層のキレイな、パフェのように
出張で東京に行くので、会えませんか?
と、元職場の友人から、久しぶりに連絡をもらった。
暑さと、友人の喪失で、
何をするにもどんよりしていたので、
久しぶりに、本当に久しぶりに張り合いが出た。
かつての自分がそうだったように、
待ち合わせに間に合う時間のギリギリまで仕事に励んで
文字通り駆けつけた彼女たちが、
本当に美味しそうにビールを飲み干す様は、
イキイキ、キラキラして見える。
数ヶ月ぶりの再会だったので、他愛のない話に始まり、
子供たちの成長や親の話、兄弟の話、かつて大きな仕事を終えた後飲んだ話…
話は尽きず、次から次へ湧いて来る。
その内、仕事の話になった。
ひとりは数年前から、もうひとりは今年から管理職を任され、
まさに今、ノリに乗っているといえる。
管理職になって初めて遭遇するさまざまな難しさに、日々、
自分なりの工夫をしながら、正解を求めてもがいている様子。
それが故のストレスも小さくはないだろう。
そんな彼女たちを見ていると、
なんとも言えない愛おしいような感情が湧いてきた。
「どうか、その、いまの瞬間を厭わず、大切にしてください」
そんな感情。
渦中にいる彼女たちにはおそらく見えていまいが、
悪戦苦闘を繰り返し、解答のない問題を解き続けなければいけないような毎日が、
実は、彼女たちの人生に美しい層を作っている。と、私は思う。
食べてしまうのが惜しいような、美しい層を織りなすパフェのように。
たくさんの層を重ねたパフェが、様々な味や食感とおいしさを詰め込んでいるように、
今目の前にある多くの「何だかなぁ」を経験すればするほど、
それらが彩りとなりスパイスとなり複雑な味を醸し出して、
彼女たちの人生を豊かなものにしていくような気がする。
この年齢で仕事を離れたからこそ、かもしれないが、
今、仕事をしていないからそんな悠長なことが言える!…からかもしれないが、
そんなステージにいる彼女たちが、とてもまぶしく見えた。
私はあんまりパフェは得意じゃないんだけどね…^^;
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