
ライター修行中のわたしが、「聞き方」を学んでいるポッドキャスト2選
Spotifyで、20以上のポッドキャストをお気に入り登録している。通勤帰りに聞く「生活は踊る」、火曜日の配信を待ち望む「となりの雑談」、金曜日の私に染み渡る「オーバーザ・サン」。それぞれの生活の場面に浸透するチャンネルがある。
そして、私は今ライターの修行をしている最中でもある。
取材記事を書くときは、文章を書く前に相手から書く内容を引き出さないと書けない。ということは、「インタビュアー(取材する人)が、引き出すための質問をしないといけないんだな」と気づいて、ポッドキャストの「聞く」方に関心を向けるようになった。
今回は、聞き方を学んでいるチャンネルを紹介する。
1.あっぱれ火曜日
インタビュアー2人とゲスト1人で展開されるラジオのようなポッドキャスト「あっぱれ火曜日」。ゲストが等身大にチャレンジするあれこれを引き出している。
全120回の放送のうち8割聞いた。中でも、トトトクラフト 大島 亮さんの回は、「ゲストの感情を言語化する聞き方」が特に目立った。
「最初の一歩は、亮さんにとってどんな経験だったんですか?」
「やりたいと思っていること、今はできていますか?」
「よかったと言っていたけれど、どうよかったの?」
ゲストの当時の感情を聞くための質問が随所にちりばめられていた。「インタビューをするときに真似したい!くー、むず!」と思いながら聞いている。
2.流通空論
ラッパー・クリエイティブディレクターのTaiTanさんが、世の中でヒットしている商品やサービスの流通を深掘りしていくポッドキャスト「流通空論」。
このチャンネルは、初回放送から1年未満だが、ポッドキャストアワードの一次選考を通過している。一次選考はリスナー投票上位20位が通過するので、リスナーがたくさんいて高評価を得られていることがうかがえる。
約1ヶ月に、おすすめチャンネルに出てきて聞き始めた。渋谷や下北沢に店を構える「挽肉と米」のオーナー兼クリエイター小西利行さんの回(前編)は4回聴いた。
聞き始めは、ただただ話がおもしろかった。ヒットしている理由や企て方に、こんなストーリーがあるのかと。だが、どんどん「TaiTanさんって何者なんだ。なぜこんなに聞き上手なんだろうか」と、気になりだした。調べると、以下の記事にあたった。
コンテンツとその流通は、
ぼくは、つねに不可分だと思っています。
何かをつくってハイ終わり、
ということはあり得ないと思うんですよ。
それを伝えるための何か‥‥が、
コンテンツを、くるんでいる必要がある。
TaiTanさんにとっては、コンテンツ=音楽。ラッパーとして、音楽の流通をずっと考えて実践していたんだ。「流通」という共通言語があるからゲストへの質問が止まらないのかもしれないと予想した。
さらに聞き進めると、TaiTanさんは質問だけでなく、意見や感想が多い。
私が数週間前にインタビューをしたとき、「相手と私の間に話を聞いた感想を置いてみると、相手の予期せぬ言葉を連れてくることがあるな」と感じたことを思い出した。
どちらも取材相手がうれしそうに話している
相手が喜んで話してくれれば、ここでしか聞けない話が生まれると思う。
あっぱれ火曜日のインタビュアーのお二人は、ゲストが存分に話してもらえるよう、質問を限りなく短文にしているように感じる。一方で、流通空論は対談なのか?と思うほどTaiTanさんが話す。
聞き方はまったく違う。でも、どちらも相手がうれしそうにイキイキと話している。ライターとして真似したい聞き方は、両方にある。