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The Ghost Inside "Aftermath" 〜世界を変えるかもしれない1曲〜

どうも皆さん、YU-TOです。

今回は最近公開されたとある曲についての記事を書きたいと思います。

つい先日、アメリカLA出身のメタルコアバンド、The Ghost Insideの新曲、"Aftermath"が公開されました。

The Ghost Inside、界隈ではもうかなりの大物というか有名なバンドで、自分もライブは観たことはないのですが結構音源はよく聴いているバンドです。

そんなThe Ghost Insideの新曲が公開されてMVや音源を繰り返し聴いていたりする訳ですが、ちょっと自分にとってこれは単純に"好きなバンドの新曲が公開された"以上の事が起こってるのではないか?という気がしてならず、この記事を書いてみました。

この曲が発表されてからまだ4日程しか経っていませんが、自分のinstagramのストーリーやtwitterのタイムラインにはこの曲に関する投稿が溢れかえっています。

Youtubeでの再生回数も既に43万回を超えていてこのジャンルとしてはとてつもない反応数ではないでしょうか?

では、そんなThe Ghost Insideの新曲"Aftermath"何故こんなにも近年稀に見る圧倒的なレスポンスを獲得してるのでしょうか?

1.このAftermathは問答無用の"復活曲"

2015年11月19日にThe Ghost Insideの身に起きたとてつもない事故に関してはご存知の方も多いと思います。

彼らのライブツアーでの移動中、テキサス州にて大事故に遭い、運転手のクルー2名が死亡、メンバーも重傷を負い、ドラマーのAndrew Tkaczykに関しては右足を切断するという悲劇が起こってしまったのです。

当時の界隈ではかなり大きなニュースになっており、自分もこのニュースを目にした時、正直絶句しました。

ドラマーが右足を、しかもメタルやハードコアなど2バスやツインペダルでの演奏が楽曲の生命線となる音楽をプレイするドラマーが恐らく利き足であろう右足を失うなど死活問題です。

もちろんドラマーという立場でなかったとしてもに片足を失って生活しなければならない現実を突き付けられた人でマトモな精神状態を保てる人はどれだけいるでしょうか?

人によってそれは"死よりも辛い現実"になり得ます。

その時の他メンバーやAndrew氏の気持ちは筆舌に尽くし難いものがあると思います。

当時、多くのファンが医療費の寄付を呼びかけたりしてThe Ghost Insideをサポートしようとする動きがありました。

日本のCrystal lakeも彼らの楽曲のカバーを出し、収益を全て寄付するという運動をしていたのも記憶に残っています。

そこからの彼らの情報をSNSなどで目にすることもあったのですが「絶対に復活する」といった類の発信が多かったように思います。

"絶対に叩くことを諦めない"とこちらの記事にあるようにメンバー全員、復活を目標に前向きにリハビリに励んでいたようです。

でもいくら"前向き"と言ったところで本当にいつでもそんな精神で頑張れる人間はそうはいないのではないかと。

正直この数年のリハビリ生活の辛さはメンバー本人以外にわかる事が出来ないものだと思います。

「本当に叩けるのか?」という思いが過ったことも、「二度とステージに立てないかもしれない」と思う事もあったかもしれません。

それでも懸命にリハビリを続け、2018年4月に事故後初となるリハーサルを開始し、7月には地元ロサンゼルスにて復活ライブを開催します。

こちらのライブ映像では怪我やブランクを感じさせない完璧な演奏をするメンバーの様子と復活を待ちわびていた物凄い熱量のオーディエンスの様子が克明に記録されています。

義足を付けながらも全く違和感のないプレイをするAndrewを観るとこれまで彼が壮絶な努力をしてきた事を誰もが感じ取れると思います。

そしてここからまた数年経ってリリースされた復活の新曲が今回のAftermathです。

2.映画のような約5分のMusic Videoと歌詞のメッセージ性

このThe Ghost Insideの復活曲、AftermathのMusic Videoは彼らの事故を報じる当時のニュース映像からスタートします。



事故現場の様子も少し映るのですが一瞬でとんでもなく大きな事故である事がわかる映像です。

そこからシーンが切り替わり、ヴォーカリストJonathanが叫ぶ場所は何とその事故現場。

この約30秒で初見から一気に引き込まれました。この時点でこの曲に乗せたメンバーの思いを誰もが感じとれるのではないでしょうか?

曲調はヘヴィなハードコアナンバーですがどこか叙情的なエッセンスもあるド直球にThe Ghost Insideな楽曲。

サビでJonathanは

This is where it ends-I will not stay silence ever again

ここで終わりだ。俺は決して沈黙しない。

という意思表明を叫び

**I don’t have it in me to sing of defeat.Triumph over tragedy
**

敗北は歌わない。悲劇に打ち勝つ。

という言葉と共に曲の要となるブレイクダウンに突入します。

「自分たちは"ここから"なんだ」「起こった悲劇に決してバンドへの情熱を奪われていない」

というメッセージを感じました。

曲の後半、哀のあるエモーショナルなパートに突入します。

これまでの叫びから一変してJonathanはメロディを歌い上げます。

Foundations that could never break
Was moving forward a mistake?
Or is that me pretending?
What happened to my happy ending?

壊れる事のない基盤

間違いを進めていたのか?

それとも大丈夫なふりをしてたのか?

俺のハッピーエンドはどうなった?

一部、意訳を含んでしまいますがこのような訳なような、、間違えてたらすいません 苦笑

自分自身に問いかけるような言葉でこれまでのリハビリ生活を振り返ってるように思います。

では、彼が自分自身に問いかけるハッピーエンドはどうだったのでしょうか?

映像はJonathanの叫びと共にメンバーのリハビリ中の映像と、完全復活を遂げてライブを行う映像が二分割で展開されます。

リハビリ映像は本当に痛々しいもので、改めてこの事故の凄惨さが分かるものです。

ただ、過酷なリハビリにも関わらず笑顔を浮かべるメンバーもいます。起きてしまった事に決して絶望せず、またステージに立つ日が来ると信じて前向きにリハビリに立ち向かっていた事が見て取れます。

リハビリ映像と共に映し出されるステージでの彼らは、過酷なリハビリ中に思い描いていた復活した自分達のイメージであり、今の現実の彼ら自身の姿です。

そう、これが彼の言う"ハッピーエンド"だと思うんです。

彼らが信じて悲劇に立ち向かった事は間違いではなかったんだと。そして決して大丈夫なふりをしていたのではなく、心から復活出来る日が来ると心の底から信じていたのです。彼らの音楽やバンドに対しての情熱の基盤は悲劇に壊れる事はなかった。

そして続けてこう叫びます。

Today I woke up to a brand new me
I know I can’t rewrite history
Yesterday is gone
And I’m ready for what tomorrow brings

今日、俺は新しい自分として起きたよ。

昨日はもう無いし、過去は変えられない、わかってる。

だったら明日がもたらしてくれるものに俺は備えるよ。

彼らは"起こってしまった事"に対して嘆き、悲しみ続けるのではなく、明日の自分を信じて状況を変える事を選んだんです。

これは楽観主義や"上辺だけのポジティブシンキング"では無い本物のポジティブシンキングであり、大袈裟ではなく人間の持つ本来の力や可能性を表していると思います。

これがこの曲でThe Ghost Insideが伝えたい事の要になると思ってるんです。

このメッセージ性と恐らく誰もが感じ取れるであろうドラマ性は約5分という尺ながら映画を観たかのように心に感動をもたらしてくれます。

3.このAftermathは世界を変える

自分はこのAftermathは誇張でも何でもなく、"今の世界を変えていく1曲"になると思っています。個人の趣味趣向を飛び越え、今世界に必要な曲はこの曲だと。

昨今の世界状況は正直かなり厳しい事になっています。

ライブをする事も出来ず、経済全体も今後どうなっていくかもわからない。外にも出られず、大切な人を失うかもしれない恐怖もある。

しかし、状況を嘆いていてはどうしようもありません。今出来る事、やれる事を見つけていつか必ず良い状況が来ると明日の自分を信じて出来る行動をしていくしか無いのです。

その状況とこのMVで伝わって来る事は見事なまでに合致しています。

このAftermathのMVですが観ているとほぼ完全に"Stay home"な素材のみで制作されている事がわかります。

Jonathanの歌のシーンは屋外で一人での撮影となっていますし、他メンバーも自分の家のガレージやスタジオと思わしきところでの演奏シーンのみで、復活ライブでの映像や写真をふんだんに使い、アクセントを加えてるのも印象的です。

この撮影もロクに出来ない現状で、The Ghost Insideは自分達が今出来る事を最大限に活用し、今の状況下でもこのMusic Videoを世に出してくれたんです。

それはこのAftermathは自分達の過去と現状を描いた楽曲でもあり、今の世界に対する彼らからのメッセージを含んだ楽曲だからだと思います。

そしてこの曲のとてつもない可能性のポイントはリアルさにあると思います。

この曲は"今の世界の現状を変える"とか"みんなを応援する"といったキャンペーン染みたものや"世界情勢を利用した自己顕示"的な意図があって作られた楽曲ではなく、あくまでも彼ら自身が乗り越え、勝ち取った状況で得た心情をリアルに綴った曲であると思うのです。

そこにやはり彼らが"HARD CORE"であることを感じます。

このまだ先が見えない状況下で漠然と「きっと良くなる」というメッセージを伝えたところで響くものは何もありません。

しかし、彼らがこの曲やMusic videoで提示している「きっと良くなる」というメッセージはものすごい説得力と浸透力を持って聴く人、観る人の心に響いて来るのではないでしょうか?

実際、自分もものすごく勇気付けられましたし、初めてMusic  videoを観て泣きました。

きっと出来ることをポジティブにやっていればきっと道は開ける。信じろ。

と背中を押してくれる気がします。

この楽曲はThe Ghost Insideが時代背景に合った曲を書いてリリースしたのではなく、あくまで自分たちのリアルを描いた曲がたまたま今の世の中に必要なメッセージとなってしまったのだと思うんですよね。

そのリアルさと説得力があるからこそ人は動かされるし、感動するのだと思います。

だから"今出さなきゃ"とバンド側がリリースしたにせよこの曲が今の世の中に出されたのは偶然的なタイミングによるとこが大きいと思います。

しかし、そこに何か自分は必然性のようなものを感じぜざるを得ないんです。

The Ghost Insideが直面した凄惨な事故、それによって降りかかった仲間の死、怪我や重度な障害、そしてそれらを乗り越えて掴み取った奇跡的復活。

そこで得たものを彼らは今の世の中に伝え、「今の状況は絶対に打破できる」というメッセージを世界中一人一人の心に宿すある種の"使命"のようなものを与えられてる気がします。

時代に必要な曲、時代を変える曲、時代を代表する曲、いつの年代でも色々な趣味趣向や条件などを超越した"その時代が欲する楽曲"が存在すると思います。

それが自分はAftermathだと思うんです。大袈裟でなく。

だからこのAftermathは本当に世界中全ての人に聴いてもらいたいし、MVを観てもらいたい。

そこで彼が発するメッセージを少しでも感じ取ってもらい、その彼らの"生き様"を自分の中に落とし込んでいって欲しい。

それがもし出来たら、絶対に今の世界は変わると思う。

4.最後に

このAftermathのMVを観た時、本当に身体に電流が走るような"何かヤバい事が起こってる"感覚がありました。音楽が好きな方だったら一度は経験した事があると思います。

それはとても久しぶりな事で、不意を打たれたような気持ちでした。

この衝撃の根源にあるものは先ほどお伝えした通り、"時代を変える曲に出会ってしまった"というものです。

そして絶対にここ日本でも、この手のジャンルに精通していない人達も含めてもっと多くの人にこの曲は聴かれる必要があると思ったので今回記事にしてみました。

今のこの辛い世の中の現状は恐らく長期戦になる事を覚悟しておかなければいけません。

ではこの現状に負けて自身の音楽活動や積み上げてきたもの全てを放棄していいのでしょうか? ウイルスというものに自分達の大切な場所を奪われるのを黙って見てればいいのでしょうか?

そんな訳はありません。

外に出れなかったり、行動が制限されたとしても戦う、行動を起こす、発信を続ける方法は現代の世の中の技術を使えばいくらでもあります。

長期戦になろうが生き残ってまたライブが出来る日がやってくると信じ、出来る事を探し、模索し続ければいいのです。リハビリ中のThe Ghost Insideのメンバーのように。

それが出来ていれば、必ず待ってくれてる人には自分の発信は届いていくはずです。

このAftermathが収録され、セルフタイトルを掲げた彼らのニューアルバムのジャケットには彼らを信じてサポートし続けたファンや、彼らが体に刻んだThe Ghost Insideのタトゥーの写真が無数に並べられた上に彼らのシンボルマークが載るというものになっているのがMusic videoの最後でわかります。

活動が止まっても支持してくれるファンが離れなかったのはこの感謝を表す彼らの実直な姿勢と絶対に戻ってくるという発信をし続けた彼らの行動で培われた賜物だと思います。

もう恐らく、前みたいな世の中には戻らないと思います。この未知のウイルスによって世界中に降りかかった色々な弊害は今も世界中で拡大していて、もう取り返しのつかないところまで来てしまっています。

この先どうなるなんて誰も知る由もありません。

だけど、それでも生きていくしかないんです。未来は絶対によくなると信じて。

どんな災難が降りかかっても、音楽を、活動を、好きなことを諦める必要はない。

The beat goes on
Yesterday is gone
but the beat goes on

ビートは続いていく。

昨日は無くなった。

だけどビートは続いていく。

今後自分達がどうしていくべきかはAftermath最後のこの一節に集約されてると思いました。

この楽曲とMusic Videoを生み出し、世の中に届けてくれたThe Ghost Insideに最大限の敬意と感謝を送ります。気持ちはしっかりと受け取りました。あとは自分次第。

ありがとう、The Ghost Inside


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