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癒熱探訪 サウナー向きなスーパー銭湯 5選

安価で得られる極上のリラックスと、旅行に来たかのような非日常感。

それらを与えてくれるのが ”スーパー銭湯”という存在だ。

一般的な銭湯よりも数段広い敷地面積と、多種類の浴槽、レストランやマッサージなどのサービスも完備されたスーパー銭湯は、全国津々浦々に数多く存在していて、週末は多くの家族連れで賑わう日本を代表する人気レジャー施設の1つでもある。

有名どころだと、”お風呂の王様” や”極楽湯”がスーパー銭湯の代表格的存在だが、ここ最近はサウナに力を入れ始めるスーパー銭湯が、かなり増えてきたように思う。

スーパー銭湯のサウナは、どこも同じような作りであることがこれまでは多かった。

遠赤外線ガスストーブが設置された、天井の高い“スタジアムサウナ”と呼ばれる、席が階段状の造りのサウナで、可もなく不可もなくな温度感、、、。

水風呂は18℃くらいの標準温度で面白みが無く、休憩用の椅子すら無い、、。

そんなパターンのスーパー銭湯の方が以前は多かった印象だが、現在は施設ごとに工夫を凝らし、上級サウナーでも十分満足がいくクオリティのサウナを提供してくれる施設も多くなってきた。

スーパー銭湯は、タオルなどは別料金であることの方が多いが、基本的には600円〜900円ほどの値段でコスパが良い。

基本入浴料が470円の一般的な銭湯は、ドライヤーを使うのに20円が必要であったり、給水機が設置されていなかったりという不便さが否めず、そもそもサウナに入るのには別途で料金が掛かってしまう。

だが、基本的にスーパー銭湯には全て付いていて、場所によっては化粧水などのアメニティも使えてしまったりもする。

「こんな値段で、こんな贅沢が味わえるとは!」と感動させてくれる施設も多く、スーパー銭湯は、自分のように週に何度もサウナに通い詰めるヘヴィサウナーにとっての強い味方だ。

本日はそんな、お手頃な値段でサウナーもしっかりと満足させてくれるスーパー銭湯5店舗を、一挙に紹介していきたいと思う。

あくまで私的な観点から選んだ施設だが、どの施設も驚くのほどの安価で、必ずあなたを満足させる、極上のサウナ体験をもたらしてくれることだろう。

それでは、行ってまいりましょう!。

お風呂の王様 和光店

関東を中心に、全国至るところに店を構えるスーパー銭湯の代表格 “おふろの王様” の最新施設。

おふろの王様は、いくつかの店舗に行ったことがあるのだが、正直どこも特筆すべき点のない、“無難なスーパー銭湯”という印象だった。

だが、ここはかなり毛色が違う。

昨年12月にオープンしたばかりなので、決済システムが最新鋭だったりだとか、館内が綺麗だったりということは当たり前だとしても、浴室がまるで2000円〜3000円クラスの高級スパのような洗練された雰囲気に満ちている。

サウナ室は、壁に黒いエコカラット材(? )が敷き詰められた ”池袋レスタ” を彷彿とさせるモダンな内装のサウナ室で、人数制限はしているものの、15人以上は余裕で入れるくらいの広さ。

30分毎に3回連続でシャワー水がストーンに浴びせられるオートロウリュが設置されていて、3回目が終わった頃にはピリピリした熱刺激が全身を覆うナイスコンディションに。

水風呂は18℃と温度は高めながらも、広くて深い。

サウナ室〜汗流し〜水風呂までの導線もしっかりと考えられており、サウナーに寄せた設計がなされていることが一目で分かる。

そして、何と言っても露天スペースが素晴らしい。

まるで高級スパのような、お洒落でシックな雰囲気で、ここがまさか、あの “おふろの王様” だとはとても思えない、、、。

風呂の種類もさることながら、空を見上げられるリクライニングチェアが5台あり、椅子とベンチもしっかりと用意してくれているため、この高級感溢れる空間での極上の外気浴が思う存分楽しめる。

館内の雰囲気こそ、スーパー銭湯よりもワンランク上のスパ施設のようだが、入浴料は950円。

タオルは別料金で有料エリアなどもあるものの、十分過ぎるくらい安い。

サウナーならば、一訪の価値あり。

七福の湯 戸田店

“七福の湯” は、サウナブームが本格的に始まる前から、サウナー向けのサービスをいち早く取り入れていたスーパー銭湯だったように思う。

初めて訪問した2015年頃から1日数回のロウリュイベントを毎日開催していて、かつオートロウリュも搭載。

サウナ室のコンディションは常に高湿度に保たれ、中温高湿でとても居心地が良い。

室内に染み付いたオレンジアロマの残香も爽快で、清涼感ある香りと心地良い湿度が全身を包み込む。

水風呂は季節によって変動はあるものの、大体16℃くらいには保たれていて、入った瞬間にシャキッと頭が冴わたる。

露天スペースには休憩用の椅子が多数あり、横になれる大きなリクライニングも完備

2015年当時、スーパー銭湯でここまでサウナーに寄せたサービスを提供してくれる施設ってほぼ無かった。

レストランの食事もリーズナブルかつ美味しくて、岩盤浴エリアにある館内着を着用して入るロウリュサウナもなかなかの高クオリティ。

決して静かな施設というわけではないけれど、老若男女問わず様々な人達で賑わう活気に満ちた、スーパー銭湯らしい明るい施設の雰囲気には、ほっこりさせられる。

湯屋敷 考楽

サウナが世の中に浸透してきたことで、今までサウナに力を注いでいなかった施設が、いきなりサウナーに寄せた改装をするといった現象があちこちで起きているが、この ”湯屋敷 考楽” はその典型とも言えるだろう。

初訪問時、どんなサウナだったかの記憶が殆どないくらい、この施設は印象が薄かったのだが、、、。

しかし、たまたま近くに用事があったとき、久しぶりに寄ってみたら、凄まじいほどの変貌を遂げていて、とにかくビックリした。

まず驚いたのが、サウナストーブにメトス社製の ”イズネス” を導入していたこと。

初訪問時は、確かごく一般的な遠赤外線サウナストーブだったはず。

このイズネスは、“万葉倶楽部” や ”おふろの国” といった施設も導入している、遠赤外線サウナストーブに石を敷き詰めたような珍しい造りのサウナストーブ。

かなり強力なオートロウリュ機能が備わっていて、このストーブが置いてあるサウナ室の温度感はどこもかしこも安定感抜群になのだが、導入している施設はかなり少ない。

そして、新たな考楽のサウナ室にはストーブが2つあり、毎時00分と30分にこの2つを駆使して のマイルド、ストロングと銘打たれた2パターンのオートロウリュが仕掛けてあるのだが、ストロングオートロウリュの強烈っぷりには舌を巻いてしまった。

「なんだかんだスーパー銭湯だし、ストロングとか言っておいて、どうせ無難な温度感で終わるんでしょ?。」というこっちの期待を大いに裏切る、身震いしてしまうくらいに暴力的な熱さ。

水風呂も15℃とキンキンに冷えきっており、“湯屋敷 考楽” は、とてつもない熱冷のコントラストを提供する、サウナー贔屓のスーパー銭湯に生まれ変わった。

露天スペースには、それなりの人がいても余るほどの数に及ぶ休憩用のサウナチェアが至る所に点在。

以前来たときは、確かベンチが2台ほどあるだけだった気がするが、本当に凄まじいくらいの変貌というか、もはや ”進化” である。

「いっそ変えるなら、徹底的にやってやる!。」という店側の気合を感じる、大規模なサウナー向けリニューアルで、こういう意識改革を施設側に起こせるのであれば、多少の混雑を招いたとしても、 ブームになるのも悪くない。

しかも、この極上かつマニアックなサウナ体験が650円で味わえてしまうなど、常軌を逸している。

近くに住んでいる人達が羨ましいとすら感じてしまう、新たな “サウナの聖地” として語られても決しておかしくはない、完全サウナー向けスーパー銭湯。

東京前の原温泉 さやの湯処

温泉旅館のような趣がある外観だが、れっきとしたスーパー銭湯。

“関東ベストスーパー銭湯”みたいなメディアの特集で、必ずと言って良いくらい名前が挙がる有名店だ。

ここのメインはあくまで温泉であり、決してサウナを1番の売りにしている施設ではないのだが、程よく、絶妙なバランスが取れたサウナ室と水風呂がある。

サウナ室はごく普通の遠赤外線ストーブが設置してあるスタジアム型サウナ。
柔らかい肌感覚ながらも、確実に体を熱し切ってくれる温度感はある。

水風呂は最近少し温度が下がった気がしていて、温度計は18℃を指していることが多いが、体感では16℃くらいに冷えている印象。

決して強烈な個性があるわけでは無いけれど、熱冷バランスの均整が取れた良質なサウナ体験が味わえて、毎回安定した “ととのい”を手に入れることが出来る。

このサウナと水風呂の間に、ここの名物である源泉温泉風呂を挟むことで、より深く、長く、その “ととのい”を持続させることも可能。

そして、この露天スペースでの外気浴が本当に絶品で、、、。

決して広くは無いものの、和の風情と緑に溢れた、絵に描いたような ”日本温泉” の景観。

そんな中でベンチに寝そべって、肌をかすめる爽やかな風の質感を感じながら、木々の揺れが発する自然のハーモニーに耳を傾けていると、全てを忘れられるくらいの深いリラックスが全身にもたらされる。

さやの湯処の良さは、サウナよりもこの極上の外気浴なのだ。

レストランや館内の至るところで観ることの出来る庭園も、「京都にでも来たのか?。」と勘違いしてしまうくらいの趣があって素晴らしい。

”近場で旅行気分!” というのが、スーパー銭湯の醍醐味であるが、その感覚を味わうのに、”さやの湯処” は最も適したスーパー銭湯だと思う。

平日の入浴料は890円。

破格の値段で享受できる至高の非日常的温泉体験。

“必浴” です。

スパロイヤル川口

巷ではあまり名前を聞かないような気もするが、南国バリをテーマにした外観と、ガムランが流れる館内の雰囲気が異世界に来たような感覚を抱かせてくれるスーパー銭湯の名店。

サウナ室は、これまたありがちなスタジアムサウナではあるけれど、最上段は天井が低い設計のためか、足先まで満遍なく体を熱してくれる温度感があり、物足りなさは一切無い。

扉が二重になっているため熱が逃げにくく、良い意味で籠った空気感があり、熱の感触が重たいような気もする。

水風呂は17℃と、そこまでの冷たさは無いものの、深さがあるため、浮遊感があってとても気持ち良い。

サウナ室の温度感と水風呂の温度感のバランスって最も自分が重要視している部分なのだけど、スパロイヤル川口は、その理想系に近いバランスなのだ。

ここ最近は、正直どの施設も無駄に水風呂を冷たくし過ぎだ。

いくら水風呂が冷たくても、サウナ室にしっかりと芯から体を熱してくれる温度感が無いと、気持ち良いどころか体が冷え切ってしまう。

このサウナの ”温度感” って物理的な ”数字の温度” では無くて、湿度とか構造とかを含めた全体的なポテンシャルのこと。

スパロイヤル川口のサウナ室と水風呂には、あからさまな強烈さは無いものの、どちらも平均点+αくらいで同じくらいのポテンシャルだから、穏やかで迷いがない快い “ととのい” を得られる。

気持ち良い “ととのい”を得るのに、水風呂の温度が極端に低い必要は決してなく、大切なのはサウナ&水風呂の温度感の均整が取れているかどうかなのだ。

露天スペースは広く、写真手前に見えるウッドデッキでは寝そべることも可能。

ここに仰向けになって、頭上に広がる空を見ていると、「もう二度と起き上がれないのではないか?。」と思ってしまうくらいのトリップ感に襲われることも(笑)。

和の雰囲気と南国リゾートの雰囲気が混ざり合った何とも不思議な空間だが、そのアンバランスさがこの施設独自の個性に繋がっていて、とても好感が持てる。

館内にはレストランだけではなく、漫画を読めるスペースや、別料金だが岩盤浴もあって楽しみ方の幅は盛り沢山。

これまた平日870円、休日料金でも970円と激安。

この料金で、充実のサービスと異国情緒に溢れたサウナ体験を提供してくれる優良店。

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そんな感じで、ざっくりとサウナーにおすすめなスーパー銭湯を5つ紹介してきたが、今回は割とメジャーな施設を中心に厳選させてもらった。

スーパー銭湯って、幅広い年齢層のお客さんが来るから、どうしても諸々の設定が無難になりがちで、尖ったサウナ体験を提供してくれるところって、やっぱりまだ少ない。

だが、今回紹介した5つの施設はあくまでスーパー銭湯の枠からはみ出さずに、「なかなか頑張ってるなぁ。」とサウナーの自分が感じた施設。

冒頭でも言ったように、リーズナブルな値段でハイクオリティなサウナ体験を提供してくれるスーパー銭湯は、月に何度もサウナに行くようなヘヴィサウナーにとって非常にありがたい。

少々アクセスが悪い施設もあり、人によっては行き辛い場所もあるかもしれないが、どの施設も一訪の価値はあるので、是非旅行に行くような気持ちで訪れてみて欲しい。

国内には、自分が訪れたことのないスーパー銭湯がまだまだ沢山。

癒熱探訪は、果てしなく続くだろう、、、。恐らく一生。

幸せなことだ。

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