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「イマーシブ」の認知度と、体験しない理由の調査 - 詳細解析編

イマーシブに関する認知度と体験しない理由について、こちら(日本遊園地学会webサイト)で公開しているものに加えて、アンケート対象者のデモグラ(属性)も含めた、複数指標での解析結果を公開します。本記事は、データ量が多いため、読み物というよりはコメント付きデータ集とお考え下さい。
アンケートの概要、調査方法、対象者等につきましては、上記ページをご参照ください。また、本記事とあわせて生データも販売しております。あわせてご利用ください。
なお、本記事または生データをご購入いただきました方は、追加のデータ解析や、解釈のご相談などが御座いましたら、筆者までお問い合わせ頂ければ無償で対応致します。例えば、「学生で一人暮らしか実家暮らしかの違いによる影響を見たい」などのお問い合わせは、すぐに対応可能です。ただし、筆者はマーケティングリサーチのプロではありませんので、難しいお問い合わせに対しては、「一緒に考える」という形になりますことはご了承ください。


認知度と居住県の関係

まず、2,000人を対象とした認知度に関するアンケートの詳細です。
イマーシブという言葉は、イマーシブ・フォート東京のオープンに伴って、全国ネットのテレビ番組や、ネットメディア等を介して、居住地とは無関係に広がっていくというプロセスを取りました。このプロセスの場合、テレビ番組等に関しては、視聴の真剣度という点で、イマーシブ・フォートが立地する東京から離れるほど情報の定着率が低く、ネットメディアの場合にはインプレッション自体が東京から離れるほど低くなりますので、東京において認知度が最も高い、という結果になるはずです。
一方で、イマーシブミュージアムや、フォート東京以外のイマーシブ・シアターでイマーシブという言葉を認知された方は、大都市圏を中心とした分布になるはずです。
これらの比較を行うため、認知度と居住県の関係をプロットしました。

東京から県庁所在地までの直線距離と認知度の関係

まず、単純に東京から県庁所在地までの直線距離でプロットしますと、図のように部分的な相関はありそうですが、R2乗値も0.18と小さく、十分な相関とは言えません。
では、続いて東京駅から、各県庁所在地最寄り駅までの所要時間でプロットしてみます。移動所要時間は、時間帯や交通手段などによって、かなり幅が出てしまいますが、今回はfullnote blogに記載されている条件を採用しています。

東京駅から県庁最寄り駅までの所要時間と認知度の関係

認知度が0の県は、n数が少ないため、外れ値として扱いますと、先ほどより回帰は良くなっていて、R2乗値も0.23まで改善しています。
続いて、テーマパークによく言われる「3万円の川」の影響を確認するため、東京駅から各県庁最寄り駅までの所要金額でプロットします。金額は、先ほどと同様の交通手段を用いた場合で計算しています。

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