していると感じた。
ボイスドラマ
「ここの聞かなくたってわかるよー」が「当然肯定されるに決まってるじゃない…ふふっ…」っていう感情が汲み取れてちょっと怖い。
ただそれに気付いたのは夜公演のときだけだった。そんなこととはいざ知らず昼公演、ここで1stにきたオタクたちは「いいよー!」って言うのは必然だったんよな。あまりにも自然すぎてこれが重大な選択肢だなんて思ってなかった。
インドアアドベンチャー
フルスロットルで終始突き進んでいくような曲調加え、ガッツリコールが入るのもあってただひたすらに楽しかった。予習済み勢が練習前時点で完璧だったの流石だった。自分も予習勢だったので全部コールしましたが。。。「破ッ!」「右に上に西北ABB」「火力強くガンガンいこうぜ」とかまでいろいろやりました。
この勢いで完成された曲には元気が貰えるね。
LOVTOXIN
リリースからよく聴いてたし、前回のW.W枠として来るのではと思ってて本当に来たから嬉しかった。かわいいボーカルの印象に対してひたすら孤独に対する恐怖心を表した楽曲になっており、生まれた時のバーチャル棗いつきの心情が窺える。
無条件surrender
バーチャル棗いつきが産み落とされて初めて会ったのがリアル棗いつきなのだろう。
バーチャル棗いつきのリアル棗いつきに対する狂愛を感じる。バーチャル棗いつきの生きる意味のすべてはリアル棗いつき自身にある。実はここのリアル棗いつきの為なら何でもしてあげたいと言ったリアル棗いつきを中心とした考え方が最後になってエモさを増させるポイントになってる。
My Entertainer
昼公演はシンプルに健気にエンターテイナーを演じる元気で可愛いと言った印象。
ボイスドラマ
で明るい雰囲気になったと思いきやこっから急展開、同じ時間が続けば楽しいはずなのに何処か自分の中で迷いが生じ、なんとも複雑な気持ちだった。
夏の残り香
不穏なイントロが明らかな流れの変化を感じさせる。ヒプノソニックの序章の曲だけあって何かここから不味いことになって行くのだろうと思わせられる。
自分たちの居場所はここだけだと錯覚したかのようだった。
それと「ねえねえねえ」のヒステリシスさが際立っていてゾッとした。
anarchy
消えゆく現実棗いつきの抵抗。
この感情はここにあるべきでない、然るべき場所に持っていかなければという表現。
真実から目を逸らすな
純情サクリファイス
バーチャルいつきの考える苦しみのない世界
だけ見てればいい。この愛だけ受け取ってくれればそれだけでいい。といった考えが見える。愛の重圧により押しつぶされる。その重圧がより邪悪なアレンジ音源といつきさんの温度差の変化する歌で、増していた。ラスサビの含みのある笑い混じりの「わからない」のところは鳥肌がたった。
Miniascape
始めから良い結末にならないのであれば悲しんでしまうであれば滅んでしまえばいい。そうなれば負の感情に悩むことは愚か知ることすらない。CodoQのストーリーを知っているのもあってか会場にいる皆で破滅へと向かう意識を感じた。
このとき既にストーリーへの没入感が凄まじかった。
Son macabre
完全に支配された、囚われた。
完全にリアル棗いつきがバーチャル棗いつきのコントロール支配下に置かれたことを象徴したかの曲。会場の真ん中辺りで聴いていたが、自分含め会場の全員がこの状況でもなお盛り上がってるの、正に「狂信」という言葉がピッタリだと言えた。
非常に不思議感覚だったが、前にもこの曲をこの場で聞いたことがあるように感じた。一体私たちは何回繰り返していたのだろうか。
この後のアンコールもいつものアンコールの意とは違う、この時間を永遠に繰り返したいという意が含まれているように感じた。
ANAMNESIS
夜公演への布石
僅かな現実の棗いつきの抵抗が垣間見える。
鎖で縛られた魂を解き放つことへの恐怖心を乗り越えることを示唆する様な曲。
MC
まさかのここまでMC無しで驚いた。
色々ライブ行っている割には初めての経験だった。
物語に入り込めたのはこれが効いてたのかもしれない。
Secret of my heart
ここまで愛をぶつけてきたが、決して叶うことはないのだろうという切ない感情が見える。バーチャル棗いつき自身もリアル棗いつきの強き心情を知ってるわけで。
「私の隣が君じゃなくても」という歌詞では私がこんなことしなくたってリアル棗いつきは幸せなんじゃないかという、どこか心の奥底での迷いや葛藤を感じさせる。
全てが分かっててもなお、この時間が永遠に続けばば良いのにといった心情を表す歌詞がホント切ない。
ヒプノソニックのストーリーを介しての曲の印象がやはり強く、その切なさといったら残酷に等しい。
夜公演
夜公演の序盤の曲たちだがセトリは昼公演と全く同じだった訳だが、会場のみんなの反応が明らかに薄くなっていた。
曲中の盛り上がりは昼夜変わらずだったが、特にカバー曲が始まったときの会場の響めきの差は明らか。
セトリを知っている以上正直良くあることなのだが、それさえも小さな演出の一部として組み込まれていたと言える。
みんなで「ダメーー!」と言ったあとのロボ猫の「ループを抜け出す隙」とは正にこの事だろうと。この生感は会場に居てこそだったと思う。
舞台に上がっている棗いつきだけでなく、自分含めフロアの観客すら舞台の一部だったという訳だ。これには度肝を抜かれた。
メーデー
バーチャル棗いつき最後の抵抗の意思が感じられる立ち位置と解釈。
悲しい思いをするならいっそ日常など壊してしまおうといった、負の感情への憎しみが感じ取れる。同時に行き場のなくなくなった感情に対してどうすればいいか分からなくなり、悲痛な叫びのようにも聞こえる。
Limitless
棗いつきの代名詞とも言える曲がリアルの棗いつきを彷彿させる。会場は一気にボルテージマックス。まさに天井知らず知らずと言ったところだった。「りみっれー!!」の一体感は1stワンマンの時に留まらず凄まじい。
FRAGMENT OF QUALIA
手探りで希望や絶望に触れて生きる意味失くしそうになりながらも希望を掴み取り立ち上がろうとする強い信念を感じた。
The child of guilt
自分の本当に大事なものはとは何か?真実に真正面から向き合い泥臭くも失ったものを取り戻す意思。泥臭さが歌声にも色濃く出ており、確固たる決意のようなものが読み取れた。
アンダーテイカー
個人的超絶推し曲。来た瞬間歓喜した。
腐った世界でいっそこの身など捨ててしまおうかと揺らぐも闘おうとする反骨精神の塊のような歌詞と激しいロック曲調、ここに棗いつきのゴリゴリにカッコいいボーカルが入ったらブチ上がる以外に他ない。エッジの効いた生の「ア”ンダーテイカー」はほんと痺れた。
ANAMNESIS
昼公演では鎖で縛られた魂を解き放つことへの恐怖心を乗り越えようとしているのを強く感じたのに対しここでは、枷となっていた鎖を今にも完全に引きちぎって振り払っている印象が強い。セットリストの順番で聞こえ方感じ方が変わるのは何とも不思議な感覚だ。
プロパガンダ
誰に何と言われようとも自分で決めた道は最後まで貫き通すと言わんばかりの歌詞になっており自己への問いかけがこちらにも響いてくる。2コーラス目の「おまえの誇りは何処にある?」は印象的で、いつきさんの芯(真)の強さがなければあれ程迫力は出ないだろう。
優しい嘘
ここまで激しい曲にとてつも無く強い意思を纏った曲たちが続いてからのこの曲。しかもバラードアレンジバージョンになっておりタイトルにも入っている優しさが増している。歌詞を一つ一つ噛み締めるように歌う姿に、前に進むにも時には自分を欺いて前を向かなければならないときもあり、何も己の感情に真正面から向き合うことが全てではないという優しいメッセージをより感じることとなった。リアルの棗いつきがバーチャルの棗いつきを包み込んであげているような温かさがあった。
AIとCodeQの果て
ボイスドラマパートの「とっておきの曲」からのこれで歌い出しから既にうるっと来た。何だったらこの文章を書いている時すら涙腺が危うい。
バーチャル棗いつきの愛は行き違いで完全に伝わるものではなかったけど、バーチャルの棗いつきがリアルの棗いつきを乗っ取ったのも負の感情から救ってあげたいという愛故のものであることが歌詞から伺える。
既にこの時点でエモすぎると言うのに、この先の演出が素敵すぎた。
この曲ラスサビ前にボーカルが被っており、通常繋ぎの前後どちらかを1フレーズだけオケに任せることがよく見られるパターンだしそうなると思っていた。それもあり全く違う形で表現されたのを目の当たりにして驚きが隠せなかった。
ラスサビ前の言わば落ちサビの部分を丸々バーチャルの棗いつきが歌ったのだ。ステージに立ついつきさんが口元からマイクを離していたことに気付いた私はそんなことがあるのかと目を疑った。と同時にバーチャル棗いつきの歌うフレーズの歌詞が別れの言葉のようになっているのが印象的で、これに応えるようにラスサビでリアルの棗いつきが優しく寄り添うような言葉をかけるのが素敵だった。もうこの時、顔面は涙でぐしゃぐしゃだった。
ボーカルの被り問題すら演出の一つとして昇華させるのは天才の所業としか言えない。
CodeQにおけるこの曲のイメージがあったばかりに、全く違う角度でこの曲を聴くことになったわけで、曲の解釈というものに無限の可能性を感じた。
My Entertainer
かわいい印象の昼公演と打って変わって2コーラス目の「目に見えるもの大事だけど、それが全てじゃないでしょ」という歌詞が妙に刺さった。かわいい印象に塗り固められた曲がこうも意味ありげに聴こえたのはこのライブあってこそだと思った。
キミとひとつ。
AIとCodoQの果てとはまた違った雰囲気のED感のある曲だと気付かされた。
爽やかな曲と朗らかで温かい声に今の気持ちを胸に抱いて前を向いて走り抜ける気持ちが乗っかってて、未来に向かっていく雰囲気が感じられてとてもよかった。
終演
終演時、昼公演ではキービジュアルから棗いつきが居なくなった背景のみが映し出されていたのに対して、夜公演最後では棗いつきの存在するキービジュアルが映し出されており、ちゃんと戻ってきたんだ…って安心感が芽生えた。こう言う細かいところまで拘ってるの流石だ。
最後に
色々書いてきたが明確にいつきさんの歌の印象が今回のライブで変わった。
個人的に音楽を音で聴く傾向にあるからか、これは良くも悪くもなんだけどいつきさんの声はパワー感が全面に出てて曲も激しめなので、力強いオケに対して力強いボーカルが音として馴染んでいると思ってる。
普段音源で聴いてる感じではボーカルに乗った情報としては言葉より音としての印象が強かった。
対してライブでは、良くも悪くもオケに対してボーカルが分離しており、言葉として受け取る情報量が明らかに多かった。
ライブで別の解釈が生まれた曲もあるが、それを除いてもライブと音源とでは同じ曲でも全く違う印象となったのが衝撃的だった。ライブ会場で感じた強靭なメッセージ性はここから来るものなのだろう。何かを成し遂げる上でここまで頼もしい歌があるのものなのだなと新たな発見があった。
それと今回はライブというより昼夜公演を通した物語、映画を見ているような感覚だった。観客も含めて完成された物語となってて、現地での没入感が凄まじかった。
ここまで素晴らしいライブともなると次のツアーはどうなるんだろうか?
一つ言えることは確実に最高を更新してくるということ。
今から夏が楽しみで仕方がない。