YU-TOの頭の中 局所性ジストニアについて考える
どうも皆さん、YU-TOです。
"局所性ジストニア" という病気を皆さんご存知だろうか?。
ある程度、音楽界隈についての情報に詳しい方であれば、一度は名前を目にしたことがある病気だろう。
ここ最近、この病気が原因で音楽活動を引退せざるを得ない状態になってしまうミュージシャンがかなり多いのだ。
もしかしたら昔からあったことなのかもしれないけれど、割と最近になって "病気" と認定されたとのことで、割と身近なミュージシャンでもこの病気に苦しめられている人もいた。
あまり専門的なことは分からないし、解明されていない部分も多いのだけれど、局所性ジストニアって "脳のバグ" だと自分は思っている。
反復する動きの繰り返しによって、運動神経に何らかの障害が出て、突然手が動かなくなったり、攣ってしまったり、痙攣してしまったりするのが局所性ジストニアの主な症状なのだが、そもそも、"一定のことを長い時間繰り返す" って、人間にとって不向きなこと。
人間は環境下とか精神状態で様々な物の見方が変わってしまうランダムな生き物だから、"毎回同じことを演らないければいけない" って、脳にとってかなり苦痛なことなのだと思う。
特に、現代のメトロノームにカッチリと合わせなければいけない音楽をやっているのならば尚更で、「もうこんなのやりたくない!」と、運動神経がさじを投げてしまってバグるのも致し方ないことなのかもしれない。
かくいう自分も、1度だけ局所性ジストニアに似た症状が出たことがある。
自分の場合は、遅いテンポでの2バス連打が全く出来なくなってしまった。
踏もうとしても身体のバランスが取れず、後ろにひっくり返りそうになってしまう。
「あれ?、俺これどうやってたんだっけ?」と、昨日まで出来ていたことの感覚が体からすっぽり抜け落ちてしまったような感じで、ライブが迫ったリハでのことだったからこれには相当焦った。
とりあえず、ここで "練習" をしてしまったら絶対にダメだと直感的に感じたので、丸一日叩かない時間を作って原因を考えてみる事にした。
筋トレで体重が増えたり、体の使い方の意識が変わったからか?
プライベートで色々あったから、自分でも知らず知らずのうちに精神やられてた?
と色々考えてみても、全く原因が分からない。
とりあえず、次の日になって叩いてみても、やっぱり動きに少し違和感がある。
「これ、割とヤバいかもな、、」と、また焦りがぶり返してきたけれど、少し考え方をかえてみて、「もう出来なかったら演らないでも良いや」と思うことにした。
「もうフレーズ自体を出来るようにアレンジしてしまって、2バスじゃなくてシングルペダルで叩けば良い」
そんなふうに、開き直ってみて、その日の個人練習はフレーズを全てワンバスにアレンジして叩いてみた。
そしたら、、、何と次の日には見事なくらいに感覚が戻っていたのだ。
「あれ?、どうした?」と、逆に恐くなったのだけど、本当にびっくりするくらいあっさりと出来てしまい、これには流石に拍子抜けしてしまった(笑)。
多分、"こう動かなきゃいけない" という縛りが脳にストレスを与えていて、逆に体を硬直させてしまっていたのだと思う。
その考えを手放して、「もう動ける範囲内で動いたらよいや!」と縛りつけてた制約を取ることで、脳が自由になるといか、余白みたいなのが出来て、すんなりと体が動くようになったのではないかなと。
人間っていうのは不思議なもので、「こうでなきゃいけない!」と思えば思うほど、その "こう" に到達することが出来ない。
"やらなきゃいけない" って思っていることほど、腰が重くなるみたいにね。
真面目な人ほど、そういうルールみたいなのを無意識のうちに自分に課してしまっていたりするけど、やはり局所性ジストニアって真面目な人ほどなりやすいという一説があるのは、こういう事なんだと思う。
真面目な人に「もっと気楽にやりなよ!」って言うのは、猫に「ちゃんと言うことを聞きなさい!」と説教するくらい意味無い事だけど、「考え方のバリエーションは増やしといた方が良いよ」とは伝えたい。
壁を越えるのって、別によじ登れるようになるだけが唯一の道ではないし、壁を越えるのは、"その壁の向こう側" に行くことが目的なのであって、越えられる事自体が目的ではないわけだから。
壁の周りを歩いてるうちに、思わね抜け道を発見出来るかもしれない。
もういっそ、ハンマーを探し出して壁に穴を開けた方が早く先に行けるかもしれない。
そんなふうに考えた方が、多分行きたい場所には早くいける。
"正攻法である必要はない" って考えられれば、きっと人生は楽になるんだと思う。
とまあ、自分なりの解決法みたいなものをツラツラ書いてみたけど、本当に症状が重い場合は専門家か医師に相談した方が絶対に良いです。
自分もそんな事があっから、割と真剣に気を付けながら叩いている次第。
多くのミュージシャンが、息長く音楽を続けられるようになれたらと切に思います。
これからも、あまり真面目に向き合い過ぎずに、ドラムと向き合っていこうかなと。
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