はるなーノーツ 「丸い背中」
Dewを始めてから、今年でもう16年目になります。
Dewは大半の曲と歌詞を悠が書いていて、
私はそこに伴奏とコーラスを付けるという作曲スタイルを続けています。
なので、私はDewのピアノ&コーラスとして一緒に曲を作り上げていく立場ではあるけれど、一番最初に悠の曲を聴くリスナーという点では、
お客さんの立場と近いものもある気がしています。
今日は、そんな私が今回の新曲「丸い背中」を聞いて思ったことを
自分のこれから作品と向き合っていくための忘備録も兼ねて、
ここに記しておこうと思います。
題して、「はるなーノーツ」です。笑
よかったらお付き合いください。
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みなさんは「丸い背中」を聴かれた時、どんな気持ちになりましたか。
まだ聞かれていない方はこちら
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私が一番初めに悠のギターだけの弾き語りの「丸い背中」を聴いたのは、
子どもがようやく寝付いて自分も寝落ちしてしまいそうななかでした。
枕元にあったスマートフォンで悠からのメールの着信に気づいて、
添付ファイルであった音源を寝室でボリュームを落としながら、
子どもたちの寝息が聞こえる中で、スマートフォンに耳に当てて聴きました。
温かい光の中に包まれたような気持ちになって、
胸がきゅん、としたのを覚えています。そして、
「人生はもっと素晴らしいんだと導かれているみたい」
というフレーズがとても心に残りました。
どうしてこのフレーズがこんなに心に残るのかな、と
私なりにちょっと考えてみたんですが、
私はこの歌の中の私のイメージの中の人生の大先輩である
「丸い背中」に、この言葉を言われたような気持ちになったからだと思いました。
きっとこれが同じ年月生きてきただけの友達に言われただけなら
ここまで心に残らなかったと思います。
ちなみに、私の中に具体的にぱっとすぐに思いつく「丸い背中」は
いなかったけれど、私はこのフレーズを、
「未来の丸い背中になった自分」
から優しく言われたような気持ちになりました。
だから、このフレーズを聞いた時に、私にはまだ見えていない世界や、
気づいていない人生の素晴らしさが私を待っているんだよ、と
未来の自分から諭されたような気持ちになって、
心がすっと晴れていくような、
視界がひらけていくような感覚を覚えました。
色々悩むこともあるけれども、このまま歩いていこうって。
自分のことを全部肯定してあげたくなるような気持ちになりました。
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悠の曲を聴くと、頭の中に映画のように映像や色が浮かびます。
そして私は自分の中に浮かんだその世界を頼りに伴奏やコーラスを考えます。
それはどこまで寄り添っても「私のイメージ」でしかないけれど、
それが少しでも曲の世界を豊かにするものになることを願っていつも楽曲と向き合っています。
この曲「丸い背中」も、これから完成していくまでの道のりの中で、
まだまだ色々と新しい発見があるんじゃないかな、と楽しみです。
今回、初めて私がこの曲と出会った時に感じたことを書いてみましたが、
解釈に正解はないのでみなさんがこの曲を通して感じたイメージ、
印象などを大切にされてくださいね。
みなさんの想像の翼がのびのびと羽ばたきますように。
聞き手の数だけ「丸い背中」があると思うと、なんだかワクワクします。
私も私の感じたイメージを大切にしながら、
引き続きこの楽曲と向き合っていこうと思います。
山口春奈