月の下のパヴァーヌ、音楽選定、サウンド作成の裏話
使用楽曲について
先日、月の下のパヴァーヌというタイトルのワールドを投稿させていただきました。
こちらのワールドです。
初期のアイデアスケッチはこのようなスケッチです。
ほとんど同じですが、構想時のタイトルは月の下で“ワルツを”という風になっています。
もともとはワルツをタイトルに入れるつもりで、音楽もワルツを用いる予定でした。けれどもタイトルを変えたこちらのパヴァーヌ。僕自身も馴染みがなかったのですが、最終的にタイトルに入れる運びになりました。どういった経緯を経て、変更したのか、記事にしていこうと思います。
パヴァーヌは16世紀に広まった行列舞踏だそうです。
ワルツも同じく舞踏に用いる楽曲。ショパンなどが特に有名です。今回この名前を変更したのは、ワルツの曲が思った以上に軽快なものが多かったというのが、変更の理由でした。
時折、ショパンのワルツ集を聞いたりもするのですが、ショパンのワルツはテンポが良く、どちらかといえば明るい場所で流れるような曲調のものが多いです。それはショパンだけでなく、別の音楽家の曲も同じでした。様々な曲を聞いたのですが、どれも自身がイメージするものと合致しなかったのです。
月の明かりの薄暗く、それでいて澄んだ静かな雰囲気の中に、動きまわるというアクションを取り入れる。その中で必要な、サウンドを鳴らすきっかけとなりえる曲。こうした条件が当てはまる曲はないか?さまざま検索をかけ見つけた曲が、ラヴェルの“亡き王女のためのパヴァーヌ”です。タイトルに“亡き“という表現がありますが、これは故人を意味しているわけではなく、もう戻ることはない過去の姿というようなノスタルジックなニュアンスを含んでいるようです。
その曲がこちらです。
この曲はまず、舞踏を題材にした楽曲ということもあり、音で戯れる(動きまわる)というコンセプトに合致したものでもありました。その上、軽快感があふれるというわけでもなく、落ち着いた曲調で、程よくテンポもある曲でした。
月明かりの雰囲気のみに着目すれば、ドビュッシーの“月の光“などもよくワールドの世界観に馴染みます。
月あかりの下でこの曲を用い、澄んだ花の音色を響かせるのも幻想的で落ち着いた世界観を表現できました。ラヴェルの楽曲用いる前は、こちらの楽曲をテストワールド内で流し、最終的にこの曲を使おうかと考えていたほどです。しかしタイトルとワールド内でのアクションによって明快にコンセプトを伝えるには適さないと思い、最終的にラヴェルの楽曲を使用する運びになりました。舞踏というワードから動きまわるというイメージを与えるので、製作者がこのワールド内で楽しんで欲しいことがニュアンスとして伝えることができると思います。パヴァーヌという名前とその説明を入れたのもそうした意図があってのことでした。
こうした思考のプロセスを経て、最終的にワールドの完成形へと至っています。
花のサウンド
続いて、この場でお話しするのは、この花のサウンドについてです。
このサウンドは、無料音源をダウンロードしたものではなく、IOSのアプリ、GarageBandで作ったものです。
iphone,ipadユーザーで遊んだことがある方ならわかると思うのですが、このアプリの中に、さまざまな楽器が搭載されていて、オーソドックスなピアノから、ギター、バイオリンなど、数多くの楽器を扱うことができます。
Glockenspielという楽器をベースに、アプリ内で音の調整を行い、最終的にサウンドとして制作していきました。下が制作中の画像です。GarageBandで作成した音を、フリー編集ソフトで編集して制作しています。
こちらが使用したソフトです。
このサウンドに関しても、少し凝って制作しています。さまざまな楽器を聴き比べ、最終的にGarageBandのGlockenspielとなっています。初期案ではピアノの音を使用していましたが、実際にサウンドにしてワールドで鳴らしてみると、かなり沈んだ雰囲気になってしまいました。そうしたこともあり、ワールドの雰囲気とマッチしつつも、かといって、印象が暗く沈んだ印象を与えない音、というのを探していき、見つけたのがGlockenspielでした。様々なフリーのアプリをインストールして、聴き比べていましたが、なかなか適した音が見つからなかったです。そういった意味では、一つのアプリで数多くの音が出せるGarageBandはSEを作る際におすすめかもしれません。
またクラシック音楽の知識はあれど、楽器演奏や楽譜についての知識がなかったので、メジャーキー、マイナーキーなどのことを調べ、サウンドを鳴らしたときに暗い印象にならない音が出ないようサウンド作成を心がけています。
そうして完成したのが現在のワールドです。とはいえ、まだノイズが走るのでどうにかしたいですが、修正は少し先になりそうです。
今回は以上です。
続いてもパヴァーヌと言いたい所ですが、次は別のワールドについて投稿してみる予定です。
原点でもある、一番はじめに作ったワールドについて記事にしたいと思います。
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