最近聴いてる曲 7月のYU-TO`s レコメンド
どうも皆さん、YU-TOです。
まだあと1週間くらい残っているけれど、7月はなかなかに多くの数の音楽を聴いた月だった。
7月発表の作品から少し前に発表されたものまで、ジャンルを問わず沢山の良曲に出会えた月で、いつか時が経って思い出した時、この夏に体験したいくつかの印象深い体験と共に思い出される楽曲はどれになるのかと、今から楽しみでならない。
相変わらずメタルは少ないが、今月は自分が所属するTHOUSAND EYESがニューアルバムをリリースした為か、割とオーセンティックなメタルを掘り返して聴いてみたりもしていた。
あとは、BURRN!のレビューに載っているニューリリースを調べてみたりだとか。
本当に、まだまだ世の中には知らないアーティストが山ほどいるのだなと、毎月毎月ビックリさせられる。
そして、そんな風に自分から特に動いたりしなくても、ツボにピタッとハマる音楽がどこからともなくSNSやサブスクと呼ばれる風に乗って運ばれてきたりもするのだから、世の中便利になったのかそうじゃないんだか。
そんなこんなで、7月のレコメンドはこちらの5曲。
Sam Tinnesz「Bittersweet feat. Dashboard Confessional」
Jimmy Eat World 「Something Loud」
G:nt 「フランケンシュタイン」
Bring Me The Horizon 「sTraNgeRs」
Spite 「Dedication To Flesh」
まずはSam Tinneszの「Bittersweet feat. Dashboard Confessional」。
この "Sam Tinnesz" というアーティストについては名前すら知らなかったのだが、敬愛するDashboard Confessionalがフューチャリング参加ということで聴いてみた。
もうイントロから完全昇天。
もう殆どDashborad Confessionalの新曲なんじゃないかと思ってしまうくらいに "節" が効いたメロディラインで、ど直球なくらいの正統派エモサウンドにニヤニヤが止まらなくなる。
Sam Tinneszの他楽曲も聴いてみたのだけど、正直あまりピンと来なくて、どうやらこの曲だけ完全にDashboard Confessionalサイドに振った亜流の企画ソング的な扱いみたいだ。
Dashboard Confessionalことクリス・キャラバが、恐らく作曲にも参加していると思うのだけど、ここまでフューチャリングアーティストに寄せまくった楽曲というのもなかなか珍しい。
そして、Dashboard Confessionalと対になる程のエモアーティストであるJimmy Eat Worldも、新曲『Something Loud』を先月発表。
この曲、7月どころかリリースされてからずっと聴いているくらいお気に入り。
この人達は本当にため息が出るくらいにブレないというか、常に一貫したサウンドを出し続けているなと思う。
特に派手なことをしている訳ではないのだけれど、他の追従を許さないくらいのオリジナリティがしっかりとあって、「ああ、Jimmy Eat Worldの曲だなぁ」とイントロを聴いただけでしみじみ納得させる。
もうかれこれ15年以上に渡って彼らの楽曲に魅了されている自分だけれど、この彼らのオリジナリティがどこからやってくるものかが未だによく分からない。
ジムの伸びやかでレンジが広い歌声と、ザックの太いドラムサウンドがその根底を担っているのは確かなのだが、Jimmy Eat Worldの楽曲を口で説明しようとしても、"単なるポップロック" という酷い言葉しか思い浮かばない(笑)。
Jimmy Eat Worldは "エモ" というジャンル枠の中にいるバンドだが、もはやそれ以上の市民権を得ているバンドでもあるから、個人的には "ポップロック" と言った方がしっくりくる。
そんな耳障りが良い "単なるポップロック" を一貫して高品質で産み出し続けるというのは、本当に容易いことではない。
高品質なポップロックを2022年も変わらずリリースし続け、自分みたいな15年来のファンを未だノックアウトしている事実は理屈抜きで凄い。
今アメリカで起きている(らしい)エモリバイバルブームは、そんな彼らみたいなバンドの活躍があってこそのものだと思う。
そのエモリバイバルブームは、今や他ジャンルにも派生し、例えばラップ・ヒップホップシーンにいるアーティストからもその手のジャンルからの影響を感じることが最近は多くなった。
例えば、日本の若きラップアーティストG:ntの『フランケンシュタイン』などがそれ。
"エモラップ" と呼ばれるサブジャンルのそれよりもさらに正統派なエモサウンドに寄ったパンキッシュな1曲で、この跳ねるようなテンポ感は初期のThe All American Rejectsを彷彿とさせる。
ヒップホップ界隈にいるようなアーティストが、この手のエモサウンドをアルバムの中に入れ込んでくるのだから、本当に時代というのは変わっていくものだ。
アルバムの中でも異彩を放つ楽曲で、誰からの影響でこのような曲調になったのかは不明だが、個人的にはこのポップな方向性の方が好み。
同性としてはちょっと引いてしまうくらいに女々しい歌詞もエモっぽい(笑)。
そしてまた、Bring Me The Horizonの新曲『sTraNgeRs』も、今までの彼ら以上に往年のエモサウンドを取り入れた楽曲だった。
3拍子のリズムが映える切ないメロディが耳に残る1曲で、SAOSINを現代風アレンジでこねくり回したような印象。
"往年のスクリーモバンド" みたいな扱いを受けることがあるBring Me The Horizonだが、ちょうどスクリーモが流行っていた時代に彼らはデスコア然としたサウンドをやっていて、決してメロディに重点を置いたサウンドをやっていた訳ではなかった。
というか、Bring Me The Horizonというバンドは、"常に時代の最先端をいっているバンド" であり、先程のJimmy Eat Worldのような徹底して一貫したサウンドを出していくようなバンドではない。
いい意味で "時流に乗ってる" というか、その時その時の時代の流れを巧みに読み取り、それを超高水準で自分達のものにしてしまうという類まれなバンドで、そんなバンドの "今" がこの曲なのだ。
サビで一気に爆発するような展開だったり、痛々しいくらいの切なさを感じさせるメロディとコード感は明らかに00年代のスクリーモがベースになっていて、個人的には「やっとこさ世間のイメージ通りの音になったな」みたいなことも思ってしまったり(笑)。
デスコアバンドから始まった彼らが、今後またどういう進化をしていくのかが楽しみだ。
デスコアといえば、Spiteの新曲「Dedication To Flesh」も強烈だった。
新アルバムからの先行シングルだが、既出の曲も含めて本当に期待を裏切ってこない、むしろその遥か上をいくような極悪サウンドをかましてくるのだから恐れ入る。
"デスコア" というジャンルを押し出しているバンドには、どうしても表面的なブルータリティしか表現できていない輩も数多くいる気がするのだが、このSpiteに至っては格が違う。
ハードコアの身体性とデスメタルの暴虐性が理想的なバランスで融合した、まさに "デスコア" と呼ぶのに相応しい音楽で、ここまでアグレッシブ一辺倒で飽きさせずに聴かせてくれるバンドというのも珍しい。
モッシュ不可避であろうライブも観てみたいが、ピットに飛び込む勇気はない(笑)。
そんなこんなババっと一挙に紹介してしまったが、今月はこの5曲がおすすめ。
どの曲を配信があるので、ぜひチェックしてみてほしい。
ちなみに、自分が所属するTHOUSAND EYESのニューアルバム『BETRAYER』も7月20日より発売&配信開始しております。
評判も上々で、オリコン全総合デイリーチャート18位と売上面でもなかなかの健闘っぷりを見せてくれているので、こちらも合わせて聴いてみて下さい!。
ではまた!。