一粒の灯光
消えたい。
一粒の光もない暗闇の中で、ただただそう願うばかりだった。
永遠に悲観的な言葉が脳内で並べられていく。
暗闇から抜け出す方法も、歩き方も、周りを見渡すやり方さえも分からなかった。
そんなとき、なんとなく見ていたYouTubeで、近畿大学での中田敦彦さんのスピーチが目にとまった。
その話の中で登場した高校生が、私の暗闇に一粒の灯りを灯したのだ。
彼は、高校生という自由がきつく縛られているはずの年齢で、
世界各国のあらゆる景色をみていた。
TABIPPOが創った世界一周コンテストの優勝や中田敦彦さんからの応援などの大きな翼をつけて、
まるで高校生でも自由は無限にあると頂上で叫んでいるようだった。
同じ高校生なのに、私は毎日小さな箱の中で単一色の景色しかみていない。
同じ高校生なのに、私と彼とでなにが違うのだろうか。
いや、違わない。
高校生でも、狭い箱の中から外に出ることができる。
高校生でも、色鮮やかな景色をみることができる。
高校生でも、自由がある。
そのメッセージを受け取ったとき、暗闇の中から一粒の光がみえた。
高校生だって、私だって、何でもできるのだ。
その一粒の光はいまも私を導き続けている。
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