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脊髄骨折

脊髄骨折。
「入院してください」と言われた。



10メートルキッカーで背中から打ち、
でも仕事は絶対に休めないと思って
インストラクターを続けている。

働く時間以外はずっと座って
みんなに滑らないの?って声かけられて
今日はちょっとコンディション悪くて、。
を毎日続けている。


入院することは自分は何もできないと
言われるみたいでとっても嫌だった。

行動しないことは昔から自分にとっての
「死」を意味する。

コロナの時も足の病気の時もそうだった。


昔からただ何かに取り組んでいないと
だめになってしまう人だとわかっていたから。


いつ治るかわからない痛みと向き合い
今日も滑るのを我慢し、ただスノーボードの
楽しさを知ってもらう為に働いていた。


朝8時から90分のレッスンが始まり
土日は忙しく4レッスン業務含めて
8時間程度スノーボードを教えている。

1人できた大学生の女の子、体が動かなくなる為にやってみたいと言う60歳のおじいちゃん。
懸命に変なポーズで立とうとする10歳の男の子。


人それぞれ様々だ。



今日最後のレッスンは
6歳の女の子と3歳の男の子だった。

ハーフで英語も日本語も通じる可愛らしい2人。


でもお父さんとお母さんに無理やり
スクールに入れられたんだって。

そんな2人をやる気にさせるのが自分の仕事だ
って思いながら、
リフトも雪も怖いと言う2人に
懸命にリフト上がらず時間をかけて
「大丈夫だよ」って何回も声をかけて。

姿勢を教える為に板を全部履かせてあげて
かっこいいポーズを教えて、めちゃくちゃ褒めて。

絶対転けないように子供用の補助セットも
持って行って。


まず立てないだろうと思っていたから
ずっと座りながら滑るやり方で
鬼ごっこみたいに始めて。
めっちゃやる気になってて
これはいける。って思ってた。

でも上についた瞬間様子がガラリと変わった。




3歳の男の子が泣き出した。
ただ「ママ」しか言わなくて。
大泣きして、それにつられて
女の子も泣き出して
「怖い」って叫んでいる。

何度も大丈夫だよって言ったり
雪合戦しようとしたり
逆にちょっと突き放してみたり


1時間くらい頑張ったけど
もう「ママ」しか言わなくて
ただ泣きじゃくってた。

日本語も英語も通じなくて
ただただ泣きじゃくってた。


子供が泣くのは当たり前だけど
理由がわからなくて。

子供は大好きだけど
どうしていいかわからなくて。

子供は感情の起伏が激しいこともわかってるけど
どんな言葉をかけていいかわからなくて。





結局レッスンは中止になった。


痛い背中押さえながら抱っこして
ボード3本持ってゆっくり降りた。

スノーボードって痛くて寒くて怖い。
本当にその通りで改めて実感した気がした。




泣いてる姿が
怪我で泣いている自分と重なって


キッカーのアプローチこうすれば
転けなかったなとか
あの時もう少し構えがこうだったらとか。
今でもまた後悔を増やして悔やんでいる。



「レオンくんどうして泣いてるの?」

すごく悲しかった。
どうしようもなく悔しくて。

なんでこんなに体が自由なのに?
って思ってしまった自分がいた。


子供が大好きなのに
3歳相手にそんなことを
思ってしまった
自分がとっても
ちっぽけだと思った話。

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