女性の一生に寄り添い続ける。助産師の役割とやりがいとは？
助産師によるサポートは、出産時だけでなく、妊娠期、産後、新生児ケア、さらに性教育や更年期支援に至るまで、女性の人生全般にわたります。
今回は、YUARITOの運営統括を務める助産師の竹森さんに、その役割ややりがい、そしてYUARITOで働く助産師の強みについてお話を伺いました。
竹森 千織さん
看護師・助産師として病院勤務を経験後、看護学校で看護・助産師教育に携わる。その後、女性のためのヘルスケアサロンを起業し、助産師とアロマセラピストとして活動。YUARITOの運営統括として参画。
女性のライフステージ全般をサポートする、助産師の仕事
── 助産師とは、どういった職業なのでしょうか？
助産師は、妊娠・出産・産後・新生児のケアにとどまらず、性教育、月経教育、更年期支援など、女性のライフステージ全般にわたってサポートを行う専門職です。日本では、助産師は女性しか取得できない資格であることから、女性ならではの視点と知識を活かして、胎児の頃から老年期までをトータルで支えています。
また、助産師は医師の指示がなくても独自の判断でケアを提供できることが特徴であり、さらに看護職の中では唯一、独立開業が可能な資格でもあります。例えば、助産院を開業して地域に根ざしたケアを提供することや、訪問サービスを行うこともできます。
最近、関東圏で産後ケア施設が増加傾向にあるので、今後は助産師の働く場所として「産後ケア施設」という選択肢が増えていくと感じています。
── 妊産婦は、助産師さんからどのようなサポートを受けることができるのでしょうか？
妊娠中の身体の不調から、産後の母乳育児に関する相談、乳房ケア、新生児の健やかな成長のためのアドバイスまで、本当に幅広くサポートを受けることができます。
助産師は、思春期や妊娠期、産後、更年期の時期など、女性ならではの心身の変化や不調に対してのアドバイスも得意としています。最近では、メンタル不調へのケアも増えている印象です。不調をゆっくりと回復に向かわせ、より良く生きていけるようにサポートしていきます。
── 助産師の存在意義や必要性について、竹森さんはどのように感じていますか？
助産師の素晴らしい技術だと思うのは、「安心の場所を作る」プロフェッショナルであるということです。特に産後のママたちは、初めてのことばかりで、ベビーが泣き止まない時や、成長が順調かどうかなど、答えのない不安に苛まれていることが多いです。「これでいいのだろうか？」と悩み続ける中で、体も心も緊張しっぱなしになってしまいます。
そんな時、助産師が親身になって話を聞くことで、空気が少しずつ軽くなり、ママたちの表情が明るくなっていくのを感じることがあります。何か解決策を提供したわけではなくても、ただ一緒に話し、安心感を与えることで、ママたちの心がほぐれていくのです。
単に綺麗な言葉を並べるのではなく、目の前の方にとって何がベストなのかを本気で向き合ってアドバイスできるという意味で、助産師は、産後のママやベビー、ご家族にとっての心強いサポーターだと思っています。
大切な瞬間に立ち会い、人生のドラマに伴走する
── 竹森さんの、これまでのご経歴を教えてください。
看護師、助産師の資格を取得した後、地元北海道と横浜の総合病院で合わせて12年間勤務しました。その間に男の子2人を出産し、夜間保育が終了するのをきっかけに、新たな挑戦として看護・助産師教育の道へ進みました。看護学校の先生として6年間、多くの未来の医療従事者たちの育成に携わりました。
その後は、これまで取得してきた資格を活かし、女性のためのヘルスケアサロン（アロマセラピーサロン・スクール）を開業。助産師兼アロマセラピストとして活動し、幅広いライフステージの女性へのアロマセラピーの提供や、セラピストの育成、全国の女性に向けたオンラインレッスンを開催してきました。
助産師としては、他の産後ケアホテルのサブアドバイザーやYUARITOの運営統括として、安心・安全で持続可能な産後ケアを広めるために日々努めています。産後ケアが日本の当たり前の文化になることを目指し、心から楽しみながらこの仕事に取り組んでいます。
── 竹森さんが思う、助産師という仕事の魅力ややりがいは何ですか？
本当に数えきれないほどありますが、私が特に感じるやりがいは、人生の大切な瞬間に立ち会い、その方のドラマに共に伴走できることです。新しい命が生まれる瞬間だけでなく、その後の生活や心の変化にもゆっくりと寄り添い、支えていけることが、助産師としての最大の喜びだと感じます。
専門性の高いケアを通して、持続可能な産後をサポート
── YUARITOで働く助産師さんの特徴や強みを教えてください。
YUARITOでは常に2名以上の助産師が勤務していますが、一人ひとりが素晴らしい個性と高い技術、豊富な経験を持っています。常にママ、ベビー、そしてパパのために「何がベストな方法なのか」を真剣に考え、スタッフ全員で情報を共有しながら丁寧にケアを行っています。
また、単にその場限りのサポートではなく、YUARITOのコンセプトである「持続可能な産後の生活をデザインする」を実現するため、ママが安心して過ごせるように、きめ細やかなアドバイスを提供しています。例えば、家に戻ってから困ったことがあった時にどう対処すればいいのか、どのようにすればケアを続けていけるのかなど、個々の状況に応じて具体的にアドバイスをしています。
YUARITOには、母乳育児や骨盤ケア、ベビーマッサージ、アロマセラピー、性教育、フェムケア、離乳食など、特定の分野に深く精通している助産師さんも多く、互いに刺激し合いながら成長していける環境があります。このように専門性の高いケアが提供できるのも、YUARITOの強みの一つです。
また、YUARITOには、助産師だけでなく、素敵な看護師さんや保育士さんも多数在籍しています。一緒にお仕事する中で、「本当にママやベビーと関わることが好きなんだ」と感じることが多く、私自身もとても嬉しくなります。
ベビーに優しく声をかけたり、歌を歌ってくれたり、一緒に遊んでくれたりするので、ベビールームでは心地よい刺激を受けて過ごしてくれると思います。YUARITOでは、助産師だけでなく、看護師や保育士の皆さんもチームの一員として輝いていると感じます。
── 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
私たち助産師は、命の誕生というかけがえのない瞬間に立ち会うだけでなく、その後の生活にも寄り添い、ママやベビー、そしてご家族が安心して新しい日々を迎えられるようにサポートしていく存在です。
私がこれまでに出会った助産師さんたちは、すべてを優しく受け止めるような包容力を持った方ばかりでした。子育てには不安や悩みがつきものですが、どんな些細なことでもぜひお話してみてください。
新しい命を迎える喜びを一緒に分かち合い、皆さんが笑顔で過ごせるようなサポートをこれからも続けていきたいと思っています。
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