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#38 魚を与えるのか、魚の釣り方を教えるのか

最近私のTwitterのタイムラインに今回の題のような言葉が散見されたので、個人的に思うことを書いていこうと思います。


結論:相手の状況次第で変わる


「授人以魚 不如授人以漁」
~人に魚を与えることは、魚の釣り方を教えることに及ばない~

老子

この言葉の通り、その相手の将来を見据えれば魚の釣り方を教えた方が良いですが、


・釣竿や釣り針、糸や餌はあるのか

・その川(海)には、食べられる魚がいるのか

・そもそもその相手は、釣りができる状態なのか

大まかに以上のことについて考えた上で関わる必要があるように思います。

これを今の私の立場(S&Cコーチ)で考えてみました。


釣竿や釣り針、糸や餌はあるのか


これからの話は、

「魚=選手やチームが求めるより良いパフォーマンスを実現させるために必要なこと」

と設定した上で進めていきます。



その場合、この釣竿や針、糸や餌とは、

・トレーニング環境(主にハード面)

と、捉えることができます。

環境(用具や場所、トレーニングに当てられる時間、チームの理解など)が整っていなければトレーニングを継続することはできません。


その川(海)には、食べられる魚がいるのか


言い換えると、

・その相手が欲しがっている魚は本当に食べたい魚なのか

つまり、

・その「選手やチームが求めるより良いパフォーマンスを実現させるために必要なこと」が本当に必要なのか(合っているのか)

ということになると思います。

例えば、技術はあるけど90分持たない選手がいたとして、

その選手が、パフォーマンスを高めるためには持久力を高めるべき

として、持久力を向上させても、

パワーがなければフィジカルコンタクトでは劣勢になったり、スピードがなくて相手に対応できないままだったりします。

結果的に、より良いパフォーマンスが得られない状態のままです。

全てを均等にバランスよく高めることは、とても難しいことですから、今の自分の状況であれば何を優先して高めていく必要があるのかを考えた上で取り組んでいきたいですが、

これは実際にやってみないとわからない部分が非常に大きいことも事実です。

リスクが小さそうであれば、

その欲しがっている魚はちょっと違うんじゃないかな〜、、、

と思っていても、失敗の可能性が高くとも経験として与えてみることが必要なケースもあるように思います。


そもそもその相手は、釣りができる状態なのか


これは、

・心身のコンディションが適切な状態か

という部分に当たると思います。

疲労や怪我、病気があれば、回復にあてる必要があるし、

悩み事があれば、解決とまではいかなくとも、話を聞くことから始める必要があるかもしれませんし、

魚が欲しいと言っているが、本当はそう思っていない。

なんてこともあると思います。

周りの環境に流されてしまっている(自分で考えることができていない)状態であれば、そこから見直す必要もあるかもしれません。


以上、はじめの結論の通り、

釣り方を教えるに越したことはないけれど、相手の状態によって必要なものは変わってくるよね!

指導者としては、釣り方だけ教えて満足していてはダメだよね!

つまりトレーニング法だけでなく、まずは相手が今現在どんな状況(環境)にあるのかを確認したりイメージした上で考えて行動する(しない)といけないよね!

という至極当たり前なことを少しややこしく書いてみました、、


相手を思いやる気持ち


指導者として勉強を重ねていると、

どうしても

正しさや理想を相手に押し付けてしまいがちです。

相手がどんな状況で、なぜそうなって、何が今必要なのか?

こういった想像力や思いやりが欠如してしまい、

自分のこれがしたい、あれがしたい!

ばかりになってしまうと

選手の自主性が失われてしまいます

結果を出す選手に共通するのは、

「自分で考え実行できること」

そのきっかけを示せる立場でいたいなと思っています。




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